株式会社ジェイックは、2026年1月期第2四半期(中間期)において、売上高2,305,688千円(前年同期比11.3%増)、営業利益115,754千円(前年同期比73.9%増)、経常利益110,022千円(前年同期比70.2%増)、親会社株主に帰属する中間純利益63,165千円(前年同期比159.9%増)を達成した。EBITDAは190,857千円(前年同期比36.2%増)となった。 新卒事業および教育研修事業の堅調な成長が業績を牽引した。特に、新卒カレッジ®事業は大学との連携強化や早期支援の強化により売上高が堅調に推移した。教育研修事業では、デール・カーネギーの研修プログラムの拡販が奏功し、過去最高の研修受注額を記録した。 株主還元としては、2026年1月期の年間配当予想は45.00円となっている。自己株式の取得に関する記載は確認されなかった。 全体として、堅調な業績成長を示しており、投資家目線ではポジティブな決算発表であったと評価できる。
株式会社ジェイックの2026年1月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高が前年同期比11.3%増の2,305,688千円となった。これは、新卒事業および教育研修事業の堅調な成長が主な要因である。営業利益は同73.9%増の115,754千円、経常利益は同70.2%増の110,022千円と大幅に増加した。親会社株主に帰属する中間純利益は同159.9%増の63,165千円となった。EBITDAは同36.2%増の190,857千円となり、収益性の改善が顕著に見られた。
指標 | 2026年1月期(累計) | 2025年1月期(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 2,305,688百万円 | 2,070,915百万円 | 11.3% |
EBITDA | 190,857百万円 | 140,451百万円 | 36.2% |
営業利益 | 115,754百万円 | 66,580百万円 | 73.9% |
経常利益 | 110,022百万円 | 64,642百万円 | 70.2% |
純利益 | 63,165百万円 | 24,299百万円 | 159.9% |
カレッジ事業は、全社売上高の40.2%を占める。 2026年1月期中間連結会計期間において、カレッジ事業の売上高は926,540千円(前年同期比8.9%増)となった。これは、若手育成のノウハウを活用し、主に20代の未就業者や学生に対して研修を実施した後に中堅中小企業を中心とした企業に紹介する「教育融合型」の人材紹介サービス「就職カレッジ®」の堅調な推移によるものである。中退者専用コースなども提供しており、多様なニーズに対応している。求人数はコロナ禍以前の水準まで回復しており、求職者の集客強化やマーケティング施策の強化、歩留まりの改善に引き続き努めている。
新卒事業は、全社売上高の34.5%を占める。 2026年1月期中間連結会計期間において、新卒事業の売上高は796,269千円(前年同期比3.0%増)となった。大学のキャリア課と提携し、大学4年生に対して研修を実施した後に中堅中小企業等を紹介する「新卒カレッジ®」に加え、適性診断を組み込んだ就活サイト「Future Finder®」や、子会社の株式会社キャンパスサポートを通じた大学3年生向け合同企業説明会などを提供し、就職活動の時期に応じた複数の支援サービスを提供している。堅調な採用需要に応えるべく、サービス構造およびサービス間の連携強化に努めている。
教育研修事業その他は、全社売上高の25.3%を占める。 2026年1月期中間連結会計期間において、売上高は582,878千円(前年同期比30.4%増)となった。これは、一部地域を除く日本国内でのデール・カーネギーの研修プログラムの拡販に注力し、過去最高の研修受注額となったことが寄与している。その他、目標達成メソッドである「原田メソッド®」や、リーダーシップ・コミュニケーション研修なども提供しており、インハウス型研修やお一人で参加できるオープンセミナー形式で提供している。また、子会社の株式会社Kakedasを通じてキャリア面談のプラットフォームサービスも提供している。
2026年1月期中間連結会計期間において、株式会社エフィシエントを新たに連結子会社化した。これにより、連結開始時の資産及び負債の内訳が公表されている。流動資産8,696千円、固定資産904千円、のれん66,369千円、流動負債△4,820千円、固定負債△1,150千円、株式の取得価額70,000千円であった。この取引により、自己株式が4,260千円減少し、資本剰余金が5,164千円増加した。
2026年1月期の通期の連結業績予想は、2025年3月14日に公表された予想から変更はない。
指標 | 通期予想 | 進捗率(2Q) |
---|---|---|
売上高 | 4,705百万円 | 48.9% |
EBITDA | 447百万円 | 42.4% |
営業利益 | 299百万円 | 38.7% |
経常利益 | 289百万円 | 38.0% |
純利益 | 140百万円 | 45.1% |
該当する決算発表は第2四半期決算のため、通期業績予想の記載はない。
当中間連結会計期間末の総資産は3,238,418千円となり、前連結会計年度末に比べて407,567千円増加した。これは主に現金及び預金の増加によるものである。負債合計は2,245,676千円となり、前連結会計年度末に比べて378,095千円増加した。純資産合計は992,741千円となり、前連結会計年度末に比べて29,471千円増加した。 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益の増加などにより、109,548千円となった。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出の増加などにより、△41,083千円となった。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる収入や長期借入れによる収入の増加、配当金の支払などにより、286,473千円となった。期末の現金及び現金同等物は1,761,203千円となった。
株式会社ジェイックは、2026年1月期通期連結業績予想に変更はないものの、第2四半期(中間期)において堅調な業績を達成した。特に、新卒採用市場の回復基調と、同社が強みを持つ教育融合型人材紹介サービス「新卒カレッジ®」の展開が奏功し、売上高、利益ともに大幅な増加を示したことは、今後の成長に対する期待を高める要因となる。また、教育研修事業においても、デール・カーネギープログラムの拡販が過去最高の研修受注額に繋がったことは、同社の研修コンテンツの競争力の高さを裏付けるものであり、今後の収益拡大に貢献する可能性が高い。 一方で、外部環境としては、地政学リスクや中国経済の減速、原材料価格の高止まり、為替変動など、依然として不透明感が漂う。このような状況下で、同社が安定的に成長を続けるためには、人材紹介事業における顧客基盤の拡大と、教育研修事業における新たなプログラム開発やサービス提供チャネルの拡充が鍵となるだろう。 特に、新卒採用市場においては、企業側の採用意欲は依然として高く、優秀な人材の獲得競争は激化すると予想される。同社は、大学との連携強化や早期支援の拡充を通じて、学生と企業双方にとって価値のあるマッチングを提供し続けることが求められる。 また、教育研修事業においては、企業のリスキリングやアップスキリングへのニーズの高まりを捉え、より付加価値の高い研修プログラムを提供していくことが重要となる。 株主還元については、配当予想に変更はないものの、今後の業績動向によっては増配の可能性も期待される。自己株式取得に関する情報は現時点では確認されていないが、株主価値向上に向けた施策の検討も注視したい。 総じて、株式会社ジェイックは、変化の激しい経済環境下においても、強固な事業基盤と成長戦略に基づき、持続的な成長を遂げるポテンシャルを有していると評価できる。投資家にとっては、同社の事業展開と市場環境の変化を注視しつつ、中長期的な企業価値向上への期待を抱かせる決算発表であったと言えるだろう。
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