株式会社パルグループホールディングスの2026年2月期第2四半期(中間期)連結決算は、厳しい経済環境下にもかかわらず、大幅な増収増益を達成した。売上高は1,170.82億円(前年同期比15.6%増)、営業利益は140.95億円(同19.4%増)、経常利益は140.69億円(同17.7%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は91.86億円(同19.8%増)となった。衣料事業におけるSNSを活用した正価販売の強化や在庫圧縮、雑貨事業における大型店舗の新規出店や新商品投入、海外展開の開始などが奏功した。特に、昨年度第4四半期に連結子会社となった株式会社ノーリーズの寄与も売上高増加に貢献した。通期業績予想は据え置きだが、中間期までの進捗率は売上高で50.7%、営業利益で53.4%と順調に推移している。また、2025年9月11日付で1株を2株に分割する株式分割を実施し、株式の流動性向上と投資家層の拡大を図った。配当予想は株式分割後で期末30円、年間合計30円と、実質的な配当額は維持される見込み。全体として、外部環境の不透明感がある中で、堅調な業績成長と株主還元への意識を示すポジティブな決算発表であった。
2026年2月期第2四半期累計期間において、株式会社パルグループホールディングスは、衣料事業と雑貨事業の両輪で堅調な成長を遂げ、大幅な増収増益を達成した。衣料事業ではSNSを活用した正価販売の強化と在庫圧縮が売上総利益率の向上に寄与し、雑貨事業では大型店舗の新規出店や300円超の新商品投入、海外展開の開始が業績を牽引した。これらの施策に加え、前年度に連結子会社化した株式会社ノーリーズの貢献もあり、全社売上高は前年同期を大きく上回った。利益面においても、売上高の増加と売上総利益率の改善が寄与し、各利益項目で二桁成長を記録した。
指標 | 2026年2月期2Q(累計) | 2025年2月期2Q(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 1,170.82億円 | 1,012.59億円 | 15.6% |
売上総利益 | 668.74億円 | 566.73億円 | 18.0% |
営業利益 | 140.95億円 | 118.06億円 | 19.4% |
経常利益 | 140.69億円 | 119.56億円 | 17.7% |
純利益 | 91.86億円 | 76.68億円 | 19.8% |
衣料事業は全社売上高の約60.3%を占める。 当中間連結会計期間において、衣料事業は前年同期比107.24億円増加の705.81億円の売上高を記録した。当社グループは、SNSアカウントを活用した社員インフルエンサーによる新商品情報の発信を通じて、先行予約を中心とした正価販売を強化した。また、顧客の反応に応じた発注数量の柔軟な調整と売れ残り在庫の圧縮に努め、売上総利益率の向上に貢献した。昨年度第4四半期より連結子会社となった株式会社ノーリーズも、売上高の増加に寄与している。この結果、衣料事業は増収増益を達成した。固定資産の減損損失として60百万円を計上した。
雑貨事業は全社売上高の約39.5%を占める。 当中間連結会計期間において、雑貨事業は前年同期比50.34億円増加の462.79億円の売上高を記録した。大型店舗の新規出店を継続的に進めるとともに、300円超の新商品を積極的に投入し、付加価値に見合った価格設定を行うことで売上総利益率を改善した。これにより、雑貨事業は大幅な増収増益を達成した。海外への再挑戦として、7月に香港、8月にマレーシアに地域1号店をオープンし、順調に滑り出した。海外事業については、現地での販売動向を慎重に精査しつつ、さらなる事業拡大を図る方針である。固定資産の減損損失として70百万円を計上した。
当社グループは、昨年度第4四半期に連結子会社となった株式会社ノーリーズが、当中間連結会計期間の売上高増加に寄与した。これは過去のM&Aが継続的に業績に貢献していることを示している。また、海外事業への再挑戦として、2025年7月に香港、同年8月にマレーシアで地域1号店をオープンした。これは新たな市場開拓に向けた重要な一歩であり、今後の事業拡大の可能性を秘めている。海外事業については、現地での販売動向を慎重に精査しつつ、さらなる事業拡大を図る方針であり、将来的な成長ドライバーとなる可能性がある。
