株式会社柿安本店は、2026年4月期第1四半期連結決算において、売上高8,657百万円(前年同期比0.4%増)、営業利益239百万円(同4.9%減)、経常利益253百万円(同4.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益147百万円(同3.1%増)を計上した。全体としては微増収となったものの、利益面では減益となった。これは、物価上昇や人件費・物流費の上昇といった外部環境の厳しさの中で、既存店の収益改善や新商品開発に努めたものの、原材料価格の高止まりなどが影響したためと考えられる。株主還元としては、2026年4月期の年間配当予想は85円(前期と同額)となっている。
株式会社柿安本店は、2026年4月期第1四半期連結累計期間において、売上高は前年同期比0.4%増の8,657百万円となった。これは、景気回復の兆しが見られるものの、物価上昇や人件費・物流費の上昇など、依然として厳しい事業環境が続く中で、お客様にお喜びいただける高付加価値・高品質な商品やサービスの提供に努めた結果である。営業利益は同4.9%減の239百万円、経常利益は同4.8%減の253百万円となった。これは、売上総利益率の低下や販売費及び一般管理費の増加が影響したためである。親会社株主に帰属する四半期純利益は同3.1%増の147百万円となった。これは、法人税等の調整額の減少などが寄与した。
指標 | 2026年4月期(累計) | 2025年4月期(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 8,657億円 | 8,619億円 | 0.4% |
営業利益 | 239億円 | 251億円 | △4.9% |
経常利益 | 253億円 | 266億円 | △4.8% |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 147億円 | 143億円 | 3.1% |
精肉事業は全社売上高の約37.2%を占める。当四半期においては、松阪牛や当社オリジナルの『柿安牛』等のブランド牛商品に加え、自社製造のローストビーフの販売強化に努めた。また、当社予約サイト「ニクヨヤク」限定で焼肉セットや黒毛和牛小間きれセットをお値打ちに販売するなど、お客様の需要を見込んだ商品展開に努めた。この結果、当事業の売上高は3,215百万円(前年同期比0.2%減)と微減となったものの、セグメント利益は166百万円(同45.6%増)と大幅に増加した。これは、商品構成の見直しやコスト管理の徹底によるものと考えられる。
惣菜事業は全社売上高の約36.0%を占める。既存の定番商品のブラッシュアップに加え、ゴーヤを中心とした夏野菜を自家製ガーリックオイルで仕上げた『6種野菜とゴーヤのペペロンチーノ風サラダ』を販売した。また、看板商品である大海老マヨの夏期限定商品『大海老マヨ 〜サワークリームレモンマヨソース~』など、満足度の高い高付加価値商品の展開にも注力した。この結果、当事業の売上高は3,105百万円(前年同期比1.3%減)と微減となったが、セグメント利益は229百万円(同17.4%減)となった。これは、原材料価格の上昇や競争激化による影響が考えられる。
和菓子事業は全社売上高の約17.7%を占める。季節商品として味だけでなく見た目も楽しめる『バナナ大福』(プレーン・チョコ)や、とうもろこしを練りこむことでその食感も楽しめる『焼きとうもろこし団子』、『焼きとうもろこし大福』を販売した。また、味だけでなく見た目にもこだわった「ラムネ」「マンゴー」「スイカ」フレーバーが楽しめる『いろどり団子』などの商品開発にも注力した。この結果、当事業の売上高は1,530百万円(前年同期比6.1%増)と堅調に増加し、セグメント利益は25百万円(同25.6%増)と大幅に増加した。これは、季節感のある商品展開が顧客の支持を得た結果である。
レストラン事業は全社売上高の約4.0%を占める。グリル業態ではワンランク上の食材をお楽しみいただくため、新たに黒毛和牛サーロインを用いた料理を取り揃えた。また、お持ち帰り可能なお弁当として『牛めし&とんてき弁当』を導入するなど、贅沢な味わいをお値打ち価格で楽しんでいただける商品展開に努めた。この結果、当事業の売上高は347百万円(前年同期比3.0%増)と増加したが、セグメント利益は0百万円(同91.6%減)と大幅に減少した。これは、食材費の上昇や販促費の増加などが影響したと考えられる。
