株式会社プロレド・パートナーズの2025年10月期第3四半期連結累計期間の決算は、売上高が前年同期比109.6%増の83.70億円、営業利益が同140.7%増の31.62億円、経常利益が同98.1%増の31.54億円と大幅な増収増益を達成した。しかし、親会社株主に帰属する四半期純利益は△0.21億円の損失を計上し、前年同期の4.12億円の利益から赤字転落となった。この純利益の赤字転落は、主にファンド事業における株式売却益が計上されたものの、コンサルティング事業の営業損失が影響したと推測される。全体としては、ファンド事業の好調が業績を牽引し、売上高と利益面で大幅な成長を見せたものの、純利益の赤字転落は投資家にとってネガティブな要素となる可能性がある。配当については、2025年10月期の年間配当予想は0.00円と発表されており、株主還元策としては配当は実施されない見込みである。
2025年10月期第3四半期連結累計期間の全社業績は、ファンド事業の好調に牽引され、売上高、営業利益、経常利益において前年同期を大幅に上回る結果となった。特に売上高は前年同期比109.6%増、営業利益は同140.7%増と高い成長率を示した。これは、ファンド事業における株式売却益が売上高に計上されたことによる影響が大きい。一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益は△0.21億円の損失となり、前年同期の利益から赤字に転落した。これは、コンサルティング事業の営業損失が影響していると見られる。
指標 | 2025年10月期3Q(累計) | 2024年10月期3Q(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 83.70億円 | 39.93億円 | 109.6% |
営業利益 | 31.62億円 | 13.14億円 | 140.7% |
経常利益 | 31.54億円 | 15.92億円 | 98.1% |
純利益 | △0.21億円 | 4.12億円 | △56.1% |
コンサルティング事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は29.83億円であり、全社売上高の約35.6%を占める。前年同期比では22.1%増と増収を達成したものの、営業損失は△8.32億円を計上し、前年同期の1.67億円の営業利益から赤字に転落した。この事業では、国内屈指の実績を持つ成果報酬型コストマネジメント・コンサルティング及び有償契約の前に「投資フェーズ」を設ける成功報酬型コンサルティングを中心に事業成長に取り組んでいる。しかし、インフレ進行に伴う値上げの影響が継続し、コスト削減の実現が困難な厳しい事業環境が続いている。これに対し、コストマネジメントに対する需要や、成果報酬型ではサービス提供が難しい企業活動への様々な支援に対する需要は依然として高い状況にある。これらの需要に応えるため、固定報酬型のコンサルティング・サービスにおいて有償契約の前に「投資フェーズ」を設ける新たなコンサルティング・サービスのモデルである成功報酬型コンサルティングの確立と拡大に注力している。引き続き成果報酬型コストマネジメント・コンサルティングの立て直しに加え、成功報酬型コンサルティング・サービス拡大による事業成長により、成長軌道への回帰を目指す事業運営を行っている。また、コンサルティング事業の拡大に向けて積極的な採用活動を行った結果、当第3四半期連結会計期間末における従業員数は前連結会計年度比77名増の324名となった。
ファンド事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は53.88億円であり、全社売上高の約64.4%を占める。前年同期比では247.6%増と大幅な増収を達成し、営業利益は39.95億円を計上し、前年同期比248.3%増と大幅な増益となった。この好調な業績は、ドルフィン1号投資事業有限責任組合にて保有する株式の売却があったことが主な理由である。2025年4月に新たなファンドを組成したことに伴い、今後ファンド事業に関する取り組みを強化し、投資規模を拡大する予定である。これにより、ファンド事業は同社グループの主要な成長ドライバーとしての役割を担うことが期待される。
ファンド事業において、ドルフィン1号投資事業有限責任組合にて保有する株式の売却があったため、当該売却に伴う損益が発生した。また、当社グループは、グループ会社であるブルパス・キャピタルにおいてファンド事業を営んでおり、2025年4月に新たなファンドを組成したことに伴い、今後ファンド事業に関する取り組みを強化し、投資規模を拡大することを予定している。この動きは、ファンド事業が同社の主要な成長戦略の一つとして位置づけられていることを示唆しており、今後の事業拡大と収益貢献が期待される。
