株式会社学情は、2025年10月期第3四半期累計期間(2024年11月1日~2025年7月31日)において、売上高70億63百万円(前年同期比100.8%)、営業利益8億48百万円(前年同期比66.1%)を計上した。これは、若手人材採用ニーズの高まりを背景に、キャリア採用市場が堅調に推移したこと、また「Re就活」の会員数増加が寄与した結果である。一方で、新卒採用の早期化や企業広報時期の変化による影響も見られた。通期業績予想については、売上高110億円(前期比102.5%)、営業利益21億円(前期比79.0%)に修正した。これは、足下の不透明な経済環境を踏まえ、慎重に見直した結果である。株主還元としては、2025年10月期の年間配当予想を67円(前期比2円増)としている。全体として、堅調なキャリア採用市場を追い風としつつも、外部環境の不透明感から業績予想を保守的に修正した決算発表であった。
株式会社学情の2025年10月期第3四半期累計期間における業績は、売上高が前年同期比0.8%増の70億63百万円となった。これは、主にキャリア採用市場の堅調な推移と、20代向け転職サイト「Re就活」の会員数増加が寄与した結果である。しかしながら、営業利益は同33.9%減の8億48百万円、経常利益は同33.0%減の10億88百万円、四半期純利益は同33.6%減の7億69百万円となった。これは、求職者向けプロモーション強化による売上原価の増加や、システム管理費及び販売促進プロモーション費の増加による販売費及び一般管理費の増加が影響したためである。財政状態としては、総資産は前事業年度末比で14億36百万円減少し153億3百万円となった。純資産は同7億76百万円減少し137億1百万円となった。これは、四半期純利益を計上したものの、自己株式の取得等があったためである。
指標 | 2025年10月期(累計) | 2024年10月期(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 7,063百万円 | 7,006百万円 | 0.8% |
営業利益 | 848百万円 | 1,283百万円 | △33.9% |
経常利益 | 1,088百万円 | 1,624百万円 | △33.0% |
四半期純利益 | 769百万円 | 1,158百万円 | △33.6% |
当事業は全社売上高の大部分を占める。2025年10月期第3四半期累計期間において、キャリア採用(経験者採用)市場は、若手人材採用ニーズの高まりと、新卒採用の早期化・難化に伴う企業の人材採用戦略の変化により、引き続き堅調に推移した。「Re就活」の売上高は17億89百万円(前年同期比120.4%)と堅調に推移し、Webメディアの登録者数増加は、合同企業セミナー「転職博」や、エージェントサービス「Re就活エージェント」、さらには30代向け転職サービス「Re就活30」にも波及すると見込まれる。「Re就活エージェント」では、面談の質の見直しと面談数の増加に取り組み、売上高は5億73百万円(前年同期比107.4%)となった。新卒採用市場においては、早期化が進む中で、学生のキャリア形成に対する意識の変化も見られ、大学1年次から「Re就活キャンパス(旧あさがくナビ)」への登録が増加している。2025年7月のWeb会員登録数は前年同月比172.9%と大幅に増加した。これは、従来の学年別情報提供から、学生一人ひとりの就職活動準備状況に応じたタイミングでの情報提供へと転換を図ったことが寄与している。「Re就活キャンパス(旧あさがくナビ)」の売上高は12億18百万円(前年同期比97.3%)となった。「イベント(転職博・就職博など)」では、「Re就活」の堅調な推移を背景に、「転職博」の販売ブース数が増加し、売上高は22億70百万円(前年同期比102.0%)となった。これらの結果、就職情報事業全体の売上高は69億23百万円(前年同期比101.7%)となった。また、新たに高卒・第二新卒の転職をサポートする「Re就活ユース」をローンチし、「Re就活シリーズ」のサービス強化を図っている。
株式会社学情は、2025年2月17日開催の取締役会決議に基づき、自己株式300,000株の取得を実行した。これにより、当第3四半期累計期間において自己株式が518,764千円増加し、自己株式の取得等により、当第3四半期会計期間末において自己株式が2,812,743千円となっている。
株式会社学情は、2025年10月期の業績予想を修正した。売上高は110億円(前期比102.5%)、営業利益は21億円(前期比79.0%)となった。これは、米国の関税政策に起因する世界的な景気の不透明感や、若手人材市場の状況変化を踏まえ、慎重に見直した結果である。
指標 | 通期予想 | 進捗率(3Q) |
---|---|---|
売上高 | 11,000百万円 | 64.2% |
営業利益 | 2,100百万円 | 40.4% |
経常利益 | 2,400百万円 | 40.0% |
純利益 | 1,720百万円 | 44.8% |
該当する決算発表は第3四半期決算のため、記載なし。
当第3四半期会計期間末の総資産は153億3百万円となり、前事業年度末比で14億36百万円減少した。流動資産は74億87百万円となり、同10億47百万円減少した。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産の減少によるものである。固定資産は78億16百万円となり、同3億89百万円減少した。これは主に、投資有価証券の減少によるものである。流動負債は13億37百万円となり、同6億91百万円減少した。これは主に、未払法人税等の減少によるものである。固定負債は2億64百万円となり、同32百万円増加した。これは主に、長期未払費用の増加によるものである。純資産は137億1百万円となり、同7億76百万円減少した。これは、四半期純利益の計上、配当金の支払い、自己株式の取得等によるものである。キャッシュフローに関する情報は、四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、記載なし。
株式会社学情は、2025年10月期の通期業績予想を売上高110億円(前期比102.5%)、営業利益21億円(前期比79.0%)に修正した。この修正は、米国の関税政策に起因する世界的な景気の不透明感や、若手人材市場における新卒採用の早期化・難化、人材ニーズの多様化といった、足下で取り巻く環境の変化に対応したものである。特に、キャリア採用市場においては、引き続き若手人材の採用ニーズが高止まりしており、企業が戦略的にキャリア採用や第二新卒採用を強化する動きが続くと予想される。この流れは、「Re就活」をはじめとする同社の主要サービスにとって追い風となるだろう。また、新卒採用市場においても、学生のキャリア形成に対する意識の変化に対応したサービス提供を継続することで、学生・企業双方からの支持を維持・拡大していく方針である。一方で、グローバル経済の不透明感は依然として存在し、企業の人材採用計画に影響を与える可能性も否定できない。同社は、こうした変化に柔軟に対応するため、商品力強化やプロモーション強化といった戦略的成長投資を継続していく姿勢を示している。この業績予想の修正は、保守的な見方とも言えるが、不確実性の高い経済環境下においては、現実的な判断と言えるだろう。投資家目線では、キャリア採用市場の強さを背景とした堅調な事業基盤は評価できるものの、通期業績予想の引き下げはややネガティブに映る可能性がある。しかし、同社が継続的な成長投資を通じて、変化する市場環境に適応し、将来的な企業価値向上を目指している点は、中長期的な視点ではポジティブに捉えられるだろう。配当予想の増額は、株主還元への意識の表れとして好意的に受け止められると考えられる。
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