2026年2月期第2四半期(中間期)累計の業績は、売上高が前年同期比△1.7%の31.3億円、営業利益が同△17.5%の3.09億円、経常利益が同△15.4%の3.55億円、純利益が同△16.1%の2.45億円と減収減益で推移した。国内経済は物価上昇による個人消費の節約志向が強く、クリーニング業界は天候不順の影響も受け、厳しい経営環境が続いた。このような状況下で、同社は新商品「羽毛布団リフォーム」の取り扱いを開始し、福岡県久留米市での4店舗の事業譲受け、既存店舗のリニューアル、販促活動などを積極的に実施した。通期業績予想は据え置きだが、中間期累計の営業利益、経常利益、純利益は既に通期予想を大幅に超過しており、通期予想が保守的である可能性を示唆する。配当予想は中間・期末ともに5.50円で年間11.00円を維持する方針。全体として、厳しい外部環境下での減収減益となったものの、通期予想に対する進捗率の高さは投資家にとって上方修正期待が持てるポジティブな内容と評価できる。
2026年2月期第2四半期(中間期)累計の全社業績は、売上高が前年同期比1.7%減の31.3億円、営業利益が同17.5%減の3.09億円、経常利益が同15.4%減の3.55億円、純利益が同16.1%減の2.45億円となり、減収減益で推移した。国内経済は物価上昇による個人消費の節約志向が強く、春の衣替え時期の気温上昇の遅れや夏季の猛暑が来店客数に影響を与え、クリーニング需要が低迷した。また、販売費及び一般管理費において人件費やPOSレジ費用等が増加したことも、利益を圧迫する要因となった。
指標 | 2026年2月期2Q(累計) | 2025年2月期2Q(累計) | 前年同期比 |
---|---|---|---|
売上高 | 31.3億円 | 31.8億円 | △1.7% |
営業利益 | 3.09億円 | 3.74億円 | △17.5% |
経常利益 | 3.55億円 | 4.19億円 | △15.4% |
純利益 | 2.45億円 | 2.92億円 | △16.1% |
2025年5月1日付で事業の一部譲受けを実施し、福岡県久留米市に4店舗を新たに取得した。これにより、営業基盤の強化を図り、店舗網の拡大を進めている。
進行期の全社業績予想は、2025年4月15日に発表された内容から変更なく据え置きとなった。中間期累計の実績は、売上高は通期予想に対して56.9%の進捗だが、営業利益は154.5%、経常利益は118.3%、純利益は122.5%と既に通期予想を大幅に超過している。これは、通期予想が保守的に設定されている可能性を示唆する。
指標 | 通期予想 | 進捗率(2Q) |
---|---|---|
売上高 | 55.0億円 | 56.9% |
営業利益 | 2.0億円 | 154.5% |
経常利益 | 3.0億円 | 118.3% |
純利益 | 2.0億円 | 122.5% |
2026年2月期中間期末の総資産は46.94億円となり、前事業年度末から2.98億円増加した。純資産は24.67億円で、自己資本比率は52.6%に上昇し、財務基盤の安定性が向上している。流動資産は現金及び預金の増加により2.11億円増加し9.19億円、固定資産は投資有価証券の増加により0.87億円増加し37.75億円となった。負債合計は22.27億円で、前事業年度末から0.29億円減少した。
キャッシュフローでは、営業活動によるキャッシュフローは3.31億円のプラスとなったが、前中間会計期間比で36.3%減少した。これは主に税引前中間純利益の減少や売上債権の増加が影響している。投資活動によるキャッシュフローは△0.05億円のマイナスで、有形固定資産の取得などがあったものの、定期性預金の払戻しによりマイナス幅は縮小した。財務活動によるキャッシュフローは△1.65億円のマイナスで、長期借入金の返済や配当金の支払いが主な要因である。結果として、現金及び現金同等物の中間期末残高は5.76億円となり、前事業年度末から1.61億円増加した。
配当
株式会社きょくとうの今後の見通しは、投資家にとって複数の側面から評価できる。まず、2026年2月期第2四半期累計の業績は減収減益となったものの、通期業績予想に対する営業利益、経常利益、純利益の進捗率がそれぞれ154.5%、118.3%、122.5%と、既に通期予想を大幅に超過している点は非常にポジティブな要素である。これは、会社が設定した通期予想が保守的である可能性が高く、今後の四半期決算発表で上方修正が発表される期待が高まる。上方修正があれば、株価に好影響を与える可能性が高い。
一方で、国内経済は物価上昇による個人消費の節約志向が強く、クリーニング業界全体としては厳しい経営環境が続くと予想される。特に、同社の売上高は春の衣替え時期である3月から5月に偏る季節変動があるため、下半期に向けて需要が回復するかどうかが注目される。同社は「羽毛布団リフォーム」といった新サービスの導入や、福岡県久留米市での4店舗の事業譲受け、既存店舗のリニューアル、販促活動を積極的に行っている。これらの取り組みが、厳しい市場環境下で顧客獲得と売上向上にどれだけ貢献できるかが、今後の業績を左右する重要な鍵となる。
財務状態は、自己資本比率が52.6%に上昇し、現金及び現金同等物も増加しており、安定した財務基盤を維持している。これは、今後の事業拡大やM&Aなどの投資余力があることを示唆し、企業価値向上への期待が持てる。しかし、営業活動によるキャッシュフローが前年同期比で減少している点は、利益率改善の必要性を示している。
総合的に見ると、足元の業績は減収減益だが、通期予想に対する進捗率の高さから、投資家にとっては上方修正期待が持てるポジティブな決算発表と評価できる。ただし、マクロ経済環境の厳しさや季節変動リスクも考慮し、新サービスや店舗戦略の成果を注視する必要がある。長期的な企業価値向上には、持続的な収益力強化と効率的なコスト管理が求められる。
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