株式会社エニグモは、2026年1月期第2四半期(中間期)において、売上高は前年同期比12.9%増の28億98百万円となった。しかし、営業利益は1億77百万円の損失、経常利益は4億60百万円の損失、親会社株主に帰属する中間純損失は4億96百万円となった。これは、Fashion Platform事業における消費回復の遅れや、Travel Platform事業における海外孫会社のPMI長期化に伴う収益化の遅れを勘案し、売上高及び利益が想定を下回ったことによる。
一方で、株主還元については、BUYMA20周年記念配当として、期末配当予想を30円に修正した。これは、前期比3倍となる。
全体として、増収となったものの、損失計上となった点は投資家にとってネガティブな要因であり、今後の収益改善に向けた取り組みが注目される。
株式会社エニグモの2026年1月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高が前年同期比12.9%増の28億98百万円となった。これは、主力のFashion Platform事業における堅調な需要と、Travel Platform事業における海外孫会社のPMI長期化に伴う収益化の遅れを勘案した結果である。しかし、営業利益は1億77百万円の損失、経常利益は4億60百万円の損失、親会社株主に帰属する中間純損失は4億96百万円となった。これは、新規事業への投資や、コスト構造の改善に向けた取り組みを進めたことによる影響が大きい。
指標 | 2026年1月期(累計) | 2025年1月期(累計) | 前年同期比 |
---|---|---|---|
売上高 | 2,898百万円 | 2,566百万円 | 12.9% |
営業利益 | △17百万円 | 229百万円 | △107.4% |
経常利益 | △46百万円 | 199百万円 | △123.1% |
親会社株主に帰属する中間純利益 | △49百万円 | 131百万円 | △137.4% |
純利益 | △49百万円 | 131百万円 | △137.4% |
Fashion Platform事業は、主として「BUYMA」の運営を行っており、全社売上高の大部分を占める。当中間連結会計期間におけるFashion Platform事業の売上高は25億32百万円(前年同期比1.1%減)となった。これは、国内における消費意欲の鈍化や、ファッション分野における「楽しい気持ちになれる」「節約できる・安い」「安心・安全で間違いのない品質」といった、コストパフォーマンスの高い商品やサービスを重視する傾向が強まったことによる。
一方で、当社グループは、大型セールや割引といった「合理的価値」を提供するイベントを強化し、消費を喚起する主要なトリガーとして活用している。また、ファッションEC市場における実店舗とオンラインを融合したOMOマーケティングの重要性が高まっていることを踏まえ、BUYMAイベントスペース「BUYMA studio」とパーソナルショッパー、オウンドメディア「STYLE HAUS」等との連動企画イベントの開催、鑑定機能向上による安心・安全対策の継続強化、海外越境ECとの連携による海外市場へのサービス拡大、ラグジュアリーヴィンテージマーケット「BUYMA VINTAGE」の本格リリース、そして「BUYMAコンシェルジュ」等の施策による優良顧客獲得促進等、中長期的な成長に不可欠な施策を順次進めている。さらに、コスト効率性を重視した事業運営による徹底したコストコントロールによる収益確保も継続して取り組んでいる。
以上の結果、Fashion Platform事業における会員数は11,750,137人(前年同期比4.8%増)、商品総取扱高は22,996,440千円(前年同期比3.9%減)となり、セグメント利益は5億3百万円(前年同期比14.7%減)となった。
Travel Platform事業は、主として「BUYMA TRAVEL」の運営を行っており、全社売上高の約12.6%を占める。当中間連結会計期間におけるTravel Platform事業の売上高は3億65百万円(前年同期比6,615.9%増)となった。これは、海外旅行需要の回復を追い風に引き続き高成長を維持していることによる。しかし、コロナ前の水準には完全には戻っておらず、2025年6月の出国者数は1,054,045人(法務省出入国在留管理庁速報値)であり、2019年比では依然として30.7%減の水準にとどまっている。この不完全な回復は、BUYMA TRAVEL事業に今後大きな成長余地が残されていることを示唆しており、市場全体が完全回復に向かうにつれて、事業規模のさらなる拡大が期待できる。
当社グループの新たな収益の柱としての旅行事業の成長に向け、BUYMA TRAVELを中心として独自性のある高品質なプライベートガイドサービスに、アクティビティ、ホテル、レストラン予約等を連携するとともに、日本人に人気のあるグアム及びハワイを拠点とする孫会社のアクティビティ事業を強化するなど、積極的に事業戦略を進めている。