2025年10月期の連結業績予想は、2025年10月期第2四半期よりセグメント開示を開始したことに伴い、通期業績予想を修正した。修正後の通期業績予想に対して、第3四半期累計の実績は売上高で約89.0%、営業利益で約115.4%、経常利益で約114.9%の進捗率となっている。営業利益と経常利益は既に通期予想を上回っており、売上高も高い進捗率を示していることから、通期業績は堅調に推移する見込みである。しかし、純利益は通期予想が△4.06億円の損失であるのに対し、第3四半期累計で△0.21億円の損失を計上しており、進捗率は約5.2%と低い水準にとどまっている。
指標 | 通期予想 | 進捗率(3Q) |
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売上高 | 94.07億円 | 89.0% |
営業利益 | 27.40億円 | 115.4% |
経常利益 | 27.41億円 | 114.9% |
純利益 | △4.06億円 | 5.2% |
当第3四半期連結会計期間末における総資産は145.80億円となり、前連結会計年度末に比べ14.65億円増加した。純資産は125.22億円となり、前連結会計年度末に比べ11.98億円増加した。自己資本比率は47.4%であり、前連結会計年度末の48.1%からわずかに低下した。資産の増加は主に、投資有価証券が9.59億円、敷金及び保証金が2.35億円増加したことによる固定資産の増加と、営業投資有価証券が3.19億円増加したことによる流動資産の増加が要因である。負債は2.06億円増加し、主に繰延税金負債が2.94億円増加した一方で、長期借入金が1.64億円減少した。純資産の増加は、その他有価証券評価差額金が6.16億円、非支配株主持分が5.91億円増加したことによるものであり、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が0.21億円減少した影響を相殺している。なお、当第3四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていない。
株主還元については、以下の状況である。
株式会社プロレド・パートナーズの今後の見通しは、ファンド事業の成長とコンサルティング事業の立て直しが鍵となる。2025年10月期第3四半期累計期間の業績は、ファンド事業における株式売却益が大きく貢献し、売上高と営業利益は大幅な増益を達成した。特に営業利益と経常利益は既に通期予想を上回っており、通期での増益は確実視される。これは投資家にとって非常にポジティブな要素である。
しかし、親会社株主に帰属する四半期純利益が△0.21億円の損失となり、通期予想も△4.06億円の損失を見込んでいる点は、投資家にとって懸念材料となる。この純損失は、コンサルティング事業の営業損失が主な要因であると推測される。コンサルティング事業は、インフレによるコスト削減の困難さという厳しい事業環境に直面しており、この事業の立て直しが急務である。同社は、成功報酬型コンサルティング・サービスの拡大や積極的な採用活動を通じて、成長軌道への回帰を目指している。これらの施策が奏功し、コンサルティング事業が黒字化に向かえば、純利益の改善に大きく寄与するだろう。
一方、ファンド事業は、2025年4月に新たなファンドを組成し、今後投資規模を拡大する予定であり、同社の主要な成長ドライバーとしての役割を強化する見込みである。この戦略的な動きは、将来的な企業価値向上に繋がる可能性を秘めている。ファンド事業の収益は変動性が高いものの、適切な投資戦略と出口戦略が実行されれば、安定的な収益源となり得る。
財務状態は、総資産、純資産ともに増加しており、自己資本比率も47.4%と健全な水準を維持している。これは、今後の事業拡大に向けた投資余力があることを示唆しており、ポジティブな側面である。
総合的に見ると、ファンド事業の好調と戦略的な拡大は企業価値向上に大きく貢献する可能性があり、投資家にとってはポジティブな見通しである。しかし、コンサルティング事業の赤字からの脱却と、それに伴う純利益の黒字化が今後の重要な課題となる。通期業績予想の純損失をいかに縮小し、将来的には黒字転換できるかが、投資家の評価を左右する重要なポイントとなるだろう。
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