株式会社アシロは、2025年10月期第3四半期連結決算において、売上収益が前年同期比53.0%増の5,046百万円、営業利益が同537.1%増の1,179百万円と大幅な増収増益を達成した。これは、主力のメディア事業における掲載枠数および掲載顧客数の増加、ならびに転職メディア「キャリズム」の案件数増加によるものであり、特にメディア事業の売上収益は同53.3%増、セグメント利益は同134.0%増となった。HR事業も前年同期の損失から黒字転換を果たし、保険事業は売上収益が微減となったものの、セグメント損益は改善した。
非継続事業として、HR事業の一部である人材派遣事業(株式会社ヒトタス)を譲渡した影響により、前年同期は損失計上であったが、当期は売却益の計上等により黒字化している。
株主還元としては、2025年10月期の年間配当予想を37.80円としている。
全体として、継続事業の好調が業績を牽引し、投資家目線ではポジティブな決算発表であったと評価できる。
株式会社アシロの2025年10月期第3四半期連結累計期間の業績は、売上収益が前年同期比53.0%増の5,046百万円、営業利益が同537.1%増の1,179百万円、税引前四半期利益が同562.7%増の1,174百万円、四半期利益が同2994.3%増の754百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が同大幅増(前年同期は22,657千円の損失)となった。これは、主力のメディア事業における新規顧客獲得と既存顧客維持に注力した結果、掲載枠数および掲載顧客数が順調に増加したこと、また、転職メディア「キャリズム」の案件数増加が寄与したためである。HR事業においては、人材紹介事業が効率化により黒字転換し、保険事業は新商品のリリース等により今後の成長が見込まれる。非継続事業となった人材派遣事業の譲渡益も業績に貢献した。
指標 | 2025年10月期(累計) | 2024年10月期(累計) | 前年同期比 |
---|---|---|---|
売上収益 | 5,046億円 | 3,298億円 | 53.0% |
営業利益 | 1,179億円 | 185億円 | 537.1% |
税引前利益 | 1,174億円 | 185億円 | 562.7% |
四半期利益 | 754億円 | △3億円 | 562.7%増 |
親会社の所有者に帰属する四半期利益 | 815億円 | △22億円 | 562.7%増 |
メディア事業は、全社売上収益の大部分を占める。リーガルメディアにおいては、新規顧客開拓と解約率の引き下げに注力した結果、掲載枠数は前年同月比21.7%増加し3,498枠、掲載顧客数は同8.0%増加し1,196件となった。派生メディアにおいては、企業の採用意欲の高まりを背景に、転職メディア「キャリズム」の案件数が増加し、問合せ数は前年同期比23.2%増加の81,806件となった。これらの結果、メディア事業の売上収益は前年同期比53.3%増の4,755百万円、セグメント利益は同134.0%増の1,585百万円となった。
HR事業においては、人材紹介事業が効率性を重視した体制により、売上収益は前年同期比72.2%増の238百万円、セグメント利益は前年同期の損失から50百万円の黒字となった。なお、株式会社ヒトタスの譲渡に伴う人材派遣事業は非継続事業に分類されている。
保険事業においては、新商品の開発に注力し、2025年7月1日付で新商品をリリースしたが、本格的な販売は来期以降となる見込みである。売上収益は前年同期比8.4%減の52百万円となったものの、セグメント損益は前年同期比で改善し、100百万円の損失となった。
株式会社アシロは、2025年4月30日に株式会社ヒトタスの全株式を同社代表取締役の鈴木輝氏に譲渡した。これにより、HR事業のうちヒトタスが営む人材派遣事業は非継続事業に分類された。この譲渡は、経営資源の最適化と、より成長が見込める事業への集中を目的としたものと考えられる。
2025年10月期の連結業績予想は、売上収益6,541百万円(前年比36.3%増)、営業利益1,378百万円(同319.1%増)、税引前利益1,374百万円(同331.1%増)、当期利益886百万円(同592.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益919百万円(同546.3%増)と、大幅な成長を見込んでいる。第3四半期累計での進捗率は、売上収益が約77%、営業利益が約85%、税引前利益が約85%、四半期利益が約85%、親会社の所有者に帰属する四半期利益が約85%となっており、順調に進捗している。
指標 | 通期予想 | 進捗率(3Q) |
---|---|---|
売上高 | 6,541億円 | 77% |
営業利益 | 1,378億円 | 85% |
税引前利益 | 1,374億円 | 85% |
四半期利益 | 886億円 | 85% |
親会社の所有者に帰属する四半期利益 | 919億円 | 85% |
該当する決算発表は第3四半期決算のため、本セクションは削除する。
2025年10月期第3四半期連結会計期間末の資産合計は4,622百万円となり、前期末に比べ増加した。これは主に現金及び現金同等物の増加によるものである。負債合計は1,683百万円となり、前期末に比べ減少した。資本合計は2,938百万円となり、前期末に比べ増加した。これは主に四半期利益の計上による利益剰余金の増加によるものである。
営業活動によるキャッシュ・フローは1,027百万円の資金流入となり、前年同期比で大幅に増加した。これは、税引前四半期利益の増加、仕入債務及びその他の債務の増加などが主な要因である。投資活動によるキャッシュ・フローは46百万円の資金流出となった。財務活動によるキャッシュ・フローは339百万円の資金流出となった。
株式会社アシロの2025年10月期第3四半期決算は、継続事業、特にメディア事業の堅調な成長が顕著であり、投資家にとって非常にポジティブな内容であったと言える。売上収益、営業利益ともに大幅な増加を達成し、過去最高水準の業績を更新したことは、同社の事業モデルの強さと実行力を示している。メディア事業における掲載枠数・顧客数の増加や、HR事業の黒字転換は、今後の更なる成長基盤の強化を示唆している。
非継続事業となった人材派遣事業の譲渡は、一時的な影響はあるものの、本業へのリソース集中を可能にし、収益性の向上に寄与すると考えられる。これにより、企業全体の財務体質も改善され、より効率的な経営が可能となるだろう。
通期業績予想も上方修正されており、この勢いが継続すれば、さらなる企業価値向上に繋がる可能性が高い。特に、メディア事業における新規顧客獲得や既存顧客維持の取り組み、そしてHR事業の黒字化は、持続的な成長戦略の成功を示唆している。
株主還元においては、配当予想の引き上げは、企業成長に対する自信の表れとも受け取れる。自己株式取得や株主優待に関する情報はないものの、今後の業績動向によっては、株主還元策の拡充も期待できる。
総じて、株式会社アシロは、市場環境の変化に柔軟に対応しつつ、コア事業の強化と新規事業の育成を両立させることで、着実な成長を遂げている。今後の事業展開においても、その成長軌道は維持されると予想され、投資家にとっては魅力的な投資対象であり続けるだろう。
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