株式会社モルフォの2025年10月期第3四半期連結決算短信によると、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が前年同期比0.9%減の2,333億円となった。営業利益は90億円の損失、経常利益は80億円の損失、親会社株主に帰属する四半期純損失は210億円となった。これは、前年同期の営業利益136億円、経常利益194億円、親会社株主に帰属する四半期純利益160億円から大幅な悪化である。
中期経営計画「Vision2027」を策定し、「Rise above what we see, to realize what we feel-人間の目を拡張し、感動に満ちた世界を実現しようー」をビジョンに掲げ、スマートデバイス、車載/モビリティ、DXの事業領域においてイメージング・テクノロジーを軸としたソリューション開発を進めている。スマートデバイス領域では、中国のスマートフォンメーカー等との取引継続により売上伸長に寄与。車載/モビリティ領域では、自動車メーカー等との関係強化により収益基盤を強化。DX領域では、既存サービスの再構築を進めている。
しかしながら、当第3四半期連結累計期間においては、売上高の微減に加え、販売費及び一般管理費の増加等により、大幅な損失計上となった。この結果、当決算発表は投資家目線ではネガティブな内容であったと判断される。
株主還元については、2025年10月期の配当予想に変更はない。
株式会社モルフォの2025年10月期第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が前年同期比0.9%減の2,333億円となった。営業利益は前年同期の136億円の利益から90億円の損失へと大幅に悪化し、経常利益も前年同期の194億円の利益から80億円の損失となった。親会社株主に帰属する四半期純利益も、前年同期の160億円の利益から210億円の損失へと転落した。この業績悪化は、売上高の微減に加え、販売費及び一般管理費の増加などが主な要因である。
指標 | 2025年10月期(累計) | 2024年10月期(累計) | 前年同期比 |
---|---|---|---|
売上高 | 2,333億円 | 2,353億円 | △0.9% |
営業利益 | △90億円 | 136億円 | - |
経常利益 | △80億円 | 194億円 | - |
純利益 | △210億円 | 160億円 | - |
株式会社モルフォは単一セグメント事業を展開しているため、事業セグメント別の記載はない。
株式会社モルフォは、2025年9月12日開催の取締役会決議に基づき、2025年11月1日付で連結子会社である株式会社モルフォAIソリューションズを吸収合併することを発表した。本合併は、グループの戦略的事業領域であるDX領域における顧客ニーズに応えるため、経営資源の合理化及び効率化を図ることを目的としている。本合併により、AIコンサルティングサービス、システムインテグレーション、ソフトウェア販売といった事業が株式会社モルフォに統合される。
該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)ではないため、このセクションは削除する。
株式会社モルフォは、2025年10月期の通期連結業績予想を修正している。修正後の通期業績予想は、売上高が3,300億円(前期比0.0%)、営業利益が40億円(前期比84.4%減)、経常利益が60億円(前期比79.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が△100億円(前期比増減率なし)となっている。これは、2024年12月13日に公表した業績予想からの修正である。
指標 | 通期予想 | 前年実績 | 増減率 |
---|---|---|---|
売上高 | 3,300億円 | - | - |
営業利益 | 40億円 | - | - |
経常利益 | 60億円 | - | - |
純利益 | △100億円 | - | - |
当第3四半期連結会計期間末の総資産は3,968,906千円となり、前連結会計年度末に比べ293,597千円減少した。これは、現金及び預金、売掛金の減少による流動資産の減少と、ソフトウェア、投資有価証券の増加による固定資産の増加が相殺された結果である。負債合計は499,909千円となり、前連結会計年度末に比べ121,861千円減少した。純資産は3,468,996千円となり、前連結会計年度末に比べ171,735千円減少した。これは、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が減少したことによる。キャッシュフロー計算書は作成されていない。
株式会社モルフォの当第3四半期決算は、売上高こそ微減に留まったものの、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する純利益ともに大幅な損失を計上しており、投資家にとっては非常にネガティブな決算発表となった。中期経営計画「Vision2027」を掲げ、DX領域を中心に事業拡大を目指しているものの、足元の業績回復には課題が残る。特に、スマートデバイス、車載/モビリティ、DXといった戦略領域における競争激化や、IT人材の需給逼迫といった外部環境の変化が、今後の業績に影響を与える可能性がある。
通期業績予想も大幅に下方修正されており、親会社株主に帰属する当期純利益は損失となる見通しである。これは、当第3四半期までの業績を踏まえた現実的な見通しであると考えられるが、今後の事業展開や市場環境の変化によっては、さらなる業績変動のリスクも否定できない。
一方で、連結子会社である株式会社モルフォAIソリューションズの吸収合併は、経営資源の合理化・効率化を図り、グループ全体の競争力強化に繋がる可能性がある。この合併の効果がいつ頃、どの程度業績に貢献するかが注目される。
株主還元については、配当予想に変更はないものの、現時点では配当の実施は見送られている。自己株式取得や株主優待に関する情報も開示されていないため、株主還元に対する積極的な姿勢は現時点では見られない。
総じて、株式会社モルフォの今後の見通しは、厳しい事業環境下での業績回復と、中期経営計画の着実な実行にかかっていると言える。投資家としては、今後の事業戦略の進捗状況、特にDX領域における具体的な成果、そして業績回復の兆しを慎重に見極める必要があるだろう。
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