株式会社トーエルは、2026年4月期第1四半期において、売上高6,081百万円(前年同期比1.2%減)、営業利益244百万円(前年同期比40.3%減)、経常利益387百万円(前年同期比23.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益274百万円(前年同期は367百万円の損失)となった。エネルギー事業は売上微減にとどまったものの、利益は前年同期を下回った。ウォーター事業は増収となったが、物流コスト上昇や広告宣伝費増加により減益となった。株主還元としては、2026年4月期の期末配当予想を23.00円としている。全体として、増収増益とはならず、投資家目線ではややネガティブな決算発表となった。
株式会社トーエルの2026年4月期第1四半期連結業績は、売上高が前年同期比1.2%減の6,081百万円となった。これは、エネルギー事業における販売価格下落の影響や、ウォーター事業における物流コスト上昇などが主な要因である。営業利益は同40.3%減の244百万円、経常利益は同23.3%減の387百万円と大幅な減益となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は274百万円(前年同期は367百万円の損失)となり、黒字転換を果たしたものの、利益水準は依然として厳しい状況である。
指標 | 2026年4月期(累計) | 2025年4月期(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 6,081億円 | 6,153億円 | △1.2% |
営業利益 | 244億円 | 409億円 | △40.3% |
経常利益 | 387億円 | 504億円 | △23.3% |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 274億円 | △367億円 | - |
1株当たり四半期純利益 | 14.63円 | △18.07円 | - |
エネルギー事業は、全社売上高の約72%を占める。当第1四半期においては、記録的な猛暑の影響により単位消費量は減少したが、既存の「ガス」に加え、「TOELLでんき」「TOELL光LINE」を加え4事業をセットにした「TOELLライフラインパッケージ」のセット割キャンペーンの活動強化により顧客数を伸ばしたことで販売数は増加した。LPガス輸入価格が前年と比べ低位で推移したことに伴う販売価格下落の影響はあったものの、催事での物販の寄与もあり、売上高は微減にとどまった。しかし、物流コスト等の上昇など外部のマイナス要因を打ち返せず、セグメント利益は前年同期を下回った。小売業界におけるお客さまの争奪戦は激しさを増している状況だが、当社はこの過当競争を勝ち抜くため、独自の物流システムによるコスト削減などで適正且つ業界平均と比べ安価な価格での販売に努めると共に、自社配送の利点を生かしてお客さまとのリレーションシップ強化等により事業基盤の拡大に努めている。また、災害時の電力確保が可能な電源自立型GHP(ガスヒートポンプ)エアコンやLPガス非常用発電機の提案を強化することで更なる事業基盤の強化も推進している。この結果、売上高は4,305百万円(前年同期比1.9%減)、管理部門経費配賦前のセグメント利益は247百万円(前年同期比27.6%減)となった。
ウォーター事業は、全社売上高の約28%を占める。広告戦略を見直し新規顧客開拓に注力したことや法人需要の取り込みが奏功し、販売本数が増加し増収となったが、利益面につきましては物流コスト等の上昇に加え、一時的な広告宣伝費の増加の影響により減益となった。ボトルウォーター市場は、より美味しい水を嗜好するお客さまのニーズにより堅調に推移している。当社は、高品質な天然の原水をブランドコンセプトとしたピュアウォーターの「アルピナ」「Pure Hawaiian」、北アルプスの天然水そのものをボトリングした「信濃湧水」という3つのブランドを展開、リターナブル、ワンウェイ2種類のウォーターサーバー専用ボトルを取り揃え、当社の強みである自社配送による低コストのサービスなど差別化を図り、多種多様な広告媒体の活用により商品認知度向上に努めて新規受注につなげてまいりました。更にOahu Factory(ハワイ工場)では持ち運びに便利な「Pure Hawaiian」のミニボトルを製造し、インターネットによる通販を中心に国内販売を強化しております。本商品は複数の大手航空会社ハワイ便の機内用飲料水としてもご採用いただいており、ハワイに関心をお持ちの方々をターゲットに商品の認知度向上を図り、販売本数の増加及び新規顧客獲得につなげてまいります。この結果、売上高は1,776百万円(前年同期比0.7%増)、管理部門経費配賦前のセグメント利益は342百万円(前年同期比16.0%減)となった。
2025年6月13日開催の取締役会決議により、自己株式110,000株の取得を行った。これにより、当第1四半期連結会計期間において自己株式が85百万円増加し、当第1四半期連結会計期間末において自己株式が1,704百万円となった。
該当する四半期決算発表が1Q or 2Q or 3Qの決算発表だった場合は、このセクションを記載して。該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)だった場合は、このセクションは、何も記載しないで削除して。
株式会社トーエルは、2026年4月期通期の業績予想に変更はない。現時点での業績予想に対する進捗率は、売上高が約22.4%、営業利益が約10.9%、経常利益が約16.7%、親会社株主に帰属する当期純利益が約20.0%となっている。
指標 | 通期予想 | 進捗率(1Q) |
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売上高 | 27,136億円 | 22.4% |
営業利益 | 2,007億円 | 10.9% |
経常利益 | 2,223億円 | 16.7% |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,372億円 | 20.0% |
該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)だった場合は、このセクションを記載して。該当する四半期決算発表が1Q or 2Q or 3Qの決算発表だった場合は、このセクションは、何も記載しないで削除して。
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,253百万円減少し、25,681百万円となった。これは、主に現金及び預金、受取手形及び売掛金の減少によるものである。負債は、前連結会計年度末に比べ1,067百万円減少し、5,329百万円となった。これは、主に買掛金、未払法人税等の減少によるものである。自己資本比率は79.2%となり、財務基盤は引き続き堅固である。キャッシュフローに関する情報は、当第1四半期連結累計期間に係るキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、記載がない。
株式会社トーエルの2026年4月期第1四半期決算は、売上高は微減にとどまったものの、営業利益、経常利益ともに大幅な減益となり、投資家にとってはややネガティブな印象を与える結果となった。エネルギー事業においては、顧客基盤の強化や災害対策提案の強化など、中長期的な成長に向けた取り組みは継続されているものの、物流コストの上昇などが利益を圧迫している状況である。ウォーター事業も増収を達成したが、同様にコスト増が利益を押し下げた。親会社株主に帰属する四半期純利益が黒字転換した点は評価できるものの、利益水準の回復には更なる努力が必要である。
今後の見通しとしては、国内経済は緩やかな回復傾向が続くと予想されるものの、中東情勢の長期化による資源価格高騰や物価上昇、米国の追加関税措置の影響など、依然として景気の先行きは不透明な状況が続くと見られる。このような環境下で、同社はエネルギー事業におけるコスト削減努力と顧客とのリレーションシップ強化、ウォーター事業におけるブランド力向上と販路拡大を引き続き推進していく方針である。特に、ハワイ工場で製造するミニボトルの国内販売強化や、大手航空会社との連携は、新たな収益源となる可能性を秘めている。
しかしながら、気候変動や原油価格、為替の変動といった不確定要素も多く、業績予想の修正が必要となる可能性も否定できない。投資家としては、同社がこれらの外部環境の変化にどのように対応し、持続的な成長を実現していくのか、その具体的な戦略と実行力に注目していく必要がある。株主還元については、配当予想に変更はなく、自己株式取得も実施されており、株主への利益還元に対する姿勢は維持されている。しかし、今後の業績回復とそれに伴う株主還元の拡充が期待されるところであり、その動向が注目される。総じて、現状では厳しい事業環境下での収益改善が課題であり、投資家目線では、今後の具体的な施策による業績回復への期待と、不透明な外部環境への懸念が混在する状況と言える。
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