株式会社ナレルグループは、2025年10月期第3四半期連結累計期間において、売上収益17,926百万円(前年同期比13.4%増)、営業利益2,261百万円(同5.2%増)と増収増益を達成した。これは、建設ソリューション事業およびITソリューション事業における技術者の稼働人数増加と、ITソリューション事業における契約単価の上昇が寄与した結果である。親会社の所有者に帰属する四半期利益は1,598百万円(同7.4%増)となった。株主還元としては、2025年10月期の年間配当予想が115円(期末60円)と、前期の110円から増配となっている。全体として、堅調な業績推移であり、投資家目線ではポジティブな決算発表であったと評価できる。
株式会社ナレルグループの2025年10月期第3四半期連結累計期間の業績は、売上収益が前年同期比13.4%増の17,926百万円、営業利益が同5.2%増の2,261百万円、税引前四半期利益が同4.5%増の2,207百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が同7.4%増の1,598百万円となった。増収増益の主な要因は、建設ソリューション事業およびITソリューション事業における技術者の稼働人数増加と、ITソリューション事業における契約単価の上昇である。積極的な採用投資や人員強化による販管費の増加はあったものの、増収効果により増益を達成した。
指標 | 2025年10月期(累計) | 2024年10月期(累計) | 前年同期比 |
---|---|---|---|
売上収益 | 17,926百万円 | 15,801百万円 | 13.4% |
営業利益 | 2,261百万円 | 2,149百万円 | 5.2% |
税引前利益 | 2,207百万円 | 2,112百万円 | 4.5% |
純利益 | 1,598百万円 | 1,488百万円 | 7.4% |
建設ソリューション事業は、全社売上収益の約89.5%を占める主要事業である。当第3四半期連結累計期間の売上収益は16,044百万円(前年同期比13.5%増加)となった。技術者の在籍人数は3,599人(同373人増加)、月次平均稼働人数は3,096人(同352人増加)と増加した。月次平均稼働率は93.3%(同0.6%減少)と若干低下したが、月次平均契約単価は519千円(同10千円増加)となった。公共投資の底堅さや民間設備投資の持ち直しを背景に需要は堅調に推移し、技術者の高齢化や若手不足といった構造的課題から、技術者派遣へのニーズは引き続き高まっている。当社グループは、営業・採用機能の強化、技術者の育成支援、退職率の低減に努め、プラントエンジニアリング業界への派遣領域拡大や、建設DXコンサルティングなどの新サービス育成を進めた。大型再開発プロジェクト等への対応や、採用プロセスの見直しと積極的な採用投資が奏功し、稼働人数は順調に増加し増収に寄与した。セグメント利益は1,818百万円(同1.4%増加)となった。
ITソリューション事業は、全社売上収益の約10.5%を占める事業である。当第3四半期連結累計期間の売上収益は1,882百万円(前年同期比13.0%増加)となった。技術者の在籍人数は427人(同29人増加)、月次平均稼働人数は360人(同24人増加)と増加した。月次平均稼働率は92.7%(同0.7%減少)と若干低下したが、月次平均契約単価は523千円(同11千円増加)となった。システム開発における上流工程案件の獲得を背景とした契約単価の上昇と、稼働人数の増加が業績成長に寄与した。引き続き、営業力の強化、未経験者の育成、既存技術者のスキル向上に注力し、上流工程案件のさらなる獲得を目指す。セグメント利益は112百万円(同1.9%減少)となった。
当四半期連結累計期間において、新規に1社(一般社団法人全国建設人材協会)を連結子会社化した。これにより、建設ソリューション事業における人材確保体制の強化が期待される。
2025年10月期の通期業績予想に変更はない。第3四半期累計期間終了時点での進捗率は以下の通りである。
指標 | 通期予想 | 進捗率(3Q) |
---|---|---|
売上収益 | 25,650百万円 | 70.0% |
営業利益 | 3,310百万円 | 68.5% |
税引前利益 | 3,220百万円 | 68.9% |
純利益 | 2,330百万円 | 68.5% |
該当するセクションは通期決算発表ではないため削除する。
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は23,410百万円(前連結会計年度末比206百万円減少)となった。流動資産は7,826百万円(同99百万円減少)、非流動資産は15,583百万円(同107百万円減少)となった。負債合計は9,408百万円(同768百万円減少)となり、資本合計は14,002百万円(同561百万円増加)となった。キャッシュ・フローについては、営業活動によるキャッシュ・フローは1,477百万円の収入となり、前年同期比で増加した。投資活動によるキャッシュ・フローは173百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは1,669百万円の支出となった。現金及び現金同等物の期末残高は4,279百万円となった。
配当:
自己株式取得:
株主優待:
株式会社ナレルグループは、2025年10月期通期連結業績予想を据え置いている。建設業界においては、公共投資の底堅さと民間設備投資の持ち直しにより需要は堅調に推移すると見込まれるが、技術者の高齢化や若手不足といった構造的な課題は依然として深刻であり、技術者派遣へのニーズは今後も高まることが予想される。ITソリューション事業においても、システム開発における上流工程案件の獲得やDXコンサルティングといった新たなサービス育成に注力し、事業拡大を目指す。
今回の第3四半期決算発表は、売上収益、営業利益、親会社株主に帰属する四半期利益ともに前年同期比で増加しており、堅調な業績推移を示している。特に、建設ソリューション事業における技術者の稼働人数増加とITソリューション事業における契約単価の上昇は、事業基盤の強化と収益性の向上を示唆しており、ポジティブな材料と言える。また、2025年10月期の年間配当予想を増配としたことも、株主還元への積極的な姿勢を示すものとして、投資家にとって好意的に受け止められるだろう。
一方で、ITソリューション事業のセグメント利益が微減となった点や、建設ソリューション事業における月次平均稼働率の低下は、今後の注視点となる。しかし、全体としては、外部環境の変化に対応しつつ、着実に成長を続けていると評価できる。今後も、技術者の育成・確保、DX関連サービスへの注力、そして顧客ニーズへの的確な対応を通じて、持続的な企業価値向上を目指していくことが期待される。投資家目線では、安定した成長性と株主還元への配慮が見られることから、引き続き注目に値する企業であると言える。
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