泉州電業株式会社の2025年10月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比2.3%増の101,401百万円となった。しかし、営業利益は同10.1%減の6,744百万円、経常利益は同10.1%減の7,039百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同8.0%減の4,954百万円と減益となった。これは、半導体製造装置向け、工作機械向け及び自動車向けの需要回復の遅れ、建設・電販向けにおける資材高騰や人手不足による工期の遅れが影響した。株主還元としては、2025年10月期の年間配当予想は150円(期末配当75円)と、前期の130円から増配となっている。全体として、売上は増加したものの、利益面では厳しい状況であり、投資家目線ではネガティブな決算と判断される。
泉州電業株式会社の2025年10月期第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が前年同期比2.3%増の101,401百万円となった。これは、半導体製造装置向け、工作機械向け及び自動車向けの需要回復の遅れや、建設・電販向けにおける資材高騰、人手不足による工期の遅れといった外部環境の厳しさがあったものの、提案型営業の推進、配送体制の強化、新規得意先の開拓、既存得意先の深耕、新商品の拡販といった積極的な営業展開により、売上を伸ばした結果である。しかしながら、営業利益は前年同期比10.1%減の6,744百万円、経常利益は同10.1%減の7,039百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同8.0%減の4,954百万円と、利益面では減益となった。これは、売上原価の増加や販売費及び一般管理費の増加が利益を圧迫したためと考えられる。
指標 | 2025年10月期(累計) | 2024年10月期(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 101,401億円 | 99,151億円 | 2.3% |
営業利益 | 6,744億円 | 7,505億円 | △10.1% |
経常利益 | 7,039億円 | 7,829億円 | △10.1% |
純利益 | 4,954億円 | 5,384億円 | △8.0% |
泉州電業株式会社は電線・ケーブル事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略されている。
泉州電業株式会社は、2024年12月9日および2025年4月25日の取締役会決議に基づき、自己株式203,100株の取得を実施した。これにより、自己株式が909百万円増加した。また、2024年12月16日付で自己株式1,000,000株、2025年5月14日付で自己株式500,000株の消却を実施し、自己株式と資本剰余金がそれぞれ3,044百万円減少した。さらに、2025年2月28日の取締役会決議に基づき、取締役への譲渡制限付株式報酬として自己株式12,100株、ストックオプションの権利行使に伴い自己株式2,800株の処分を行い、自己株式が30百万円減少し、資本剰余金が38百万円増加した。これらの結果、当第3四半期連結累計期間において利益剰余金が3,005百万円、自己株式が2,164百万円それぞれ減少した。
指標 | 通期予想 | 進捗率(3Q) |
---|---|---|
売上高 | 134,000億円 | 75.7% |
営業利益 | 9,100億円 | 74.1% |
経常利益 | 9,400億円 | 74.8% |
純利益 | 6,700億円 | 73.9% |
指標 | 通期予想 | 前年実績 | 増減率 |
---|---|---|---|
売上高 | 134,000億円 | 136,575億円 | △1.6% |
営業利益 | 9,100億円 | 10,354億円 | △12.1% |
経常利益 | 9,400億円 | 10,769億円 | △12.7% |
純利益 | 6,700億円 | 7,570億円 | △11.6% |
2025年10月期第3四半期連結会計期間末の資産合計は105,916百万円となり、前連結会計年度末に比べて6,540百万円減少した。流動資産は72,022百万円で、売上債権の減少などにより7,420百万円減少した。固定資産は33,894百万円で、879百万円増加した。負債合計は48,470百万円で、前連結会計年度末に比べて8,385百万円減少した。流動負債は45,477百万円で、仕入債務及び未払法人税等の減少により8,442百万円減少した。固定負債は2,993百万円で、57百万円増加した。純資産合計は57,445百万円で、前連結会計年度末に比べて1,844百万円増加した。これは、自己株式の消却により自己株式が減少したことが主な要因である。キャッシュフローに関する具体的な記載はなかった。
泉州電業株式会社の2025年10月期通期業績予想は、売上高134,000百万円、営業利益9,100百万円、経常利益9,400百万円、純利益6,700百万円と見込んでいる。これは、前期比で売上高は1.6%減、営業利益は12.1%減、経常利益は12.7%減、純利益は11.6%減となる見通しである。第3四半期累計時点での進捗率を見ると、売上高は75.7%、営業利益は74.1%、経常利益は74.8%、純利益は73.9%となっており、特に利益面では通期予想に対してやや遅れている印象を受ける。
今後の見通しとしては、半導体製造装置向け、工作機械向け及び自動車向けの需要回復の遅れが継続する可能性があり、これが業績に影響を与えるリスク要因となる。また、建設・電販向けにおいても、資材価格の動向や人手不足による工期の遅延リスクが引き続き懸念される。一方で、同社は提案型営業の推進、配送体制の強化、新規得意先の開拓、既存得意先の深耕、新商品の拡販といった積極的な営業活動を継続しており、これらの取り組みが下期以降の業績回復にどの程度寄与するかが注目される。
株主還元については、前期比で増配となる配当予想が示されており、株主還元の姿勢は維持されている。しかし、利益面での下振れリスクを考慮すると、今後の業績動向によっては配当予想の修正もあり得るため、注意が必要である。
総じて、今回の決算発表は、売上は堅調に推移したものの、利益面での課題が浮き彫りとなり、投資家目線ではネガティブな側面が強いと判断される。今後の経済環境の動向や、同社の営業努力が業績にどう反映されるかを見極める必要がある。企業価値の観点からは、利益率の改善と安定的な収益基盤の構築が今後の重要な課題となるだろう。
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