以上の結果、Travel Platform事業の売上高は3億65百万円(前年同期比6,615.9%増)となり、セグメント損失は1億73百万円(前年同期はセグメント損失21百万円)となった。
株式会社エニグモは、2025年8月20日開催の取締役会において、持分法適用関連会社である株式会社ゲツラクの株式を追加取得し、連結子会社化することについて決議した。その後、2025年9月1日付で払込を行い、本株式を取得した。ゲツラクは有料職業紹介、転職支援プラットフォームの開発・運営を行っており、今回の完全子会社化により、BUYMA事業以外の新たな収益源の構築を目指すとともに、人材関連事業を収益の柱として成長させることを目指す。グループ内の経営資源の共有や事業連携の強化を通じて、相互にシナジーを発揮し、新たな価値創造と一層の企業価値向上を目指す。
該当する四半期決算発表が1Q or 2Q or 3Qの決算発表だった場合は、このセクションを記載して。該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)だった場合は、このセクションは、何も記載しないで削除して。
株式会社エニグモは、2026年1月期の通期業績予想を修正した。売上高は9.7%増の65億5百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は10.7%減の3億87百万円となる見込み。これは、Fashion Platform事業における消費回復の遅れや、Travel Platform事業における海外孫会社のPMI長期化に伴う収益化の遅れを勘案した結果である。
指標 | 通期予想 | 進捗率(2Q) |
---|---|---|
売上高 | 6,505百万円 | 46.2% |
営業利益 | 30百万円 | △59.3% |
経常利益 | 2百万円 | △2,300.0% |
純利益 | 387百万円 | 77.4% |
該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)だった場合は、このセクションを記載して。該当する四半期決算発表が1Q or 2Q or 3Qの決算発表だった場合は、このセクションは、何も記載しないで削除して。
2026年1月期第2四半期末の連結財政状態は、総資産が144億47百万円、純資産が115億55百万円となり、自己資本比率は79.6%となった。前連結会計年度末と比較して、総資産は微増、純資産は増加した。これは、投資有価証券の増加や、のれんの増加によるものである。
キャッシュフローについては、営業活動によるキャッシュフローは90百万円のマイナスとなった。これは、預り金の増減や法人税等の支払額による影響が大きい。投資活動によるキャッシュフローは11億18百万円のマイナスとなった。これは、定期預金の預入による支出が主な要因である。財務活動によるキャッシュフローは3億97百万円のマイナスとなった。これは、配当金の支払額によるものである。
株式会社エニグモは、2028年1月期以降の継続的な中長期成長に向けた経営方針を新たに策定し、段階利益に拘ることなく現金創出力を高め、獲得したキャッシュを事業・人材資本への再投資、株主・社会へ還元するため、調整後EPSを企業価値向上のための最重要KPIと位置付けている。2025年1月期実績ベースで15.91円であった調整後EPSを、2028年1月期には約2.5倍の40円以上とすることを目指し、今後2年間(2026年1月期及び2027年1月期)を「構造改革期間」と位置づけ、2028年1月期以降の成長ステージに接続していく方針である。
この経営方針に基づき、当社は、「資本効率の改善」と「キャピタルアロケーション最適化」に向け、各事業への積極的な成長投資を進めるため、当期における戦略投資費用として約3億円を追加計上し、これに合わせて通期配当を普通配当10円にBUYMA20周年記念配当20円を加えて、前期比3倍となる一株当たり30円の期末配当を行うこととした。
また、既存事業においては、売上高は想定の範囲内で推移しているものの、Fashion Platform事業における消費回復の遅れ、Travel Platform事業における海外孫会社のPMI長期化に伴う収益化の遅れを勘案し、売上高及び利益が想定を2億円程度下回る見通しとなった。
一方で、当社は、2025年9月12日開催の取締役会において、当社が保有する投資有価証券の一部の売却を決議し、投資有価証券売却益を特別利益として計上する見込みとなった。これにより、親会社株主に帰属する当期純利益の通期予想値は0.6億円程度想定を上回る見通しとなった。
これらの要因により、通期の連結業績予想を修正した。
今回の決算発表は、増収となったものの、損失計上となった点は投資家にとってネガティブな印象を与える可能性がある。しかし、中長期的な成長戦略や株主還元強化に向けた姿勢はポジティブに評価できる。今後の事業展開と収益改善に向けた取り組みが、企業価値向上に繋がるかどうかが注目される。
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