コーセル株式会社の2026年5月期第1四半期連結累計期間の決算は、受注高が前年同期比25.4%増の51.00億円と回復基調を示したものの、売上高は同39.6%減の50.75億円と大幅に減少した。利益面では、売上高の減少に伴い収益力が低下し、営業利益は前年同期の5.78億円の黒字から3.89億円の損失に転落。経常利益も前年同期の4.64億円の黒字から0.79億円の損失となり、親会社株主に帰属する四半期純利益も前年同期の2.93億円の黒字から0.68億円の損失を計上した。これは、顧客の在庫過多による発注調整や需要調整局面の継続が主な要因である。一方で、LITEON TECHNOLOGY CORPORATIONとの連携による新ブランド「COSELSYNC.」製品の発表や新製品の市場投入など、将来に向けた取り組みは継続している。株主還元については、剰余金の配当として11.51億円を実施した。全体として、第1四半期の業績は大幅な減収減益、赤字転落となり、投資家にとってはネガティブな内容であった。
当第1四半期連結累計期間の全社業績は、世界経済の底堅い成長にもかかわらず、エレクトロニクス業界における需要調整局面の継続や顧客の在庫過多の影響を大きく受け、大幅な減収減益となった。特に、売上高の減少が利益を圧迫し、営業利益、経常利益、純利益のいずれも損失を計上する結果となった。受注高は増加したものの、売上への貢献は限定的であり、今後の回復が課題となる。
指標 | 2026年5月期1Q(累計) | 2025年5月期1Q(累計) | 前年同期比 |
---|---|---|---|
売上高 | 50.75億円 | 84.09億円 | △39.6% |
営業利益 | △3.89億円 | 5.78億円 | △167.2% |
経常利益 | △0.79億円 | 4.64億円 | △117.0% |
純利益 | △0.68億円 | 2.93億円 | △123.2% |
日本生産販売事業は全社売上高の52.2%を占める。日本国内ではAI活用による社会のデジタル化推進を背景に、一部の半導体製造装置関連で需要回復と在庫消化が進む傾向にあるものの、顧客の多くは在庫過多の影響で発注調整を継続しており、新規受注の回復が遅れ、売上高が減少した。外部顧客への売上高は26.51億円(前年同期比52.8%減)となり、セグメント損失は2.91億円(前年同期はセグメント利益4.37億円)を計上した。営業活動においては、引き続き販売店との情報共有強化を図り、新製品拡販を中心に訪問営業による拡販活動に注力するとともに、LITEON製品のクロスセルも推進している。
北米販売事業は全社売上高の6.2%を占める。米国では、前連結会計年度の増産対応に伴う出荷により、顧客での在庫過多が継続しており、加えて米国関税政策による先行きの不透明感から、需要の調整局面が継続した。顧客での発注調整により新規受注が減少し、その結果、売上高は大幅に減少した。外部顧客への売上高は3.13億円(前年同期比35.4%減)となり、セグメント損失は0.15億円(前年同期はセグメント利益0.56億円)を計上した。営業活動においては、引き続きセールスレップとの連携を図りつつ、新製品の動画を用いたプロモーション強化等、拡販活動に注力している。また、COSELSYNC.製品及びLITEON製品の拡販活動にも注力した。
ヨーロッパ生産販売事業は全社売上高の29.9%を占める。ヨーロッパでは、景気の不透明感はやや後退したものの、需要の調整局面が継続している。顧客での発注調整により新規受注については横ばいとなったが、売上高については前年同期と同水準で推移した。外部顧客への売上高は15.20億円(前年同期比1.3%増)となり、セグメント損失は1.84億円(前年同期はセグメント損失1.74億円)を計上した。営業活動においては、訪問営業とテレワークの両面で拡販活動を増やしている。
アジア販売事業は全社売上高の11.6%を占める。アジアにおいては、米中間の関税動向の影響により需要調整局面が継続しており、先行きの不透明感から受注が減少した。売上高は増加した顧客はいるものの、顧客全体としては減少した。外部顧客への売上高は5.89億円(前年同期比26.3%減)となり、セグメント利益は0.17億円(前年同期比39.8%減)を計上した。営業活動については、新規開拓及び新製品拡販のためのウェブマーケティングに継続して取り組んでいる。
中国生産販売事業は全社売上高の0%を占める。中国生産事業においては、既存製品及び前連結会計年度に市場投入した新製品の受注が低調に推移した影響で、生産活動が減少している。受注回復傾向は見られず、売上高も減少した。外部顧客への売上高は0億円(前年同期比29.9%減)となり、セグメント損失は0.13億円(前年同期はセグメント利益0.65億円)を計上した。生産活動の中では、当事業において生産性の向上、品質の改善、コスト削減に注力し、生産改善活動を推進している。
LITEON TECHNOLOGY CORPORATIONとの連携活動を推進し、新ブランド「COSELSYNC.」製品第一弾となる「CXLAシリーズ」を発表した。これにより、LITEONとの共同開発を加速させ、COSELSYNC.製品及びLITEON製品の拡販活動に努めている。この提携は、両社の技術と販売網を組み合わせることで、新たな市場機会の創出と製品ラインナップの強化に繋がり、中長期的な企業価値向上に貢献する可能性がある。
2025年6月18日に公表された2025年5月期決算短信における第2四半期連結累計期間及び通期の連結業績予想に変更はない。第1四半期時点での進捗率は売上高が15.2%、営業利益が△14.8%、経常利益が△2.8%、純利益が△3.6%と、通期予想に対して低調な推移となっている。
指標 | 通期予想 | 進捗率(1Q) |
---|---|---|
売上高 | 333.25億円 | 15.2% |
営業利益 | 26.26億円 | △14.8% |
経常利益 | 27.73億円 | △2.8% |
純利益 | 19.07億円 | △3.6% |
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は469.07億円となり、前
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