株式会社トラース・オン・プロダクトの2026年1月期第2四半期(中間期)決算は、売上高が前年同期比52.3%増の247百万円となった。これは、TRaaS事業におけるデジタルサイネージプラットフォーム「CELDIS」の導入拡大や、受注型Product事業におけるSTB等の引き合い増加が牽引した結果である。しかし、営業損失は33百万円(前年同期は182百万円の損失)、経常損失は21百万円(前年同期は181百万円の損失)、中間純損失は38百万円(前年同期は204百万円の損失)となり、赤字決算となった。これは、TRaaS事業におけるAI電力削減ソリューション「AIrux8」の導入検討に時間を要していることや、テクニカルサービス事業における大型システム開発案件の前期反動による売上減少が影響した。
株主還元については、2026年1月期(予想)の配当は0円となっている。自己株式取得に関する記載は確認されていない。
本決算発表は、売上高の増加はポジティブな要素であるものの、依然として赤字決算が続いていることから、投資家目線ではネガティブな側面が強いと判断される。
株式会社トラース・オン・プロダクトの2026年1月期第2四半期(中間期)の業績は、売上高が前年同期比52.3%増の247,062千円となった。これは、主にTRaaS事業におけるデジタルサイネージプラットフォーム「CELDIS」の導入拡大や、受注型Product事業におけるSTB等の引き合い増加が牽引した結果である。しかし、営業損失は3,319千円(前年同期は18,235千円の損失)、経常損失は2,150千円(前年同期は18,129千円の損失)、中間純損失は3,870千円(前年同期は20,424千円の損失)となり、赤字決算となった。これは、TRaaS事業におけるAI電力削減ソリューション「AIrux8」の導入検討に時間を要していることや、テクニカルサービス事業における大型システム開発案件の前期反動による売上減少が影響した。
指標 | 2026年1月期(中間期) | 2025年1月期(中間期) | 前年同期比 |
---|---|---|---|
売上高 | 247百万円 | 162百万円 | 52.3% |
営業利益 | △3百万円 | △18百万円 | △83.3% |
経常利益 | △2百万円 | △18百万円 | △88.9% |
純利益 | △3百万円 | △20百万円 | △85.0% |
TRaaS事業は全社売上高の約39.6%を占める。AI電力削減ソリューション「AIrux8」については、導入検討が進んでおり、消費電力削減効果や機能性を確認しながら商談を進めている。プロジェクト規模が大きくなる傾向にあるため、時間をかけて顧客のニーズに応じた提案を行っている。「店舗の星」については、海外での実績を踏まえ、システムアップデートやお客様レビュー機能の開発を計画しており、OMOソリューションとしての地位確立を目指す。デジタルサイネージプラットフォーム「CELDIS」は、大手携帯キャリアショップ約2,000店舗への採用決定により、導入が着実に進行した。結果として、売上高は97,944千円(前年同期比166.3%増)、セグメント利益は46,509千円(同44.3%増)となった。
受注型Product事業は全社売上高の約30.4%を占める。ホテル、飲食店等のホスピタリティ市場の回復により、お客様からのSTB等の引き合いが増加し、堅調に推移した。結果として、売上高は75,052千円(前年同期比95.8%増)、セグメント利益は40,467千円(同58.9%増)となった。
テクニカルサービス事業は全社売上高の約29.9%を占める。前期より継続の大型システム開発案件が当第4四半期にローンチ予定のため開発工数が減少しており、前期反動により売上は前年同期比で減少しているものの、エンジニア派遣ビジネスは堅調に推移した。結果として、売上高は74,065千円(前年同期比14.9%減)、セグメント利益は28,626千円(同32.8%減)となった。
株式会社トラース・オン・プロダクトは、2025年8月21日開催の取締役会において、株式会社アクスト東日本の全株式を取得し、100%子会社化することを決議した。アクスト東日本は無線呼び出しチャイムの卸売事業を展開しており、20年以上の業歴を持つ。今回の企業結合により、アクスト東日本が持つ顧客ネットワークと、当社のIoT技術及びサービスとのクロスセルによるシナジー効果を期待している。これにより、顧客ごとの個別ニーズや現場課題に応じたIoTソリューションの提供、およびスマートフォンを活用しない高齢者やニッチな業界への営業展開強化を図る。この企業結合は、中長期的な持続的な成長と企業価値向上に繋がると判断されている。
