株式会社きんえいは、2026年1月期第2四半期(中間期)において、売上高は前年同期比4.6%増の1,878百万円、営業利益は5.5%増の178百万円、経常利益は5.8%増の181百万円、中間純利益は10.0%増の128百万円と、増収増益を達成した。これは、シネマ・アミューズメント事業部門および不動産事業部門における堅調な業績によるものである。特に、シネマ・アミューズメント事業では人気作品の上映や周辺商業施設との連携イベントが奏功し、不動産事業ではビル設備の更新や賃料改定等により安定的な収益確保に努めた。株主還元としては、2026年1月期の期末配当予想は10円となっている。全体として、堅調な業績推移であり、投資家目線ではポジティブな決算発表であったと評価できる。
株式会社きんえいの2026年1月期第2四半期(中間期)の業績は、売上高が前年同期比4.6%増の1,878百万円となり、堅調な伸びを示した。これは、シネマ・アミューズメント事業部門および不動産事業部門の双方において、顧客満足度向上に向けた取り組みや収益確保策が奏功した結果である。営業利益は同5.5%増の178百万円、経常利益は同5.8%増の181百万円と、増収効果に加え、諸経費の抑制にも努めたことで増益を達成した。中間純利益も同10.0%増の128百万円と、増収増益基調を維持している。
指標 | 2026年1Q(累計) | 2025年1Q(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 1,878億円 | 1,795億円 | 4.6% |
営業利益 | 178億円 | 169億円 | 5.5% |
経常利益 | 181億円 | 171億円 | 5.8% |
中間純利益 | 128億円 | 117億円 | 10.0% |
シネマ・アミューズメント事業部門は、全社売上高の約42.5%を占める。 「あべのアポロシネマ」においては、「名探偵コナン 隻眼の残像」をはじめとする人気作品を上映し、観客誘致に努めた。また、「あべのハルカス」「あべのキューズモール」「天王寺ミオ」といった周辺商業施設とのタイアップイベントを積極的に開催し、販売促進を図った。さらに、空調設備の整備・保全工事や従業員への接遇研修を実施し、より快適な鑑賞環境を提供することで顧客満足度の向上に努めた。これらの取り組みの結果、部門全体の収入合計は841,407千円となり、営業原価控除後では113,962千円の営業利益を計上した。
不動産事業部門は、全社売上高の約57.5%を占める。 アポロビルにおいては、電気・空調・給排水設備等の整備・更新や監視カメラの増設等を実施し、ビルの機能及び安全性の維持・向上を図った。ルシアスビルにおいても、電気室設備、中央監視設備及び空調・給排水設備の更新等に計画的に取り組み、より安全で快適なビルづくりを推進した。これらの努力に加え、空室部分への後継テナント誘致や賃料改定に注力することで賃貸収入の確保に努めた。結果として、駐車場収入等ビル付帯事業並びにその他の事業を含めた部門全体の収入合計は1,036,613千円となり、営業原価控除後では239,739千円の営業利益を計上した。
特記すべき事業/資本提携・M&A等の動向は、本決算短信からは確認されなかった。
該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)ではないため、このセクションは削除する。
株式会社きんえいは、2026年1月期の通期業績予想を、売上高3,660百万円(前期比2.5%増)、営業利益230百万円(前期比18.6%減)、経常利益240百万円(前期比17.9%減)、当期純利益155百万円(前期比0.3%増)と見込んでいる。これは、2025年3月13日に公表した業績予想から、売上高を40百万円、営業利益を10百万円、経常利益を20百万円、当期純利益を25百万円それぞれ増額したものである。
指標 | 通期予想 | 前年実績 | 増減率 |
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売上高 | 3,660億円 | - | - |
営業利益 | 230億円 | - | - |
経常利益 | 240億円 | - | - |
当期純利益 | 155億円 | - | - |
2026年1月期中間会計期間末の総資産は5,796,284千円となり、前期末に比べて126,843千円減少した。これは主に短期貸付金の減少によるものである。負債合計は3,114,009千円となり、前期末に比べて228,436千円減少した。これは主に1年内返済予定の長期借入金の減少によるものである。純資産は2,682,275千円となり、前期末に比べて101,592千円増加した。これは中間純利益の計上による利益剰余金の増加によるものである。 キャッシュ・フローの状況としては、中間会計期間末の現金及び現金同等物は85,231千円となり、前事業年度末に比べて1,849千円減少した。これは、営業活動による収入が投資活動及び財務活動による支出を下回ったためである。営業活動によるキャッシュ・フローは230,165千円となり、前年同期と比較して売上債権及び契約資産の増加等により20,050千円減少した。投資活動によるキャッシュ・フローは65,121千円の支出となり、前年同期と比較して短期貸付金の減少等により112,030千円支出額が減少した。財務活動によるキャッシュ・フローは166,893千円の支出となり、前年同期と比較して101,162千円支出額が増加した。
株式会社きんえいは、今後もシネマ・アミューズメント事業と不動産事業の両輪で安定的な成長を目指す。シネマ・アミューズメント事業においては、「あべのアポロシネマ」への集客力強化のため、魅力的な作品の上映に加え、安心・快適な環境整備、そして周辺商業施設との連携強化や、利便性の高い「チケット予約システム」、会員制度「アポロシネマメンバーズ」の積極的な活用を通じて、顧客体験の向上を図る。これにより、映画館としての魅力を高め、継続的な集客に繋げることが期待される。 不動産事業においては、テナント入居率の維持・向上による賃貸収入の確保を最優先としつつ、ビルの機能向上に向けた設備更新・改良工事を計画的に進める。特に、省エネルギー化への配慮は、昨今の環境意識の高まりやコスト削減の観点からも重要であり、より安全で快適なビル運営に貢献するだろう。これらの取り組みは、長期的な資産価値の維持・向上に繋がり、安定した収益基盤の強化に寄与すると考えられる。 通期業績予想では、売上高は前期比微増を見込むものの、営業利益、経常利益は前期比減益予想となっている。これは、前期に計上された一時的な要因や、今後の事業展開における先行投資等を考慮した結果と推察される。しかしながら、中間期においては増収増益を達成しており、下期以降の業績回復への期待も持てる。特に、不動産事業における賃料改定や新規テナント誘致の進捗、シネマ事業における今後のラインナップの魅力度などが、通期業績達成の鍵となるだろう。 投資家目線では、中間期での堅調な業績はポジティブな材料であるが、通期業績予想における減益見通しはややネガティブに映る可能性がある。しかし、これはあくまで現時点での予想であり、今後の事業環境の変化や、同社が掲げる安定した経営基盤の確立、事業発展への努力によって、業績予想を上回る可能性も十分に考えられる。株主還元としては、期末配当予想が維持されている点は評価できる。今後の同社の事業戦略の実行力と、市場環境の変化への対応力が、企業価値向上に繋がるか注目される。
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