アイ・ケイ・ケイホールディングス株式会社の2025年10月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比4.1%減の15,861百万円、営業利益は同53.0%減の717百万円、経常利益は同51.4%減の753百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同56.2%減の437百万円となった。ウェディング業界は結婚適齢期人口の減少という構造的な課題があるものの、結婚件数の増加や挙式・披露宴件数の底堅さから、市場は概ね堅調に推移している。同社は、この状況下で、スタッフの人間力・接客力向上、独自の営業支援システム活用、ブランド化推進による価値向上と集客力・受注力拡大に努めた。しかし、婚礼事業における施行組数の減少や人件費等の増加が業績に影響した。配当については、2025年10月期は年間24円の配当を予想している。全体として、厳しい事業環境の中、一部事業での減収減益が見られたものの、今後の成長に向けた取り組みも進めている。
2025年10月期第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が前年同期比4.1%減の15,861百万円となった。これは、主に婚礼事業における既存店の施行組数減少が影響した。営業利益は同53.0%減の717百万円、経常利益は同51.4%減の753百万円と大幅な減少となった。これは、売上総利益の減少に加え、販売費及び一般管理費の増加が主な要因である。親会社株主に帰属する四半期純利益は同56.2%減の437百万円となった。これは、営業利益の減少に加え、法人税等の増加が影響した。連結財政状態においては、総資産は前連結会計年度末に比べ2,427百万円減少し18,271百万円となった。負債は同2,392百万円減少し7,688百万円となった。純資産は同34百万円減少し10,583百万円となった。自己資本比率は6.6ポイント上昇し57.7%となった。
指標 | 2025年10月期(累計) | 2024年10月期(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 15,861億円 | 16,533億円 | △4.1% |
営業利益 | 717億円 | 1,527億円 | △53.0% |
経常利益 | 753億円 | 1,551億円 | △51.4% |
EBITDA | 確認されていない | 確認されていない | 確認されていない |
純利益 | 437億円 | 998億円 | △56.2% |
婚礼事業は、全社売上高の大部分を占める。当第3四半期連結累計期間の売上高は14,620百万円で、前年同期比5.8%減となった。これは、施行単価が増加したものの、既存店の施行組数が減少したことが主な要因である。人件費等の増加により、営業利益は597百万円となり、前年同期比56.0%減となった。同社は、結婚式に対する価値観の多様化に対応するため、スタッフの人間力・接客力向上に注力し、独自の営業支援システムを活用した情報収集・分析、ブランド化推進による価値向上、集客力・受注力の拡大に努めている。しかし、市場環境の変化やコスト増加の影響を受け、厳しい状況が続いている。
介護事業の売上高は493百万円で、前年同期比4.6%増となった。営業利益は1百万円で、同43.1%増となった。
食品事業の売上高は324百万円で、前年同期比44.1%増となった。しかし、スイーツラボの新設や人件費等の増加により、営業損失は38百万円となった(前年同期は35百万円の営業利益)。
フォト事業の売上高は664百万円で、前年同期比34.6%増となった。施行組数が増加したことが主な要因である。人件費等の増加により、営業利益は149百万円となり、同11.0%増となった。
当社は、2025年8月28日開催の取締役会において、子会社「IKK United Link株式会社(仮称)」を設立することを決議した。設立の目的は、婚礼事業で培った高い接客力・ホスピタリティを基に、海外人財事業を展開することである。深刻化する国内人材不足への対応と新たな成長領域の開拓を目指し、海外人財の採用、教育、受入支援までを一貫して行う体制を構築し、サービス品質と事業スピードの向上を図ることで社会課題の解決に貢献する。新会社の資本金は50,000千円、設立年月日は2025年10月1日(予定)であり、出資比率は当社が93%となる。
2024年12月12日に公表された通期の連結業績予想に変更はない。
指標 | 通期予想 | 進捗率(3Q) |
---|---|---|
売上高 | 22,900億円 | △1.6% |
営業利益 | 1,800億円 | △27.7% |
経常利益 | 1,805億円 | △28.5% |
純利益 | 1,110億円 | △34.8% |
該当する決算発表は第3四半期決算のため、本セクションは記載しない。
総資産は、前連結会計年度末に比べ2,427百万円減少し18,271百万円となった。これは主に、現金及び預金が3,142百万円、有形固定資産が230百万円それぞれ減少し、流動資産その他が332百万円、投資その他の資産その他が823百万円それぞれ増加したことによる。負債は、前連結会計年度末に比べ2,392百万円減少し7,688百万円となった。これは主に、買掛金が360百万円、未払法人税等が391百万円、流動負債その他が587百万円、長期借入金が923百万円それぞれ減少したことによる。純資産は、前連結会計年度末に比べ34百万円減少し10,583百万円となった。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益437百万円の計上による増加及び自己株式の売却等による253百万円の増加と剰余金の配当703百万円による減少による。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ6.6ポイント上昇し57.7%となった。キャッシュフローについては、当第3四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていない。
アイ・ケイ・ケイホールディングス株式会社の2025年10月期第3四半期決算は、売上高、利益ともに前年同期比で減少しており、投資家目線ではネガティブな印象を受ける可能性がある。特に婚礼事業における施行組数の減少と人件費等の増加は、収益性の悪化に直結している。しかしながら、同社は結婚式に対する価値観の多様化に対応するため、スタッフの人間力・接客力向上や独自の営業支援システム活用、ブランド化推進といった取り組みを継続しており、これらの施策が将来的な収益改善に繋がるかどうかが注目される。また、介護事業やフォト事業における増収は、事業ポートフォリオの多様化という点ではポジティブな要素と言える。食品事業における損失は懸念材料であるが、スイーツラボの新設など将来への投資と捉えることもできる。
最も注目すべきは、新たに設立される子会社「IKK United Link株式会社」を通じた海外人財事業への進出である。国内人材不足という社会課題に対応し、新たな成長領域を開拓する戦略は、長期的な企業価値向上に繋がる可能性を秘めている。この海外人財事業が、婚礼事業の減収を補い、新たな収益の柱となることが期待される。
通期業績予想に変更がないことは、現時点での見通しに対する自信の表れとも解釈できるが、第3四半期までの実績を踏まえると、下期における業績回復のペースが重要となる。投資家としては、今後の具体的な施策の進捗と、それが業績にどのように反映されるかを注視していく必要がある。特に、海外人財事業の立ち上げと、それが早期に収益に貢献できるかどうかが、今後の株価動向を左右する重要なポイントとなるだろう。全体として、厳しい短期的な業績を踏まえつつも、新たな事業展開による将来への期待感も併せ持つ決算と言える。
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