該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)ではないため、このセクションは削除する。
株式会社トラース・オン・プロダクトは、2026年1月期の通期業績予想を、売上高576百万円、営業利益11百万円、経常利益11百万円、当期純利益6百万円としている。これは、前事業年度(2025年1月期)の実績と比較して、売上高は40.0%増、営業利益は127.0%増、経常利益は65.9%増、当期純利益は169.9%増となる見込みである。
指標 | 通期予想 | 前年実績 | 増減率 |
---|---|---|---|
売上高 | 576百万円 | 411百万円 | 40.0% |
営業利益 | 11百万円 | 5百万円 | 127.0% |
経常利益 | 11百万円 | 7百万円 | 65.9% |
純利益 | 6百万円 | 2百万円 | 169.9% |
2026年1月期中間期末の総資産は505,018千円となり、前事業年度末に比べ37,453千円減少した。これは主に、現金及び預金の減少(17,155千円)、受取手形、売掛金及び契約資産の減少(13,319千円)によるものである。負債合計は96,815千円となり、前事業年度末に比べ33,583千円減少した。これは主に、買掛金の減少(25,774千円)によるものである。純資産は408,202千円となり、前事業年度末に比べ3,871千円減少した。これは主に、利益剰余金の減少(3,871千円)によるものである。
営業活動によるキャッシュ・フローは536千円となった。これは、減価償却費の増加(17,055千円)や売上債権の減少(13,318千円)があったものの、仕入債務の減少(25,735千円)や法人税等の支払額(2,705千円)などが影響した。投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得(14,976千円)や有形固定資産の取得(2,170千円)により、17,665千円の支出となった。財務活動によるキャッシュ・フローに関する該当事項はない。
株式会社トラース・オン・プロダクトの2026年1月期第2四半期決算は、売上高の増加という明るい兆しが見られるものの、依然として赤字決算が続いている状況である。特に、TRaaS事業におけるAI電力削減ソリューション「AIrux8」の導入には時間を要しており、これが収益化の足かせとなっている可能性がある。また、テクニカルサービス事業における前期の大型案件の反動減も、短期的な業績の重しとなっている。
しかしながら、同社はBtoB市場向けのモノづくりを基盤としたSaaS月額課金型サービスへの事業転換を加速させており、TRaaS事業におけるデジタルサイネージプラットフォーム「CELDIS」の導入拡大や、受注型Product事業におけるホスピタリティ市場の回復に伴う引き合い増加は、今後の成長に向けたポジティブな兆候と言える。
さらに、今回の株式会社アクスト東日本の買収は、同社の事業領域を拡大し、新たなシナジー効果を生み出す可能性を秘めている。アクスト東日本が持つ顧客ネットワークと、当社のIoT技術との連携により、幅広い顧客層へのサービス提供や、新たなIoTソリューションの開発が期待される。これにより、中長期的な企業価値向上に繋がる可能性が高い。
投資家目線で見ると、現時点では赤字決算が続いているため、短期的な株価への影響は限定的かもしれない。しかし、SaaS事業への転換、アクスト東日本とのシナジー効果、そして今後の事業拡大への期待感から、中長期的な視点ではポジティブな評価も可能である。重要なのは、AI電力削減ソリューションの早期収益化、およびアクスト東日本との統合による具体的な成果を早期に示すことである。これらの点が実現されれば、投資家からの評価は大きく向上するだろう。通期業績予想も前年比で大幅な増収増益を見込んでおり、この予想達成に向けた具体的な進捗が注目される。
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