スバル興業株式会社は、2026年1月期第2四半期(中間期)において、売上高146億5千1百万円(前年同期比2.0%減)、営業利益27億7千9百万円(前年同期比10.1%増)、経常利益28億3千9百万円(前年同期比10.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益19億1千1百万円(前年同期比10.4%増)を達成した。全体としては堅調な業績となった。株主還元については、2026年1月期通期の配当予想を1株当たり80円(中間配当40円、期末配当40円)としており、前期と同水準を維持している。自己株式取得に関する記載は確認されていない。
当中間連結会計期間におけるスバル興業株式会社の業績は、売上高が前年同期比2.0%減の146億5千1百万円となった。これは、道路関連事業において、積算精度の向上や安全管理の徹底を図ったものの、大型工事案件の受注が減少し、道路維持管理業務も一部作業の発注が翌四半期以降にずれ込んだことが影響した。一方、道路清掃業務は自然災害に対する緊急対応業務が増加したことや新規受注により増収となった。レジャー事業においては、飲食事業は価格の見直しや高単価商品の展開、各種施策の強化により好調に推移したが、マリーナ事業は管理運営業務の終了により減収となった。不動産事業は、賃貸用物件の堅調な稼働により増収となった。営業利益は前年同期比10.1%増の27億7千9百万円、経常利益は同10.6%増の28億3千9百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同10.4%増の19億1千1百万円といずれも増益となった。これは、道路関連事業における原材料費上昇分の価格スライドや、飲食事業における顧客単価向上策、不動産事業における賃貸料の見直しなどが寄与した結果である。
指標 | 2026年1月期(累計) | 2025年1月期(累計) | 前年同期比 |
---|---|---|---|
売上高 | 14,651百万円 | 14,948百万円 | △2.0% |
営業利益 | 2,779百万円 | 2,523百万円 | 10.1% |
経常利益 | 2,839百万円 | 2,566百万円 | 10.6% |
親会社株主に帰属する中間純利益 | 1,911百万円 | 1,732百万円 | 10.4% |
純利益 | 1,911百万円 | 1,732百万円 | 10.4% |
道路関連事業は、全社売上高の大部分を占めている。当四半期においては、積算精度の向上や安全管理の徹底を図り、一般競争入札における総合評価落札方式への対応強化に努めた。道路土木工事では、大型工事案件の受注が前期に比べ減少したものの、道路清掃業務は自然災害への緊急対応や新規受注により増収となった。道路維持管理業務は、一部作業の発注が翌四半期以降にずれ込んだ影響で減収となった。結果として、道路関連事業全体の売上高は135億2千2百万円(前年同期比1.9%減)となった。セグメント利益は、原材料費上昇分の価格スライドが認められたこと等により、28億2千1百万円(前年同期比8.9%増)となった。
レジャー事業は、全社売上高に占める割合は小さい。飲食業界においては、経済活動の正常化やインバウンド需要の拡大により外食需要は総じて堅調であったが、人手不足やコスト上昇が続いた。当社の飲食事業は、価格の見直しや季節に応じた高単価商品の展開、キャッシュレス・キャンペーンの実施等により、顧客単価の向上と新規顧客獲得に努め、業績は好調に推移した。2025年6月にはイタリアンレストラン「ラ・ベルデ西新宿店」を開店した。マリーナ事業は、年間契約の船舶係留数が高水準で推移し、係留料の見直しも行ったが、前期に管理運営業務が終了した影響により、売上は減収となった。結果として、レジャー事業全体の売上高は6億1千万円(前年同期比9.6%減)、セグメント利益は2千6百万円(前年同期比26.4%減)となった。
不動産事業は、全社売上高に占める割合は小さい。不動産事業においては、「吉祥寺スバルビル」や前期取得物件の堅調な稼働により、売上高は5億1千8百万円(前年同期比6.8%増)となった。セグメント利益は、3億5千6百万円(前年同期比9.6%増)となった。2025年6月には埼玉県春日部市内に事業用地を取得し、賃貸を開始している。
2025年6月に、スバル興業株式会社は埼玉県春日部市内に事業用地を取得し、賃貸を開始した。これにより、不動産事業における収益基盤の強化が期待される。
2026年1月期の通期業績予想は、2025年3月14日に公表した予想から変更はない。
指標 | 通期予想 | 進捗率(2Q) |
---|---|---|
売上高 | 29,329百万円 | △3.1% |
営業利益 | 4,505百万円 | △6.3% |
経常利益 | 4,528百万円 | △7.1% |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,029百万円 | △6.5% |
該当する決算発表は中間決算のため、記載なし。
当中間連結会計期間末の総資産は422億4千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億2千5百万円増加した。これは、現金及び預金の増加によるものである。負債合計は51億9千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ5百万円減少した。純資産は370億5千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億3千万円増加した。これは、利益剰余金の増加によるものである。自己資本比率は87.4%となり、引き続き高い水準を維持している。
スバル興業株式会社は、2026年1月期第2四半期において、売上高は微減となったものの、利益面では増益を達成し、堅調な業績を示した。特に、道路関連事業におけるコスト管理の徹底や、飲食事業における価格戦略の奏功、不動産事業の安定的な収益貢献が業績を支えた。政府による防災・減災、国土強靭化対策の推進は、道路関連事業にとって追い風となる可能性がある。一方で、建設技能者の不足や労務費・資機材価格の上昇は引き続き懸念材料である。飲食業界においても、人手不足やコスト上昇は継続する見通しである。
中期経営計画『中期経営計画2028』に基づき、各事業の収益力強化と企業価値向上に向けた取り組みを継続していくことが重要となる。特に、道路関連事業においては、積算精度の向上や安全管理の徹底に加え、高付加価値工事の受注拡大が求められる。レジャー事業においては、飲食事業での新店舗展開の効果や、マリーナ事業における新たな収益源の確保が課題となる。不動産事業においては、新規物件の取得や既存物件の有効活用による収益拡大が期待される。
株主還元については、前期と同水準の配当予想を維持しており、安定的な株主還元を継続する方針である。自己株式取得に関する具体的な情報は現時点では開示されていないが、今後の経営戦略や財務状況に応じて検討される可能性がある。
全体として、同社は外部環境の不確実性に対応しつつ、各事業の強みを活かし、持続的な成長を目指していくと考えられる。投資家目線では、利益成長が続いている点はポジティブに評価できるが、売上高の伸び悩みやコスト上昇圧力への対応が今後の注目点となるだろう。特に、道路関連事業における大型案件の受注動向や、レジャー事業における収益改善策の進捗が、業績を左右する重要な要素となる。
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