食品事業は全社売上高の約5.3%を占める。国民的人気アニメーション「ちびまる子ちゃん」をデザインした商品として、母の日には『すみれの黒毛和牛やわらか煮 まごころをそえて〜』、父の日には『ヒロシの酒のおつまみ 〜ほたてと牛肉山椒』をそれぞれ販売した。また、新商品『柿安瓶詰めシリーズ』(「減塩牛肉しぐれ」や「すき焼」など8種類をご用意)が大変ご好評をいただいた。この結果、当事業の売上高は458百万円(前年同期比3.0%減)と微減となったが、セグメント利益は49百万円(同26.7%減)となった。これは、販促費の増加などが影響したと考えられる。
本決算短信において、事業/資本提携やM&Aに関する具体的な記載は確認されなかった。
該当する四半期決算発表が1Q or 2Q or 3Qの決算発表だったため、このセクションを記載する。 2026年4月期の連結業績予想は、第2四半期累計で売上高17,000百万円(前年同期比1.1%増)、営業利益330百万円(同3.9%減)、経常利益350百万円(同3.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益150百万円(同15.3%減)と予想されている。通期では売上高36,400百万円(前期比0.8%増)、営業利益1,500百万円(同0.0%増)、経常利益1,550百万円(同0.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益850百万円(同21.2%増)と予想されている。第1四半期の実績を踏まえると、通期予想に対する進捗率は売上高で約23.8%、営業利益で約15.5%、経常利益で約15.5%、親会社株主に帰属する四半期純利益で約17.6%となっている。特に利益面では、第1四半期の減益からの挽回が今後の課題となる。
指標 | 通期予想 | 進捗率(1Q) |
---|---|---|
売上高 | 36,400億円 | 23.8% |
営業利益 | 1,500億円 | 15.5% |
経常利益 | 1,550億円 | 15.5% |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 850億円 | 17.6% |
該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)ではなかったため、このセクションは削除する。
2026年4月期第1四半期末の連結財政状態は、総資産18,254百万円(前連結会計年度末比941百万円減少)、純資産14,383百万円(同660百万円減少)となった。流動資産は現金及び預金の減少などにより830百万円減少し、固定資産は繰延税金資産の減少などにより111百万円減少した。負債合計は280百万円減少し、その主な要因は未払法人税等の減少などである。純資産の減少は、剰余金の配当によるものが大きい。キャッシュフローに関する詳細な情報は、本決算短信からは確認されなかった。
株式会社柿安本店は、第1四半期において微増収を達成したものの、利益面では減益となった。これは、依然として厳しい事業環境が続いていることを示唆しており、投資家目線では、今後の収益改善に向けた具体的な施策やその進捗が注目される。特に、原材料価格の高止まりや人件費・物流費の上昇といったコスト増要因への対応が重要となる。一方で、精肉事業や和菓子事業におけるセグメント利益の増加はポジティブな材料であり、これらの好調な事業をいかに全体業績に波及させていくかが鍵となる。
通期業績予想では、売上高は微増、利益は増益を見込んでいるが、第1四半期の減益を踏まえると、達成には更なる努力が必要である。特に、営業利益、経常利益の通期予想に対する進捗率が低い点は懸念材料であり、下期における業績回復が期待される。
今後の見通しとしては、外食・中食市場の動向、消費者の購買行動の変化、そして競合他社の動向などを注視していく必要がある。高付加価値商品の開発や、デジタル技術を活用した顧客体験の向上、効率的な店舗運営やサプライチェーンの最適化など、多角的なアプローチを通じて持続的な成長を目指していくことが求められる。株主還元については、配当予想が据え置かれていることから、現時点では安定的な還元を維持する方針と見られる。自己株式取得や株主優待に関する情報がないため、今後の開示に注目したい。全体として、第1四半期決算は、収益改善への課題が残るものの、今後の成長に向けた取り組みも進められており、中長期的な視点での企業価値向上に期待したい。
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