株式会社神戸物産は、2025年10月期第3四半期連結累計期間において、売上高411,553百万円(前年同期比9.1%増)、営業利益30,339百万円(同13.9%増)、経常利益38,249百万円(同74.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益26,199百万円(同76.5%増)を達成した。これは、物価上昇の影響を受けつつも個人消費の持ち直しやインバウンド需要の堅調さ、そして「食の製販一体体制」の強化、農産物の自主検査開始といった取り組みが奏功した結果である。特に「業務スーパー事業」では、オリジナル商品と自社直輸入品による価格戦略、メディア露出の増加により集客力が向上し、売上高は395,911百万円(同8.8%増)となった。「外食・中食事業」も、メニュー改廃や省人化による顧客満足度向上、メディア露出効果、FCオーナーの出店意欲の高まりにより、売上高は12,136百万円(同20.2%増)と伸長した。「エコ再生エネルギー事業」も順調に稼働し、売上高は3,474百万円(同1.2%増)となった。財政状態としては、総資産は14,250百万円増加し247,643百万円となった一方、負債は8,009百万円減少し92,609百万円となった。純資産は22,260百万円増加し155,033百万円となった。株主還元としては、2025年10月期の年間配当予想は26円となっている。全体として、堅調な業績推移であり、投資家目線ではポジティブな決算発表であったと言える。
2025年10月期第3四半期連結累計期間において、株式会社神戸物産は、売上高411,553百万円(前年同期比9.1%増)、営業利益30,339百万円(同13.9%増)、経常利益38,249百万円(同74.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益26,199百万円(同76.5%増)を達成した。これは、国内経済の緩やかな回復基調、インバウンド需要の回復、そして同社が推進する「食の製販一体体制」の強化策が奏功した結果である。特に、食品スーパー事業においては、高品質な商品を適正価格で提供する戦略が消費者の節約志向の高まりに対応し、集客力向上に繋がった。また、農産物の自主検査開始など、食の安全・安心への取り組みも顧客からの信頼獲得に貢献している。これらの要因が複合的に作用し、堅調な業績推移を実現した。
指標 | 2025年10月期(累計) | 2024年10月期(累計) | 前年同期比 |
---|---|---|---|
売上高 | 411,553億円 | 377,283億円 | 9.1% |
営業利益 | 30,339億円 | 26,640億円 | 13.9% |
経常利益 | 38,249億円 | 21,980億円 | 74.0% |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 26,199億円 | 14,847億円 | 76.5% |
純利益 | 26,199億円 | 14,847億円 | 76.5% |
業務スーパー事業は、全社売上高の大部分を占めている。当第3四半期連結累計期間において、国内グループ工場で製造するオリジナル商品と、世界の本物をコンセプトにした自社直輸入品による「業務スーパー」の出店状況は、出店37店舗、退店9店舗、純増28店舗の結果、総店舗数が1,112店舗となった。新規出店は直轄エリア21店舗、地方エリア16店舗であり、FCオーナーの業績拡大に寄ち、FCオーナーの出店意欲も引き続き旺盛である。経営成績は、不安定な為替の変動や物価上昇による仕入れコストの増加があったものの、価格戦略が功を奏し、また「業務スーパー」のプライベートブランド商品がメディアで多く取り上げられたことで集客力の向上に繋がった。この結果、業務スーパー事業における当第3四半期連結累計期間の売上高は395,911百万円(同8.8%増)となった。
外食・中食事業は、日本最大級の大型バイキングチェーンである「神戸クック・ワールドビュッフェ」の出店状況は、出店1店舗、退店0店舗、純増1店舗の結果、総店舗数が17店舗となった。「プレミアムカルビ」は総店舗数22店舗、「馳走菜(ちそうな)」は出店16店舗、退店1店舗、純増15店舗の結果、総店舗数が145店舗となった。「神戸クック・ワールドビュッフェ」では、メニューの改廃等によるお客様満足度の向上に努め、引き続き女性客やファミリー層を中心に支持を得ている。また、本年1月に直営でオープンした小型店も好調であり、新たな出店の可能性を広げている。「プレミアムカルビ」は、メディア紹介等をきっかけにお客様からの認知度が向上し、売上高の底上げに繋がった。省人化の取り組み等による店舗運営の改善も進めている。「馳走菜(ちそうな)」は、効率的な調理オペレーションで価格優位性を維持しており、お客様のニーズをとらえたメニューの拡充に取り組んでいる。業務スーパー事業とのシナジー効果の高さから、FCオーナーの出店意欲も高まっており、順調な出店を背景に売上高を拡大している。この結果、外食・中食事業における当第3四半期連結累計期間の売上高は12,136百万円(同20.2%増)となった。
