株式会社ハローズの2026年2月期第2四半期累計期間の決算は、増収増益を達成し、堅調な業績推移を示した。営業収益は1,115.49億円(前年同期比8.0%増)、営業利益は58.58億円(同1.9%増)、経常利益は59.05億円(同2.5%増)、純利益は40.85億円(同2.2%増)となった。
経営面では、長期ビジョン「西日本5000億円構想」と中期経営計画「瀬戸内2814計画」を推進し、250店舗体制、140店舗体制の達成を目指す。また、企業価値向上と株主価値共有を目的とした譲渡制限付株式報酬制度を導入し、資本政策の一環として自己株式取得も実施した。商品面ではプライベートブランド商品の強化、販売促進では低価格販売と会員優遇施策を継続。店舗運営では既存店の改装と新規出店を積極的に行い、店舗数は合計109店舗に拡大した。社会貢献活動や従業員の賃金ベースアップも実施し、持続的な成長に向けた基盤強化を図っている。
株主還元については、2026年2月期の年間配当予想を前期比8円増の68円と発表し、自己株式取得も実施済みである。これらの取り組みは、事業拡大への意欲と株主還元への積極的な姿勢を示すものであり、投資家にとっては総じてポジティブな決算発表であったと評価できる。
2026年2月期第2四半期累計期間の全社業績は、営業収益が1,115.49億円と前年同期比8.0%増加し、堅調な増収を達成した。利益面では、営業利益が58.58億円(前年同期比1.9%増)、経常利益が59.05億円(同2.5%増)、純利益が40.85億円(同2.2%増)となり、増収増益を確保した。これは、物価高騰や人手不足といった厳しい外部環境下においても、積極的な店舗展開や商品戦略、業務効率化の推進が奏功した結果である。
指標 | 2026年2月期2Q(累計) | 2025年2月期2Q(累計) | 前年同期比 |
---|---|---|---|
売上高 | 1,115.49億円 | 1,032.92億円 | 8.0% |
営業利益 | 58.58億円 | 57.49億円 | 1.9% |
経常利益 | 59.05億円 | 57.59億円 | 2.5% |
純利益 | 40.85億円 | 39.97億円 | 2.2% |
株式会社ハローズは、経営環境の変化に対応した資本政策の遂行を目的として、2025年6月に75,000株の自己株式を取得した。これにより、資本効率の向上と株主価値の最大化を目指す姿勢を示している。また、2025年5月には、企業価値の持続的な向上と株主との一層の価値共有を目的として、譲渡制限付株式報酬制度を導入した。これは、役員に対するインセンティブを強化し、中長期的な企業成長を促すための施策である。これらの動向は、直接的なM&Aではないものの、資本政策を通じて企業価値向上と株主還元を重視する経営戦略の一環として位置づけられる。
2026年2月期の通期業績予想は、2025年6月26日に公表された内容から修正はなく、据え置きとなった。第2四半期累計の実績は、通期予想に対して売上高で約49.8%、各利益項目で約47.5%~47.8%の進捗率となっている。これは、通期目標達成に向けて順調なペースで推移していることを示唆している。
指標 | 通期予想 | 進捗率(2Q) |
---|---|---|
売上高 | 2,242.18億円 | 49.8% |
営業利益 | 123.20億円 | 47.5% |
経常利益 | 123.60億円 | 47.8% |
純利益 | 85.90億円 | 47.5% |
当中間会計期間末の総資産は1,327.54億円となり、前事業年度末から198.85億円増加した。流動資産は現金及び預金の増加122.19億円、売掛金の増加7.77億円等により144.43億円増加し374.83億円となった。有形固定資産は54.28億円増加し826.32億円となった。負債の部では、流動負債が金融機関休業日の影響による買掛金未決済分の増加等により166.35億円増加し422.35億円となった。固定負債は長期借入金の増加等により1.98億円増加し170.39億円となった。純資産の部では、利益剰余金の増加等により30.51億円増加し734.79億円となった。
キャッシュフローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローは213.26億円のプラスとなった。投資活動によるキャッシュ・フローは△70.89億円のマイナスで、主に有形固定資産の取得による支出が影響した。財務活動によるキャッシュ・フローは△9.90億円のマイナスとなり、自己株式の取得や配当金の支払いが影響した。結果として、現金及び現金同等物の増減額は△17.51億円となり、中間期末残高は282.75億円となった。
配当
自己株式取得
株式会社ハローズは、2026年2月期の通期業績予想を据え置き、堅調な成長を見込んでいる。この見通しは、同社が掲げる長期ビジョン「西日本5000億円構想」と中期経営計画「瀬戸内2814計画」に基づいた積極的な事業展開によって支えられている。具体的には、250店舗体制で営業収益5,000億円、140店舗体制で営業収益2,800億円を目指すという明確な目標設定があり、これに向けた新規出店や既存店の改装が継続的に実施される見込みである。
投資家目線では、同社の今後の見通しは複数の点でポジティブに評価できる。まず、堅調な業績推移と増収増益の継続は、事業の安定性と成長力を示している。積極的な店舗展開は、市場シェアの拡大と売上高の増加に直結し、中長期的な企業価値向上に寄与する。また、プライベートブランド商品の強化や自動発注システムの拡大といった業務効率化の取り組みは、収益性の改善に繋がる可能性が高い。従業員の賃金ベースアップは、人手不足が課題となる小売業界において、優秀な人材の確保と定着に貢献し、サービス品質の維持・向上に繋がる重要な投資である。
一方で、物価高騰や人手不足、消費者の低価格志向の継続といった外部環境の厳しさは引き続き注視が必要な要素である。これらの要因が今後の業績に与える影響は不透明感を残すものの、同社はこれに対し、低価格販売を中心とした販売促進策やPB商品強化で対応していく方針を示している。
株主還元についても、年間配当予想の増配や自己株式取得の実施は、株主への還元意欲の高さを示しており、投資家にとって魅力的な要素である。これらの施策は、資本効率の向上と株主価値の最大化を目指す同社の経営姿勢を明確にしている。
総合的に見ると、株式会社ハローズは、厳しい外部環境下でも明確な成長戦略と実行力をもって事業拡大と収益性向上を目指し、同時に株主還元にも積極的である。これらの要素は、中長期的な企業価値向上への期待を高めるものであり、投資家にとってポジティブな見通しであると判断できる。
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