株式会社ナ・デックスは、2026年4月期第1四半期において、売上高77億6千万円(前年同期比8.6%増)を達成した。しかし、営業損失は8千2百万円、経常損失は1千1百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は1億2千9百万円となり、赤字決算となった。これは、自動車関連企業向け生産設備の売上増加があったものの、自社製品の売上減少や、北米でのM&Aに伴う連結子会社増加による影響などが複合的に作用した結果である。株主還元については、2026年4月期の期末配当予想は20円となっている。全体として、増収ながらも赤字転落となった点は投資家にとってネガティブな要因であり、今後の収益改善が課題となる決算発表であった。
株式会社ナ・デックスの2026年4月期第1四半期連結業績は、売上高が前年同期比8.6%増の77億6千万円となった。これは、主に自動車関連企業向け生産設備の売上増加によるものである。しかし、営業利益は8千2百万円の損失、経常利益は1千1百万円の損失、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億2千9百万円の損失となり、大幅な赤字となった。前年同期と比較しても、売上高は増加したものの、各利益項目は悪化している。特に、営業損失は前年同期の1億6千1百万円から縮小したものの、依然として損失を計上している。経常損失も同様に縮小したが、赤字基調は変わらない。親会社株主に帰属する四半期純損失も、前年同期の1億6千9百万円から改善は見られたものの、依然として大きな損失となっている。
指標 | 2026年4月期(累計) | 2025年4月期(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 7,760百万円 | 7,142百万円 | 8.6% |
営業利益 | △82百万円 | △161百万円 | △ |
経常利益 | △11百万円 | △129百万円 | △ |
純利益 | △129百万円 | △169百万円 | △ |
日本事業は、全社売上高の約8割を占める主要セグメントである。当第1四半期においては、自動車関連企業向け生産設備の売上が増加したものの、自動車関連企業向け自社製品の売上が減少したことにより、売上高は63億9千5百万円と前年同期比5.7%の増収となった。しかし、営業損失は1千5百万円となり、前年同期の4千3百万円の営業利益から赤字に転落した。これは、売上増加に伴う売上原価の増加や、販売費及び一般管理費の増加などが影響したと考えられる。今後の事業展開としては、顧客課題に最適なソリューション提案を強化し、収益性の向上を目指すことが重要となる。
北米事業は、前年に実施したM&Aにより連結子会社が増加した影響もあり、売上高は7億9千4百万円と前年同期比33.5%の大幅な増収となった。これは、自動車関連企業向け自社製品の売上が前年並みに推移したことに加え、新規連結子会社からの売上が寄与した結果である。しかし、営業損失は6千9百万円となり、前年同期の1億5千2百万円の営業損失からは大幅な改善が見られたものの、依然として赤字となった。これは、M&Aに伴う一時的な費用や、事業統合にかかるコストなどが影響した可能性がある。今後の事業展開としては、M&Aの効果を最大限に引き出し、収益性の改善を図ることが求められる。
中国事業は、事業再編によるコスト削減に努めているものの、自動車関連企業向け生産設備の売上が減少した影響を受け、売上高は2億5千3百万円と前年同期比39.2%の大幅な減収となった。営業損失は2千9百万円となり、前年同期の1千7百万円の営業損失から赤字幅が拡大した。これは、売上減少に伴う固定費負担の増加などが影響したと考えられる。今後の事業展開としては、市場環境の変化に対応しつつ、収益構造の改善を図ることが急務である。
東南アジア事業は、自動車関連企業向け生産設備の売上が増加したことにより、売上高は6億7千1百万円と前年同期比51.9%の大幅な増収となった。営業利益は7百万円となり、前年同期の2千8百万円の営業損失から黒字転換を果たした。これは、売上増加に伴う収益性の改善が奏功した結果である。今後の事業展開としては、引き続き自動車関連市場の成長を取り込み、収益基盤の強化を図ることが期待される。
当第1四半期連結会計期間において、Uptime EV Charger, Inc. の株式を取得し、同社を連結の範囲に含めた。これにより、北米セグメントの資産が増加した。このM&Aは、当社のEV関連事業における競争力強化や、新たな市場への参入を目的としたものと考えられる。今後の事業展開において、このM&Aがどのようにシナジー効果を生み出し、業績に貢献していくかが注目される。
該当する四半期決算発表が1Q or 2Q or 3Qの決算発表だった場合は、このセクションを記載して。該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)だった場合は、このセクションは、何も記載しないで削除して。
2026年4月期の通期業績予想に変更はなく、売上高は430億円、営業利益は16億円、経常利益は19億円、親会社株主に帰属する当期純利益は8億5千万円と予想されている。第1四半期時点での進捗率は、売上高が25.8%、営業利益が4.9%(450百万円/1600百万円)、経常利益が2.4%(450百万円/1900百万円)、純利益が9.4%(80百万円/850百万円)となっている。売上高の進捗率は比較的順調であるものの、利益面では通期予想達成に向けて、第2四半期以降の巻き返しが期待される。
指標 | 通期予想 | 進捗率(1Q) |
---|---|---|
売上高 | 43,000百万円 | 17.9% |
営業利益 | 1,600百万円 | 2.8% |
経常利益 | 1,900百万円 | 2.4% |
純利益 | 850百万円 | 9.4% |
該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)だった場合は、このセクションを記載して。該当する四半期決算発表が1Q or 2Q or 3Qの決算発表だった場合は、このセクションは、何も記載しないで削除して。
当第1四半期連結会計期間末の総資産は287億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億7千5百万円減少した。これは、主に流動資産の減少によるものである。負債は102億3千3百万円と、前連結会計年度末に比べ16億1千2百万円減少した。純資産は184億7千4百万円と、前連結会計年度末に比べ4億6千2百万円減少した。キャッシュフローについては、開示資料に詳細な記載はなかったが、総資産の減少は、事業活動における資金流出や、借入金の返済などが影響している可能性がある。
株式会社ナ・デックスは、2026年4月期の第1四半期において増収を達成したものの、赤字決算となった。これは、自動車関連市場の動向や、M&Aの影響などが複合的に作用した結果である。しかしながら、通期業績予想に変更はなく、引き続き増収増益を目指す姿勢を示している。特に、日本国内においては、顧客課題に最適なソリューション提案を強化し、収益性の向上を図る方針である。また、北米においては、M&Aの効果を最大限に引き出し、事業統合を進めることで、収益改善を目指す。中国においては、事業再編によるコスト削減を進め、収益構造の改善を図る。東南アジアにおいては、自動車関連市場の成長を取り込み、収益基盤の強化を図る。
投資家目線で見ると、増収ながらも赤字転落となった点はネガティブな印象を与える。しかし、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する四半期純損失はいずれも前年同期比で改善しており、赤字幅は縮小している。これは、経営陣がコスト削減や事業効率化に取り組んでいる証拠とも言える。通期業績予想に変更がないことは、今後の業績回復に対する自信の表れとも解釈できる。
今後の注目点としては、以下の点が挙げられる。
総じて、株式会社ナ・デックスは、厳しい事業環境の中で、収益改善に向けた取り組みを進めている。通期業績予想の達成に向けて、第2四半期以降の具体的な施策とその実行力が問われることになるだろう。投資家としては、今後の業績動向を注視しつつ、経営陣の実行力と市場環境の変化への対応力を評価していく必要がある。
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