アセンテック株式会社の2026年1月期第2四半期(中間期)連結決算は、売上高108.33億円(前年同期比88.4%増)、営業利益10.98億円(同355.8%増)、経常利益11.16億円(同135.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益7.73億円(同137.5%増)と、大幅な増収増益を達成した。これは、新設子会社である株式会社CXJの事業開始による仮想デスクトップソフトウェアの売上増加や、自社製品「リモートPCアレイ」の地方自治体での導入進捗が主な要因である。通期業績予想も上方修正され、特に利益面での大幅な改善が見込まれる。株主還元については、2026年1月期の年間配当予想を23.00円に据え置いている。全体として、今回の決算発表は非常にポジティブな内容であった。
2026年1月期第2四半期(中間期)の連結業績は、仮想デスクトップ事業領域における新設子会社の事業開始による売上増加や、クラウドインフラ事業領域での自社製品「リモートPCアレイ」の導入進捗により、売上高、各利益ともに前年同期を大幅に上回る結果となった。特に営業利益は355.8%増と大きく伸長し、利益率も改善している。
指標 | 2026年1月期2Q(累計) | 2025年1月期2Q(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 108.33億円 | 57.50億円 | 88.4% |
営業利益 | 10.98億円 | 2.41億円 | 355.8% |
経常利益 | 11.16億円 | 4.74億円 | 135.6% |
純利益 | 7.73億円 | 3.25億円 | 137.5% |
アセンテック株式会社は、事業戦略の一つであるM&Aおよび戦略的事業提携による事業拡大を推進している。Cloud Software Group, Inc.との資本業務提携により、株式会社CXJを設立し、2025年3月3日より業務を開始した。この新設子会社は、仮想デスクトップソフトウェアの売上をグループの売上に加え、大幅な増収の主要因となっている。また、ゼロトラストセキュリティ事業領域においては、米大手データセキュリティカンパニーであるForcepoint社の国内総代理店として事業拡大に向けた活動を開始した。さらに、自社製品である「リモートPCアレイ」の新モデルを発表し、ストックビジネスの拡大と持続的成長企業の実現に注力している。これらの取り組みは、同社の事業領域の拡大と収益基盤の強化に大きく貢献している。
2026年1月期の全社業績予想は、当中間連結会計期間の業績に加え、下期も仮想デスクトップ事業領域において利益が前回発表予想を上回る見込みであること、およびリモートPCアレイの地方自治体を中心とした採用が進捗していることから、上方修正された。
指標 | 通期予想 | 進捗率(2Q) |
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売上高 | 170.00億円 | 63.7% |
営業利益 | 22.00億円 | 49.9% |
経常利益 | 22.50億円 | 49.6% |
純利益 | 16.30億円 | 47.4% |
当中間連結会計期間末における総資産は306.87億円となり、前連結会計年度末に比べて213.77億円増加した。これは主に、売掛金84.28億円、前払費用34.74億円、長期前払費用59.82億円の増加による。負債合計は256.65億円となり、前連結会計年度末に比べて205.58億円増加した。これは主に、長期未払金98.17億円および買掛金84.03億円の増加による。純資産合計は50.21億円となり、前連結会計年度末に比べて8.18億円増加した。これは配当金の支払2.09億円があったものの、親会社株主に帰属する中間純利益7.73億円の計上により利益剰余金が増加したためである。
キャッシュ・フローの状況では、当中間連結会計期間末における現金および現金同等物は、前連結会計年度末に比べて32.15億円増加し、92.23億円となった。営業活動によるキャッシュ・フローは33.88億円の収入となり、前中間連結会計期間と比べて32.44億円増加した。これは主に、売上債権の増加額84.28億円があったものの、仕入債務の増加額84.03億円や、税金等調整前中間純利益11.18億円、前払費用償却額21.53億円の計上があったことによる。投資活動によるキャッシュ・フローは△2.04億円の支出となり、投資有価証券の取得による支出1.49億円や有形固定資産の取得による支出0.49億円が主な要因である。財務活動によるキャッシュ・フローは0.23億円の収入となり、配当金の支払額2.09億円があったものの、ストックオプション行使による収入2.33億円があったことによる。
アセンテック株式会社の株主還元に関する方針および実績は以下の通りである。
アセンテック株式会社の今後の見通しは、今回の第2四半期決算発表と通期業績予想の上方修正により、投資家にとって非常にポジティブなものと捉えられる。同社は、引き続きハイブリッドワークの定着とサイバーセキュリティ脅威の高まりを背景に、仮想デスクトップの需要拡大を見込んでいる。特に、事業領域の見直しを行い、「ゼロトラストセキュリティ」を新たな事業領域として確立したことは、市場の変化に迅速に対応し、成長機会を捉える戦略的な動きである。
新設子会社である株式会社CXJの事業開始による仮想デスクトップソフトウェアの売上貢献は、既に今期の業績に大きく寄与しており、今後もグループ全体の売上成長を牽引する見込みである。また、米大手データセキュリティカンパニーForcepoint社の国内総代理店としての事業拡大は、ゼロトラストセキュリティ市場における同社のプレゼンスを強化し、新たな収益源を確保する上で重要な要素となる。
自社製品「リモートPCアレイ」の新モデル発表と地方自治体での採用進捗は、ストックビジネスの拡大と持続的成長に貢献する。特に、地方自治体における総務省の新ガイドラインに沿った導入が進んでいることは、安定的な収益基盤の構築に繋がる。
通期業績予想の上方修正は、下期も仮想デスクトップ事業領域での利益拡大とリモートPCアレイの採用進捗が継続するとの見通しに基づいている。これは、同社の事業戦略が奏功し、市場環境の変化を的確に捉えていることを示唆する。利益面での大幅な改善は、企業価値向上に直結し、投資家からの評価を高める要因となる。
財務状態も、総資産、純資産ともに増加しており、特に営業活動によるキャッシュ・フローが大幅に改善している点は、事業活動が順調に進展している証拠である。現金及び現金同等物の増加は、今後の事業投資や株主還元策の柔軟性を高める。
総合的に見て、アセンテック株式会社は、市場の成長機会を捉え、戦略的な事業展開と製品強化により、今後も堅調な業績拡大と企業価値の向上が期待される。今回の決算発表は、同社の成長軌道が明確であることを示し、投資家にとって非常に魅力的な内容であった。
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