ミタチ産業(株)の2026年5月期第1四半期連結決算は、売上高277.39億円(前年同期比199.2%増)、営業利益7.09億円(同181.1%増)、経常利益7.28億円(同126.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益5.63億円(同147.1%増)と、全ての利益項目で大幅な増益を達成し、非常に好調なスタートを切った。特に国内事業部門が自動車部品メーカー向け半導体販売やアミューズメント分野での売上増加により大きく貢献した。海外事業部門もOA機器向けEMSや産業機器関連のEMS受注が堅調に推移し、増収増益を記録した。通期業績予想は据え置きであるものの、第1四半期の実績は高い進捗率を示しており、投資家にとってはポジティブな決算発表と評価できる。株主還元については、年間配当予想60.00円(中間30.00円、期末30.00円)を維持している。
ミタチ産業の2026年5月期第1四半期連結累計期間の業績は、前年同期と比較して売上高、各利益項目ともに大幅な成長を遂げた。売上高は自動車部品メーカー向け半導体販売の好調やアミューズメント分野での売上増加、および海外事業部門におけるEMS受注の堅調な推移が寄与し、前年同期比で約2倍に拡大した。これに伴い、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益もそれぞれ181.1%増、126.6%増、147.1%増と大きく伸長し、収益性が大幅に改善した。
指標 | 2026年5月期1Q(累計) | 2025年5月期1Q(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 277.39億円 | 92.72億円 | 199.2% |
営業利益 | 7.09億円 | 2.52億円 | 181.1% |
経常利益 | 7.28億円 | 3.21億円 | 126.6% |
純利益 | 5.63億円 | 2.27億円 | 147.1% |
国内事業部門の売上高は231.55億円で、全社売上高の約83.5%を占める。前年同期比328.8%増と大幅な成長を記録し、セグメント利益は6.03億円(前年同期比126.7%増)となった。この好調な業績は、前連結会計年度の第2四半期から販売を開始した自動車部品メーカー向け半導体の販売が大きく寄与したことに加え、アミューズメント分野での売上増加も要因である。自動車関連市場の需要回復と、同社の半導体供給能力の強化が、国内事業の成長を強力に牽引している。アミューズメント分野においても、遊技機関関連の売上が増加し、事業全体の収益性向上に貢献した。
海外事業部門の売上高は45.83億円で、全社売上高の約16.5%を占める。前年同期比18.4%増と堅調な伸びを示し、セグメント利益は2.61億円(前年同期比105.2%増)となった。OA機器向けEMS(電子機器受託製造サービス)の受注が堅調に推移したことや、産業機器関連のEMS受注が引き続き好調であったことが、海外事業の増収増益に繋がった。特にアセアン地区でのOA機器向けEMSの受注が堅調に推移しており、グローバルな生産体制と顧客基盤が海外事業の安定的な成長を支えている。
2026年5月期の連結業績予想は、2025年9月19日に公表された内容から変更なく据え置きである。第1四半期の実績は、通期予想に対して売上高で26.4%、営業利益で31.5%、経常利益で31.0%、純利益で32.2%の進捗率を示しており、順調な進捗状況にある。
指標 | 通期予想 | 進捗率(1Q) |
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売上高 | 1050.00億円 | 26.4% |
営業利益 | 22.50億円 | 31.5% |
経常利益 | 23.50億円 | 31.0% |
純利益 | 17.50億円 | 32.2% |
当第1四半期連結会計期間末における総資産は397.15億円となり、前連結会計年度末と比較して3.12億円減少した。流動資産では、受取手形及び売掛金が11.56億円減少、電子記録債権が18.97億円減少、その他の流動資産が5.56億円減少した一方で、棚卸資産は32.99億円増加した。流動負債では、支払手形及び買掛金が12.95億円増加したが、短期借入金が17.82億円減少した。純資産は158.98億円となり、前連結会計年度末から1.92億円増加し、自己資本比率は39.9%と前連結会計年度末の39.2%から改善した。なお、当第1四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていない。
配当
ミタチ産業の2026年5月期第1四半期決算は、売上高、各利益項目ともに前年同期比で大幅な増益を達成し、投資家にとっては非常にポジティブな内容であった。特に売上高が約2倍に増加した点は、同社の事業拡大戦略が奏功していることを明確に示している。国内事業部門では自動車部品向け半導体販売が引き続き成長を牽引し、アミューズメント分野も堅調に推移している。海外事業部門もEMS受注が好調を維持しており、グローバルな事業基盤の強さが確認された。
通期業績予想は据え置きであるものの、第1四半期の実績は既に高い進捗率を示しており、このペースが維持されれば、通期予想の上振れも期待できる状況にある。これは投資家にとって、今後の業績に対する安心感と期待感を高める要因となる。
一方で、世界経済は中東地域における地政学的リスク、ウクライナ情勢の長期化、中国の不動産市場の低迷、金融資本市場の変動など、依然として不透明な状況が継続している。これらの外部要因が今後の業績に与える影響については、引き続き注視が必要である。しかし、現状では同社の主要事業分野が堅調な需要に支えられており、これらのリスクを吸収しうる成長力を示している。
財務状態も自己資本比率の改善が見られ、健全性を維持している。キャッシュフローの詳細は不明だが、バランスシートの変動からは、事業活動に伴う運転資金の効率的な管理が伺える。
総合的に見て、今回の決算発表はミタチ産業の事業が力強い成長フェーズにあることを示しており、投資家にとっては非常に好材料と捉えられる。今後の事業環境の変化に対応しつつ、現在の成長モメンタムを維持できるかが、企業価値をさらに向上させる鍵となる。
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