巴工業株式会社は、2025年10月期第3四半期連結決算において、売上高16.6%増、営業利益24.2%増、経常利益23.2%増、親会社株主に帰属する四半期純利益19.9%増と、増収増益を達成した。これは、機械製造販売事業および化学工業製品販売事業の販売が共に伸長したことによる。特に機械製造販売事業では、国内官需および民需向けの販売が好調だったことに加え、海外向け装置・工事および部品・修理の販売が伸長し、売上高は前年同期比29.3%増加した。化学工業製品販売事業でも、鉱産関連の樹脂向け添加剤が大きく伸びた他、化成品関連のコーティング用途向け材料等を中心に販売が伸長し、売上高は前年同期比12.7%増加した。
株主還元においては、2025年10月期第3四半期末の配当予想は1株当たり73円00銭であり、期末配当予想82円00銭と合わせて年間配当予想は145円00銭となる見込みである。なお、2025年5月1日に実施された3分割の株式分割を考慮しない場合、1株当たり期末配当金は78円00銭、年間配当金は151円00銭となる。自己株式取得に関する具体的な情報は確認されなかった。
本決算発表は、堅調な業績の伸びを示しており、投資家目線ではポジティブな内容であったと言える。
巴工業株式会社の2025年10月期第3四半期連結累計期間の業績は、国内外の経済環境が堅調に推移する中、同社グループのグローバルな事業基盤とネットワークを活かし、現中期経営計画の目標達成に向けた取り組みを推進した結果、増収増益を達成した。売上高は前年同期比16.6%増の46,406百万円となり、これは主に機械製造販売事業および化学工業製品販売事業の販売伸長によるものである。営業利益は同24.2%増の4,806百万円、経常利益は同23.2%増の4,854百万円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益も同19.9%増の3,358百万円となった。これらの業績は、両事業における販売拡大と収益性の改善が寄与した結果である。
指標 | 2025年10月期(累計) | 2024年10月期(累計) | 前年同期比 |
---|---|---|---|
売上高 | 46,406百万円 | 39,800百万円 | 16.6% |
営業利益 | 4,806百万円 | 3,869百万円 | 24.2% |
経常利益 | 4,854百万円 | 3,940百万円 | 23.2% |
純利益 | 3,358百万円 | 2,800百万円 | 19.9% |
機械製造販売事業は、全社売上高の約26.2%を占める。当第3四半期連結累計期間において、同事業は好調な受注に支えられ、国内官需および民需向けの販売が全般的に好調だったことに加えて、海外向け装置・工事および部品・修理の販売が伸長した。これにより、売上高は前年同期比29.3%増加し、12,175百万円となった。利益面では、販売が伸長したことから営業利益は前年同期比80.1%増加し、1,997百万円となった。特に、官需においては機械、装置・工事、部品・修理の全ての項目で前年同期を上回る実績を示し、民需においても同様に大幅な増加が見られた。海外事業も、装置・工事および部品・修理の販売が伸長し、全体として堅調な推移を示した。
化学工業製品販売事業は、全社売上高の約73.8%を占める。当第3四半期連結累計期間において、同事業は、半導体製造用途向け材料、合成樹脂関連全般、電子材料関連の半導体組立用途向け材料、工業材料関連の建材・耐火物向けが伸び悩んだものの、鉱産関連の樹脂向け添加剤が大きく伸びた他、化成品関連のコーティング用途向け材料等を中心に販売が伸長した。これにより、売上高は前年同期比12.7%増加し、34,230百万円となった。利益面では、販売が堅調に推移したことから営業利益は前年同期比1.8%増加し、2,808百万円となった。セグメント別では、鉱産関連が大幅に増加し、化成品関連も堅調に推移したが、合成樹脂関連や工業材料関連、機能材料関連、電子材料関連では減少が見られた。
事業/資本提携・M&A等に関する具体的な記載は、本資料中では確認されなかった。
該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)ではないため、このセクションは記載しない。
該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)ではないため、このセクションは記載しない。
当第3四半期連結会計期間末の資産は、現金及び預金が減少した一方、受取手形、売掛金及び契約資産並びに土地の増加等により、前連結会計年度末に比べ1,280百万円増加し54,470百万円となった。負債は、支払手形及び買掛金並びに契約負債が増加した一方、電子記録債務および賞与引当金の減少等により、前連結会計年度末に比べ761百万円減少し13,076百万円となった。純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ2,042百万円増加し41,393百万円となった。これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ2.0ポイント上昇し76.0%となった。キャッシュフローに関する具体的な数値情報は、本資料中では確認されなかった。
巴工業株式会社は、2025年10月期の連結業績予想について、2025年6月6日に公表した予想から変更なく、売上高59,200百万円、営業利益5,300百万円、経常利益5,350百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,760百万円を見込んでいる。これは、前年同期比で売上高13.6%増、営業利益12.7%増、経常利益12.0%増、当期純利益4.0%増という高い成長率を維持する見通しである。
この通期業績予想は、第3四半期までの堅調な業績推移を踏まえると、達成可能性は高いと判断できる。特に、機械製造販売事業および化学工業製品販売事業における国内外での需要の底堅さ、そして同社が強みとするグローバルな事業展開と多様な製品ポートフォリオが、今後の成長を牽引すると考えられる。
投資家目線では、この通期業績予想は非常にポジティブに映る。前年同期比で大幅な増収増益を見込んでおり、これは同社の持続的な成長力と収益性の高さを裏付けるものである。また、株式分割を実施した上でなお高い配当予想を維持している点も、株主還元への積極的な姿勢を示しており、投資妙味を高める要因となるだろう。
今後の見通しとしては、世界経済の動向や地政学リスクなど、外部環境の変化には注意が必要であるものの、同社が掲げる中期経営計画「For Sustainable Future」を着実に実行していくことで、企業価値のさらなる向上に繋がることが期待される。特に、技術革新への対応や、高付加価値製品の開発、そしてグローバル市場でのシェア拡大に向けた戦略が、今後の成長の鍵となるだろう。これらの取り組みが順調に進めば、長期的な視点で見ても、同社への投資は魅力的な選択肢となり得る。
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