株式会社セキチューの2026年2月期第2四半期累計の決算は、営業収益が前年同期比2.8%増の160.94億円、営業利益が同22.7%増の5.23億円、経常利益が同17.0%増の5.30億円と増収増益を達成した。特に営業利益は通期予想に対する進捗率が100%を超過しており、本業は堅調に推移している。しかし、中間純利益は賃貸借契約解除に伴う差入保証金放棄額の特別損失計上により、前年同期比6.7%減の3.28億円となった。リフォーム部門や食料品部門の売上が好調に推移し、テナント誘致による不動産賃貸収入も増加したことが増収に貢献。人件費等の販売費及び一般管理費が増加したものの、営業総利益の増加でこれを吸収し、営業利益・経常利益は増益を確保した。株主還元については、2026年2月期の期末配当予想は20円(記念配当20円を含む)であり、前年同期の40円から減配となる見込み。全体として、本業の収益性は改善しているものの、特別損失が純利益を圧迫した形であり、投資家にとっては本業の好調と特別損失による純利益の減少という二面性を持つ決算であった。
2026年2月期第2四半期累計期間の全社業績は、リフォーム部門や食料品部門の売上好調、およびテナント誘致による不動産賃貸収入の増加が牽引し、営業収益は前年同期を上回った。人件費等の販売費及び一般管理費が増加したものの、営業総利益の増加がこれを吸収し、営業利益および経常利益は増益を達成した。一方で、賃貸借契約解除に伴う差入保証金放棄額を特別損失として計上した結果、中間純利益は前年同期を下回った。
指標 | 2026年2月期2Q(累計) | 2025年2月期2Q(累計) | 前年同期比 |
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営業収益 | 160.94億円 | 156.53億円 | 2.8% |
売上総利益 | 45.31億円 | 44.78億円 | 1.2% |
営業利益 | 5.23億円 | 4.26億円 | 22.7% |
経常利益 | 5.30億円 | 4.53億円 | 17.0% |
純利益 | 3.28億円 | 3.51億円 | △6.7% |
ホームセンター事業は全社営業収益の約97.3%を占める。当中間会計期間において、リフォーム部門や食料品部門の売上が好調に推移した。これは、顧客ニーズに応じた品揃えとサービスの提供に全従業員一丸となって取り組んだ結果であり、厳しい競争環境と物価上昇が続く中で、本業の堅調な推移を示している。特に、2025年で50周年を迎えるにあたり、「感謝」をテーマに地域貢献事業や周年セール等を実施し、地域のお客様やお取引先、株主、従業員への感謝を伝える取り組みが事業活動を活性化させた。セグメント利益は3.01億円を計上した。
不動産賃貸事業は全社営業収益の約2.6%を占める。当中間会計期間において、テナント誘致が順調に進んだことにより、不動産賃貸収入が増加した。これは、既存の不動産資産を有効活用し、安定的な収益源を確保する戦略が奏功した結果である。セグメント利益は2.22億円を計上した。
当中間会計期間において、新たな事業/資本提携やM&Aに関する具体的な発表は確認されていない。しかし、不動産賃貸事業においては、テナント誘致が順調に進み、不動産賃貸収入が増加した。これは、既存の不動産資産の有効活用を通じた事業拡大の一環であり、安定的な収益源の確保に貢献している。
2026年2月期通期の全社業績予想は、2025年3月26日に公表された内容から変更はなく、据え置きとなった。第2四半期累計の実績は、営業利益が通期予想を上回る進捗率を示しており、本業の好調さがうかがえる。一方で、中間純利益は特別損失の影響で進捗率が90%台に留まっている。
指標 | 通期予想 | 進捗率(2Q累計) |
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営業収益 | 300.00億円 | 53.6% |
営業利益 | 5.00億円 | 104.6% |
経常利益 | 5.50億円 | 96.4% |
純利益 | 3.50億円 | 93.7% |
2026年2月期中間期末の総資産は238.84億円となり、前事業年度末から3.69億円増加した。これは主に、売掛金及び契約資産、棚卸資産の増加による流動資産の増加が要因である。純資産は118.28億円となり、前事業年度末から2.96億円増加し、自己資本比率は49.5%と前事業年度末の49.0%から微増した。これは主に利益剰余金とその他有価証券評価差額金の増加による。
キャッシュフローの状況では、営業活動によるキャッシュ・フローは6.63億円の獲得となった。これは税引前中間純利益や減価償却費が貢献した一方で、売上債権及び契約資産、棚卸資産の増加が資金を減少させた。投資活動によるキャッシュ・フローは△0.78億円の使用となり、有形固定資産の取得による支出が主な要因である。財務活動によるキャッシュ・フローは△6.61億円の使用となり、短期借入金の純減額、長期借入金の返済、配当金の支払いが主な要因である。結果として、現金及び現金同等物の期末残高は8.72億円となり、前事業年度末から0.76億円減少した。
株式会社セキチューの今後の見通しは、本業の堅調さと外部環境の不透明感が混在する状況である。当中間会計期間において、リフォーム部門や食料品部門の売上が好調に推移し、テナント誘致による不動産賃貸収入も増加したことは、事業戦略が奏功している証拠であり、ポジティブな要素である。特に、営業利益が通期予想に対する進捗率で100%を超過している点は、本業の収益性が予想以上に好調であることを示唆しており、投資家にとっては非常に心強い情報である。
しかしながら、国内経済は雇用・所得環境の改善が見られる一方で、米国の関税政策や中国経済の先行き懸念、物価上昇の継続による個人消費の減速懸念など、依然として不透明な状態が続いている。ホームセンター業界も激しい競争環境にあり、物価上昇による商品仕入れ価格の高騰や販売費及び一般管理費の増加が経営環境を厳しくしている。このような外部環境の逆風がある中で、通期業績予想を据え置いたことは、下期に向けて慎重な見方をしている可能性も考えられる。
また、中間純利益が賃貸借契約解除に伴う差入保証金放棄額の特別損失計上により減少したことは、一時的な要因とはいえ、純利益の減少はネガティブな側面である。この特別損失がなければ、純利益も増益であった可能性が高く、本業の好調さが純利益に直結しなかった点は惜しまれる。
投資家目線では、本業の収益力向上と通期営業利益予想に対する高い進捗率はポジティブに評価できる。これは、同社が厳しい市場環境下でも競争力を維持し、事業を成長させていることを示している。一方で、外部環境の不透明感や特別損失による純利益の減少、そして通期予想の据え置きは、今後の業績に対する潜在的なリスクや慎重な姿勢を示唆している。したがって、今後の企業価値の見通しとしては、本業の成長が継続し、外部環境の悪化や突発的な特別損失を吸収できる体制を構築できるかが焦点となる。特に、下期において販管費の抑制やさらなる売上拡大策が奏功し、通期純利益予想を達成、あるいは上回る結果を出せるかが注目される。記念配当を含む減配予想は、株主還元を重視する投資家にとってはネガティブな要素となり得るが、事業の安定性確保を優先した判断とも解釈できる。
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