株式会社薬王堂ホールディングスの2026年2月期第2四半期(中間期)連結決算は、売上高828億2千1百万円(前年同期比7.9%増)、営業利益34億7千2百万円(同9.2%増)、経常利益35億7千7百万円(同7.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益25億3千万円(同7.1%増)と、全ての利益項目で増益を達成した。これは、中期経営計画に基づく積極的な新規出店や店舗改装、販売価格・品揃えの強化による来店客数および買上点数の増加、さらにローコストオペレーションの推進が奏功した結果である。特にフード部門の売上高が前年同期比10.1%増と大きく伸長し、全体を牽引した。通期業績予想は据え置きであり、計画通りに推移していると判断される。株主還元については、2026年2月期の年間配当予想を前年比1円増の29円としており、自己株式取得も実施した。全体として、堅調な業績推移と株主還元への意欲が見られ、投資家にとってはポジティブな決算発表であった。
2026年2月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高が前年同期比7.9%増の828億2千1百万円、営業利益が同9.2%増の34億7千2百万円、経常利益が同7.4%増の35億7千7百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同7.1%増の25億3千万円となり、全ての項目で増収増益を達成した。これは、中期経営計画に基づく新規出店や店舗改装、販売価格・品揃えの強化による来店客数および買上点数の増加、並びに店舗作業の削減や物流効率化によるローコストオペレーションの推進が寄与した。特にフード部門の好調が全体を牽引し、堅調な成長を示している。
指標 | 2026年2月期2Q(累計) | 2025年2月期2Q(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 828億円 | 767億円 | 7.9% |
営業利益 | 34億円 | 31億円 | 9.2% |
経常利益 | 35億円 | 33億円 | 7.4% |
純利益 | 25億円 | 23億円 | 7.1% |
ヘルス事業は、全社売上高の約16.2%を占める。当中間連結会計期間において、医薬品では皮膚治療薬などが伸張し、衛生用品では生理用品などが伸張した。その結果、ヘルス部門の売上高は前年同期比1.7%増加し、133億6千9百万円となった。ドラッグストア事業における主要部門の一つとして、顧客の健康意識の高まりに対応した商品展開が売上を牽引している。特に、季節性の需要や健康志向の高まりに応じた商品ラインナップの拡充が、安定的な成長に貢献している。
ビューティ事業は、全社売上高の約13.4%を占める。当中間連結会計期間において、化粧品では基礎化粧品や男性化粧品などが伸張し、トイレタリーではヘアケアやオーラルケアなどが伸張した。その結果、ビューティ部門の売上高は前年同期比7.4%増加し、110億9千9百万円となった。美容意識の高い顧客層へのアプローチが成功し、特に高付加価値製品の販売が好調に推移した。トレンドを捉えた商品導入やプロモーション活動が、売上増加に寄与している。
ホーム事業は、全社売上高の約21.5%を占める。当中間連結会計期間において、日用品では衣料洗剤や柔軟剤などが伸張し、バラエティ部門ではペット関連商品などが伸張した。その結果、ホーム部門の売上高は前年同期比8.0%増加し、178億2百万円となった。生活必需品としての需要に加え、ペット関連商品の多様化や需要増加が売上を押し上げた。家庭用品の品揃え強化と利便性の向上が、顧客の購買意欲を刺激している。
フード事業は、全社売上高の約48.9%を占める。当中間連結会計期間において、食品では日配品や冷凍食品、飲料などが伸張し、酒類ではビール類や酎ハイなどが伸張した。その結果、フード部門の売上高は前年同期比10.1%増加し、404億2千6百万円となった。全社売上高の約半分を占める主力事業であり、その高い成長率が全体の業績を大きく牽引している。生鮮食品や加工食品の品揃え強化、プライベートブランド商品の拡充などが、顧客の日常的な購買を促進し、売上拡大に貢献している。
株式会社薬王堂ホールディングスは、2025年4月に策定した中期経営計画に基づき、5つの重点戦略を推進している。特に「出店戦略」においては、基盤となる東北エリアでの出店強化に加え、関東エリアへの初出店を実現した。具体的には、岩手県3店舗、青森県2店舗、秋田県1店舗、宮城県3店舗、福島県1店舗、栃木県5店舗、茨城県1店舗の合計16店舗のドラッグストアを新規出店した。これにより、当中間連結会計期間末の店舗数は419店舗(うち調剤併設型4店舗、調剤専門薬局1店舗)となった。また、「店舗戦略」の一環として、青森県と宮城県を中心に28店舗の改装を実施し、レイアウト標準化を着実に進めている。これらの積極的な出店と改装は、地域におけるドミナント戦略を強化し、市場シェア拡大に貢献するとともに、顧客利便性の向上と店舗運営効率化を図るものであり、今後の業績成長に大きく寄与すると想定される。さらに、販売価格や品揃えの強化による来店客数及び買上点数の増加を図る一方で、店舗作業の削減や物流効率化によるローコストオペレーションも推進しており、収益性の向上を目指す。
