日東製網株式会社は、2026年4月期第1四半期決算において、売上高が前年同期比9.7%増の5,036百万円となり、堅調な業績を示した。営業利益は同32.8%増の129百万円、経常利益は同1.5%減の158百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同51.2%減の63百万円となった。漁業関連事業では、魚価の回復と養殖網部門の活況により売上高が増加したが、コスト上昇により利益は減少した。陸上関連事業では、獣害防止ネット等の受注好調により売上高、利益ともに増加した。株主還元としては、2026年4月期の期末配当予想を50円としている。全体として、売上高は増加したが、利益面ではコスト増の影響が見られた。
日東製網株式会社の2026年4月期第1四半期連結業績は、売上高が前年同期比9.7%増の5,036百万円となった。これは、主に漁業関連事業における魚価の回復や養殖網部門の活況、陸上関連事業における獣害防止ネット等の施工工事の受注好調によるものである。営業利益は、売上高の増加と価格改定の推進により、前年同期比32.8%増の129百万円となった。しかしながら、原材料費や人件費等のコスト上昇、為替変動による為替差益の減少、金利上昇に伴う支払利息の増加などが影響し、経常利益は前年同期比1.5%減の158百万円となった。また、法人税等調整額の増加等により、親会社株主に帰属する四半期純利益は同51.2%減の63百万円となった。
指標 | 2026年4月期(累計) | 2025年4月期(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 5,036億円 | 4,593億円 | 9.7% |
営業利益 | 129億円 | 97億円 | 32.8% |
経常利益 | 158億円 | 160億円 | △1.5% |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 63億円 | 130億円 | △51.2% |
漁業関連事業は、全社売上高の約81%を占める。 魚価が堅調に推移したことから養殖網部門が活況となり、また、漁業子会社の水揚高が好調であったことにより、売上高は4,077百万円(前年同期比8.2%増)となった。利益面では、生産の平準化が図れなかったことや人件費等のコスト上昇により、セグメント利益は70百万円(前年同期比10.6%減)となった。
陸上関連事業は、全社売上高の約19%を占める。 獣害防止ネットやアスレチックネット等の施工工事の受注が好調であったことから、売上高は958百万円(前年同期比16.3%増)となった。利益面では、経費は全般的に上昇したが、売上高の増加により、セグメント利益は58百万円(前年同期比213.1%増)となった。
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当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,009百万円増加し、31,105百万円となった。流動資産は受取手形及び売掛金の減少があったものの、棚卸資産の増加等により854百万円増加した。固定資産は有形固定資産の取得等により155百万円増加した。負債面では、流動負債は短期借入金の増加等により1,062百万円増加し、固定負債は長期借入金の増加等により138百万円増加した。純資産合計は、配当金の支払い等により191百万円減少し、7,264百万円となった。
日東製網株式会社の2026年4月期第1四半期決算は、売上高の増加というポジティブな側面が見られたものの、利益面ではコスト増の影響が顕著であり、投資家にとってはややネガティブな印象を与えかねない内容となった。特に、親会社株主に帰属する四半期純利益が前年同期比で半減した点は懸念材料である。
今後の見通しとしては、わが国経済は緩やかな回復基調にあるものの、ウクライナ情勢や中東情勢の長期化、物価上昇の継続など、依然として先行き不透明な状況が続いている。主力である漁業関連事業においては、魚価の回復や海洋環境の変動、人件費・資材費の上昇といった複数の要因が業績に影響を与える。漁業者による設備投資意欲は慎重な姿勢が見られるものの、計画的な投資は継続されると予想される。養殖網部門の活況は継続する可能性があるが、コスト管理の徹底が収益性向上の鍵となるだろう。
陸上関連事業においては、獣害防止ネットやアスレチックネット等の需要が堅調に推移すると見込まれるため、引き続き売上拡大に貢献することが期待される。しかし、こちらも経費の上昇は避けられないため、効率的な事業運営が求められる。
全体として、同社は売上高の拡大を目指しつつも、原材料費や人件費といったコストの上昇に直面しており、その吸収と価格転嫁のバランスが今後の業績を左右する重要な要素となる。為替変動リスクも依然として存在し、為替差益の減少は利益を圧迫する要因となりうる。
投資家目線では、売上高の成長性は評価できるものの、利益率の改善、特に親会社株主に帰属する四半期純利益の回復が喫緊の課題である。配当予想は据え置かれているものの、今後の業績動向によっては、株主還元策への影響も懸念される。
現時点では、2026年4月期の連結業績予想に変更はないが、今後の経営環境の変化によっては、業績予想の修正が必要となる可能性も否定できない。同社がこれらの課題にどのように対応し、持続的な成長と収益性の向上を実現できるかが、今後の注目点となる。特に、コスト削減策や高付加価値製品の開発、新たな事業機会の創出などが、企業価値向上に繋がるかどうかが問われるだろう。
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