tripla株式会社の2025年10月期第3四半期連結累計期間の決算は、営業収益が18.25億円(前年同期比42.8%増)、営業利益が3.25億円(同183.3%増)、経常利益が3.66億円(同316.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が3.08億円(同439.6%増)と、大幅な増収増益を達成した。これは、円安を背景としたインバウンド需要の拡大や賃上げなどの経済回復基調に加え、ホスピタリティソリューション事業における積極的な機能改善と海外展開が奏功した結果である。特に、主力サービスである「tripla Book」の施設数が前連結会計年度末より692施設増加し3,645施設に、また「tripla Bot」の施設数も234施設増加し2,057施設となるなど、KPIも順調に推移している。通期業績予想は据え置きだが、第3四半期時点での進捗率は売上高で65.89%、純利益で76.43%と堅調な推移を見せている。株主還元については、年間配当金は0.00円の予想であり、自己株式は81株を保有している。全体として、事業環境の追い風を捉え、積極的な投資と事業拡大が業績に直結しており、非常にポジティブな決算内容であった。
2025年10月期第3四半期連結累計期間の全社業績は、インバウンド需要の回復と積極的な事業展開により、営業収益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益の全てにおいて大幅な増収増益を達成した。特に利益面での成長が顕著であり、事業の効率化と収益性の向上が進んでいることを示している。
指標 | 2025年10月期3Q(累計) | 2024年10月期3Q(累計) | 前年同期比 |
---|---|---|---|
売上高 | 18.25億円 | 12.77億円 | 42.8% |
営業利益 | 3.25億円 | 1.15億円 | 183.3% |
経常利益 | 3.66億円 | 0.88億円 | 316.3% |
純利益 | 3.08億円 | 0.57億円 | 439.6% |
ホスピタリティソリューション事業は全社売上高の100%を占める。当第3四半期連結累計期間において、当社グループはホスピタリティソリューション事業の顧客価値向上に注力し、主要サービスである「tripla Book」および「tripla Bot」の機能改善を継続的に実施した。また、宿泊業界特化型のCRM・MAツールである「tripla Connect」や広告運用代行サービス「tripla Boost」、主要な国際的旅行予約サイトに加えて東アジア・東南アジアのローカル旅行予約サイトからの集客を実現する「tripla Link」、宿泊中の必要情報を集約した旅ナカ専用サービス「tripla Guide」の提供も進めた。
これらの取り組みの結果、KPIは大幅に伸長した。「tripla Book」の施設数は、前連結会計年度末より692施設増加し、累計で3,645施設に達した。「tripla Bot」の施設数も、前連結会計年度末より234施設増加し、累計で2,057施設となった。さらに、取扱高(GMV)は、前年同四半期比38.1%増の1,199.34億円を記録し、事業の成長を力強く牽引した。これらの要因が、当第3四半期連結累計期間の営業収益18.25億円(前年同期比42.8%増)に大きく貢献した。利益面でも、営業利益3.25億円(前年同期比183.3%増)、経常利益3.66億円(前年同期比316.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益3.08億円(前年同期比439.6%増)と、全ての利益項目で大幅な増加を達成した。
当第3四半期連結累計期間において、グループの成長戦略の柱である海外展開を推進するため、2024年12月にtripla Hong Kong Limited、2025年2月にtripla USA, Inc.、2025年4月にはtripla Philippines Technologies Inc.の3社を新たに設立し、連結範囲に含めた。これらの新規子会社設立は、グローバル市場での事業拡大を加速させる重要な戦略的動きであり、今後の業績成長に大きく寄与すると想定される。
進行期の全社業績予想は、前回発表予想から修正はなく据え置きである。第3四半期連結累計期間の実績は、通期予想に対して堅調な進捗を示している。
指標 | 通期予想 | 進捗率(3Q) |
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売上高 | 27.70億円 | 65.89% |
営業利益 | 5.28億円 | 61.55% |
経常利益 | 5.28億円 | 69.32% |
純利益 | 4.03億円 | 76.43% |
当第3四半期連結会計期間末における総資産は16,767.98億円となり、前連結会計年度末に比べ5,772.86億円増加した。これは主に、流動資産が5,793.69億円増加し15,959.64億円となったことによるもので、現金及び預金が5,584.65億円増加したことが主な要因である。固定資産は2083.44万円減少し8.08億円となった。これは繰延税金資産が1463.00万円増加した一方で、のれんが3029.80万円、顧客関連資産が794.50万円減少したことによる。
負債合計は15,274.75億円となり、前連結会計年度末に比べ5,388.59億円増加した。流動負債は5,562.66億円増加し14,367.87億円となった。これは主に、tripla Bookにおける宿泊代金の預り金が5,665.50億円増加したことによる。固定負債は1740.68万円減少し9.07億円となった。これは主に、長期借入金が1717.15万円減少したことによる。
純資産合計は1,493.24億円となり、前連結会計年度末に比べ384.27億円増加した。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が308.26億円増加したことによる。自己資本比率は8.6%となった。
なお、当第3四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていない。減価償却費は0.84億円、のれんの償却額は5.33億円、顧客関連資産償却額は1.85億円であった。
tripla株式会社の今後の見通しは、現在の事業環境と企業の戦略的取り組みを考慮すると、非常にポジティブであると評価できる。日本経済は円安を背景としたインバウンド需要の拡大や賃上げによる所得環境の改善により、緩やかな回復基調にある。特に、訪日外国人旅行者数はコロナ禍前の水準を大きく上回り、観光需要の回復は鮮明である。この追い風は、ホスピタリティソリューション事業を展開する同社にとって、今後も強力な成長ドライバーとなる。
同社は、この好機を最大限に活かすため、主力サービスである「tripla Book」や「tripla Bot」の機能改善を継続し、宿泊業界特化型CRM・MAツール「tripla Connect」、広告運用代行サービス「tripla Boost」、国際的な旅行予約サイトからの集客を支援する「tripla Link」、旅ナカ専用サービス「tripla Guide」など、多角的なサービス展開で顧客価値向上を図っている。これらの取り組みは、施設数の増加やGMVの拡大に直結しており、今後も安定的な成長が見込まれる。
さらに、tripla株式会社は海外展開を成長戦略の柱と位置づけ、tripla Hong Kong Limited、tripla USA, Inc.、tripla Philippines Technologies Inc.といった新規子会社を設立し、グローバル市場での事業拡大を加速させている。これにより、新たな市場での収益機会を獲得し、企業規模の拡大と競争力の強化が期待される。
通期業績予想は据え置きであるものの、第3四半期時点での進捗率は売上高で65.89%、純利益で76.43%と順調に推移しており、達成への蓋然性は高い。今後の事業環境の推移や業績の進捗を注視し、見直しが必要と判断した場合には速やかに開示する方針である。
投資家目線では、同社の今後の見通しは非常に明るい。インバウンド需要の継続的な回復、積極的な海外展開、そして既存サービスの機能強化と多角化戦略が、持続的な成長と企業価値の向上に寄与すると考えられる。特に、利益率の高いソフトウェアサービスと、取扱高の増加が、収益性のさらなる改善をもたらす可能性が高い。ただし、国際情勢の不安定化や金融政策の変動、物価上昇などの外部要因には引き続き注意が必要である。しかし、現時点では、同社の戦略と市場環境が良好に合致しており、今後の業績拡大に期待が持てる。
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