エコ再生エネルギー事業では、稼働中の発電所と発電量は、太陽光発電所が19ヵ所で約81.0MW、木質バイオマス発電所が1ヵ所で約6.2MWとなっており、いずれも順調に稼働している。引き続き、再生可能エネルギーを活用し、環境に配慮した安全・安心なエネルギーを供給していく。この結果、エコ再生エネルギー事業における当第3四半期連結累計期間の売上高は3,474百万円(同1.2%増)となった。
当第3四半期連結累計期間において、連結範囲にKB TRADING株式会社、上原食品工業株式会社の2社が新規に追加された。これにより、グループ全体の事業展開の幅が広がり、シナジー効果の発揮が期待される。
2025年10月期の連結業績予想に変更はない。売上高は525,000百万円(前期比3.4%増)、営業利益は37,700百万円(同9.8%増)、経常利益は37,800百万円(同19.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は24,000百万円(同11.9%増)を見込んでいる。第3四半期累計での進捗率は、売上高が約78.4%、営業利益が約80.5%、経常利益が約100.7%、親会社株主に帰属する当期純利益が約109.2%となっている。
指標 | 通期予想 | 進捗率(3Q) |
---|---|---|
売上高 | 525,000億円 | 78.4% |
営業利益 | 37,700億円 | 80.5% |
経常利益 | 37,800億円 | 100.7% |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 24,000億円 | 109.2% |
該当する決算発表は第3四半期決算のため、通期業績予想の記載はない。
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ14,250百万円増加し、247,643百万円となった。主な要因は、流動資産の増加9,871百万円(現金及び預金の増加12,964百万円等)と固定資産の増加4,379百万円(土地の増加4,682百万円等)である。負債は8,009百万円減少し、92,609百万円となった。主な要因は、流動負債の減少3,787百万円(短期借入金の減少3,750百万円等)と固定負債の減少4,222百万円(長期借入金の減少2,336百万円等)である。純資産は22,260百万円増加し、155,033百万円となった。主な要因は、利益剰余金の増加21,104百万円等である。
株式会社神戸物産は、第3四半期連結累計期間において堅調な業績を達成し、通期業績予想に変更はない。これは、同社が強みとする「食の製販一体体制」の継続的な強化、高品質な商品を適正価格で提供する戦略、そして「業務スーパー」のブランド力向上施策が、現在の経済環境下においても有効であることを示している。特に、物価上昇や地政学的リスクなど、依然として不透明な外部環境下においても、国内消費の持ち直しやインバウンド需要の回復を背景に、事業セグメント全体で成長を維持できる見通しである。
「業務スーパー事業」においては、今後もFCオーナーの出店意欲の高さを背景に、新規出店を継続し、店舗網の拡大を図ることで、さらなる売上増加を目指すだろう。また、メディア露出の増加やプライベートブランド商品の拡充は、集客力向上に寄与し、既存顧客の囲い込みと新規顧客の獲得の両面で効果を発揮すると考えられる。
「外食・中食事業」においても、既存ブランドの顧客満足度向上施策や、小型店展開による出店エリアの拡大、そして業務スーパー事業とのシナジー効果を活かした展開が期待される。特に、外食産業全体が回復基調にある中で、同社の強みである「手作り」や「価格優位性」は、消費者のニーズに合致し、さらなる成長を牽引する要因となるだろう。
「エコ再生エネルギー事業」は、再生可能エネルギーへの関心の高まりを背景に、安定的な収益源として貢献し続けると予想される。
全体として、同社は、変化の激しい市場環境においても、自社の強みを活かし、着実に成長を遂げる戦略を実行しており、今後の企業価値向上に対してもポジティブな見通しが立てられる。投資家にとっては、安定した成長性と株主還元への姿勢が期待できる企業と言えるだろう。
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