ダブル・スコープ株式会社の2026年1月期第2四半期(中間期)決算は、売上高が14.5億円(前年同期比△5.0%)、営業損失は28.7億円(前年同期は営業利益10.7億円)となった。これは、EV需要の停滞によるセパレータ事業の販売数量減少や、連結子会社から持分法適用会社へ移行したW-SCOPE CHUNGJU PLANT CO.,LTD.の影響によるものである。イオン交換膜事業は、Posco Argentina S.A.U.へのBPED Substackの交換需要に対する製品供給契約締結や、新規案件の獲得により売上高は増加したが、全体業績をカバーするには至らなかった。親会社株主に帰属する中間純損失は54.3億円となった。株主還元については、配当は実施されていない。本決算発表は、業績の悪化が続いていることから、投資家目線ではネガティブな内容と判断される。
ダブル・スコープ株式会社の2026年1月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高が前年同期比5.0%減の14.5億円となった。これは、主力であるセパレータ事業におけるEV需要の停滞による販売数量の減少や、連結子会社から持分法適用会社へ移行したW-SCOPE CHUNGJU PLANT CO.,LTD.の影響が主な要因である。営業利益は前年同期の10.7億円から28.7億円の損失へと大幅に悪化し、経常利益も41.2億円の損失となった。これは、販売数量の減少に伴う生産量の抑制により変動費・固定費が減少したものの、売上原価等の費用減少額を上回る売上高の減少が影響したためである。親会社株主に帰属する中間純利益は54.3億円の損失となった。
指標 | 2026年1月期(累計) | 2025年1月期(累計) | 前年同期比 |
---|---|---|---|
売上高 | 14.5億円 | 29.1億円 | △5.0% |
営業利益 | △28.7億円 | 10.7億円 | △ |
経常利益 | △41.2億円 | 17.5億円 | △ |
純利益 | △54.3億円 | 12.8億円 | △ |
セパレータ事業は、全社売上高の約58.4%を占める。 2026年1月期第2四半期(中間期)のセパレータ事業の売上高は8.5億円(前年同期比3.1%増)となった。EV需要の停滞により欧州市場での成長鈍化が続いているものの、米国市場でのデータセンター向けESSへの切り替えを進めている。また、新規案件の準備も進めており、下半期からの販売開始を見込んでいる。短期的な利益改善のため、人件費や梱包・運搬費などの削減に取り組んでいる。中長期的には、成膜ラインの新工法導入や自動化システム開発を進め、製造原価の低減を目指している。
イオン交換膜事業は、全社売上高の約41.6%を占める。 2026年1月期第2四半期(中間期)のイオン交換膜事業の売上高は6.0億円(前年同期比56.9%増)となった。昨年出荷が完了したPosco Argentina S.A.U.へのBPED Substackの交換需要に対する製品供給契約が締結され、下半期から製造と出荷を開始する予定である。また、新規案件として、POSCO Pilbara Lithium Solution社向けに双極電気透析(BPED)モジュールの供給を受注した。Posco Argentina S.A.U.社とは、2030年8月まで相互協力関係を強化し、その他の案件についても協力していくこととなった。新規案件についても準備を進めており、今期から順次開始できる見込みである。
ダブル・スコープ株式会社は、イオン交換膜事業における顧客との一部新規契約を締結し、下期以降においても新規契約及び既存交換需要を見込んでいる。また、セパレータ事業においても関連会社であるW-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.の主要顧客であるSamsung SDI社との現状の協議においては2026年以降からの需要の回復を見込んでいる。これらの新規顧客との取引開始や需要回復への期待は、今後の業績にプラスの影響を与える可能性がある。
該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)ではないため、このセクションは削除します。
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2026年1月期第2四半期末の総資産は555.8億円となり、前連結会計年度末に比べ45.0億円減少した。負債は103.4億円となり、純資産は452.4億円となった。これは、主に流動資産の減少(受取手形、売掛金及び契約資産、商品及び製品の減少)および固定資産の減少(投資有価証券の減少)によるものである。キャッシュフローにおいては、営業活動によるキャッシュ・フローは11.0億円のプラスとなったが、投資活動によるキャッシュ・フローは7.6億円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローは3.2億円のマイナスとなった。
ダブル・スコープ株式会社の今後の見通しは、依然として厳しい状況が続くと予想される。セパレータ事業においては、欧州市場でのEV需要の回復が遅れており、米国市場でのデータセンター向けESSへのシフトも本格化には時間を要する見込みである。一方で、イオン交換膜事業においては、Posco Argentina S.A.U.社との契約や新規案件の獲得により、下期以降の売上増加が期待される。しかし、セパレータ事業の業績低迷を完全にカバーするには至らない可能性が高い。
投資家目線で見ると、現状では業績回復の兆しは限定的であり、特にセパレータ事業の不振が続いている点は懸念材料である。イオン交換膜事業の成長が今後の業績を牽引する鍵となるが、その回復ペースや新規案件の進捗状況を注視する必要がある。また、継続企業の前提に関する重要な疑義が生じている状況であり、財務基盤の安定化に向けた取り組みも重要となる。
中長期的には、EV市場の回復や、イオン交換膜事業のさらなる拡大、そして新規事業への展開が期待されるが、現時点では不確実性が高く、慎重な見方が必要である。株主還元についても、現時点では配当等の実施はなく、早期の業績回復と財務基盤の強化が優先されると考えられる。全体として、今後の事業展開や市場環境の変化に大きく左右される状況であり、投資判断には慎重さが求められる。
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