2026年2月期の通期連結業績予想は、直近に公表された予想から修正はなく、据え置きである。当中間連結会計期間における業績は概ね計画通りに推移しており、通期予想に対する進捗も順調である。
指標 | 通期予想 | 進捗率(2Q) |
---|---|---|
売上高 | 1,682億円 | 49.2% |
営業利益 | 57億円 | 60.9% |
経常利益 | 60億円 | 59.6% |
純利益 | 44億円 | 57.5% |
当中間連結会計期間末の資産合計は888億7千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ89億2百万円増加した。これは主に、新規出店等に伴う商品(28億5千9百万円増)と有形固定資産(44億6千8百万円増)の増加によるものである。負債合計は501億5千万円となり、前連結会計年度末に比べ72億3千9百万円増加した。これは買掛金(38億3千5百万円増)、リース債務(9億2千3百万円増)、長期借入金(8億1千3百万円増)の増加が主な要因である。純資産合計は387億2千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億6千3百万円増加した。これは利益剰余金が19億8千1百万円増加したことが主な要因である。
キャッシュフローの状況を見ると、現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ1億9千3百万円減少し、69億7千2百万円となった。営業活動によるキャッシュフローは51億4千1百万円の収入(前年同期は53億2千3百万円の収入)であり、税金等調整前中間純利益と減価償却費が主な要因である。投資活動によるキャッシュフローは54億3千5百万円の支出(前年同期は15億2千8百万円の支出)であり、主に新規出店や改装に伴う有形固定資産の取得による支出が影響した。財務活動によるキャッシュフローは1億円の収入(前年同期は4億6千3百万円の支出)であり、長期借入金による収入があった一方で、長期借入金の返済、配当金の支払、自己株式の取得による支出があった。
配当
自己株式取得
株式会社薬王堂ホールディングスの2026年2月期第2四半期決算は、売上高、各利益項目ともに前年同期比で堅調な成長を達成し、通期業績予想も据え置きであることから、投資家にとっては概ねポジティブな内容であったと評価できる。特に、中期経営計画に基づく「出店戦略」の推進により、東北エリアでの出店強化に加え、関東エリアへの初出店を実現し、店舗網を拡大している点は、今後の成長ドライバーとして期待される。新規出店16店舗、既存店28店舗の改装は、顧客接点の拡大と店舗の魅力向上に直結し、来店客数および買上点数の増加に貢献する見込みである。
部門別では、主力であるフード部門が10.1%増と大きく伸長しており、ドラッグストアにおける食品の需要取り込みが成功していることを示唆する。これは、顧客の日常的な購買ニーズに応えることで、来店頻度を高め、他部門の売上にも好影響を与える可能性がある。また、販売価格や品揃えの強化、ローコストオペレーションの推進といった取り組みは、競争が激化するドラッグストア業界において、持続的な成長と収益性確保のための重要な戦略であり、今後の企業価値向上に寄与すると考えられる。
一方で、経済環境の不透明感は依然として残る。物価上昇や金利上昇、米国の通商政策等の影響による景気下振れリスクは、個人消費や企業の経済活動に影響を与える可能性がある。また、ドラッグストア業界内での出店競争、価格競争、大手同士の業界再編やM&Aの活発化といった厳しい経営環境は継続すると見られる。このような状況下で、同社が今後も計画通りの成長を維持できるか、競争優位性を確立できるかが注目される。
投資家目線では、堅調な業績推移と積極的な成長戦略は評価できるものの、外部環境の変化や業界競争の激化に対する対応力が今後の重要な焦点となる。特に、新規出店による初期投資負担や、既存店とのシナジー効果の最大化、効率的な店舗運営の継続が、通期業績予想達成の鍵を握る。自己株式取得や増配予想といった株主還元策も、投資家からの信頼を高める要因となる。総じて、現時点ではポジティブな見通しが優勢だが、今後の経済動向と競争環境の変化を注視する必要がある。
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