2026年2月期の全社業績予想は、2025年4月8日に公表された内容から変更はなく、据え置きである。当中間期までの実績は、通期業績予想に対して順調な進捗を示している。
指標 | 通期予想 | 進捗率(2Q) |
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売上高 | 2,310.00億円 | 50.7% |
営業利益 | 264.00億円 | 53.4% |
経常利益 | 264.00億円 | 53.3% |
純利益 | 168.50億円 | 54.5% |
当中間連結会計期間末の総資産は1,605.63億円となり、前連結会計年度末から126.34億円増加した。流動資産は現金及び預金、受取手形及び売掛金、商品及び製品の増加により113.05億円増加し、1,255.92億円となった。固定資産は建物及び構築物、差入保証金の増加により13.28億円増加し、349.71億円となった。負債合計は832.11億円となり、前連結会計年度末から86.35億円増加した。流動負債は支払手形及び買掛金の増加により128.72億円増加したが、固定負債は長期借入金や役員退職慰労引当金の減少により42.36億円減少した。純資産は利益剰余金の増加により39.98億円増加し、773.52億円となった。
キャッシュフローの状況を見ると、営業活動によるキャッシュフローは129.10億円のプラスとなり、前年同期の173.98億円から減少した。これは主に税金等調整前中間純利益の増加があったものの、仕入債務の増減額が減少したことや、売上債権及び棚卸資産の増加が影響した。投資活動によるキャッシュフローは△21.29億円のマイナスとなり、有形固定資産の取得や差入保証金の差入などによる支出が主な要因である。財務活動によるキャッシュフローは△59.27億円のマイナスとなり、配当金の支払いや長期借入金の返済が主な要因である。結果として、現金及び現金同等物の中間期末残高は905.44億円となった。
配当
自己株式取得
自己株買い
株主優待
株式会社パルグループホールディングスの今後の見通しは、外部環境の不透明感が継続する中で、これまでの戦略的な取り組みが引き続き奏功するかが焦点となる。国内経済は賃上げが進むものの、物価高騰により実質賃金がマイナスで推移しており、個人消費の本格的な回復には時間を要する見込みである。また、参議院選挙後の政局不安定化により、景気刺激策の実施も不透明な状況が続く。世界経済も米国の関税政策による不確実性やAI関連を除く設備投資の伸び悩みから減速感が示されており、為替市場では米ドル円相場が140円台で推移するなど、予断を許さない状況である。
このような厳しい外部環境の中、当社グループは当中間期において、衣料事業でのSNSを活用した正価販売の強化や在庫圧縮、雑貨事業での大型店舗出店や新商品投入、そして海外展開の開始といった施策が功を奏し、大幅な増収増益を達成した。通期業績予想は据え置きであるものの、中間期までの進捗率は売上高で50.7%、営業利益で53.4%と順調であり、このペースを維持できれば通期目標達成の可能性は高い。
投資家目線では、現在の経済状況下でこれだけの成長を達成できたことは非常にポジティブな要素である。特に、衣料事業におけるデジタルマーケティングの活用や、雑貨事業における積極的な店舗展開と商品開発、さらには海外市場への慎重な再挑戦は、今後の持続的な成長に向けた重要なドライバーとなり得る。株式分割の実施も、株式の流動性向上と投資家層の拡大に繋がり、企業価値向上に資する取り組みとして評価できる。
しかしながら、国内消費の低迷や世界経済の減速、為替変動リスクなど、外部環境の不確実性は依然として高い。海外事業の拡大も、現地での販売動向を慎重に見極めながら進める方針であり、急激な成長を期待するよりも着実な基盤構築が優先されると見られる。したがって、投資家としては、同社が今後も市場環境の変化に柔軟に対応し、これまでの成長戦略を継続的に実行できるか、そして海外事業が新たな収益源として確立できるかを引き続き注視する必要がある。現時点では、堅調な業績と成長戦略の実行力から、ポジティブな見通しが優勢であると判断できる。
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