クミアイ化学工業株式会社の2025年10月期第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比4.1%増の134,485百万円となった。しかし、営業利益は同15.3%減の10,411百万円、経常利益は同31.7%減の11,567百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同29.5%減の9,048百万円と減益となった。これは、農薬及び農業関連事業の減益が主な要因である。株主還元としては、2025年10月期の年間配当予想は34円(期末配当24円)となっている。通期業績予想に変更はなく、売上高159,300百万円、営業利益10,400百万円、経常利益14,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益10,900百万円を見込んでいる。全体として、売上は伸長したものの、利益面では厳しい結果となった決算発表である。
2025年10月期第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が前年同期比4.1%増加し134,485百万円となった。これは、農薬及び農業関連事業、化成品事業、その他の事業全てにおいて売上高が増加したことによる。しかしながら、営業利益は前年同期比15.3%減の10,411百万円、経常利益は同31.7%減の11,567百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同29.5%減の9,048百万円となった。営業利益の減少は、農薬及び農業関連事業における価格対応等による減益が主な要因である。経常利益の減少は、持分法による投資利益の減少に加え、為替差損を計上したことが影響した。海外向け売上高の割合は57.1%となった。
指標 | 2025年10月期(累計) | 2024年10月期(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 134,485億円 | 129,200億円 | 4.1% |
営業利益 | 10,411億円 | 12,298億円 | △15.3% |
経常利益 | 11,567億円 | 16,948億円 | △31.7% |
純利益 | 9,048億円 | 12,827億円 | △29.5% |
農薬及び農業関連事業は、全社売上高の80.4%を占める。国内向けでは、殺菌剤「ディザルタ」や水稲用除草剤「エフィーダ」の販売が好調であった。海外向けでは、除草剤「アクシーブ」の出荷は一部地域で減少したが、米国向けでは販促支援の強化により出荷が増加した。オーストラリア向けでも出荷が増加した。これらの結果、売上高は108,141百万円と前年同期比3.1%増加した。しかし、営業利益は、価格対応等により9,976百万円と前年同期比18.9%減少した。
化成品事業は、全社売上高の14.0%を占める。生成AIサーバー向け電子材料分野の需要が好調で、ビスマレイミド類やアミン類の出荷が増加した。売上高は18,844百万円と前年同期比2.4%増加した。営業利益は1,430百万円と前年同期比83.9%増加した。
その他の事業は、全社売上高の5.6%を占める。建設業における新規工事の順調な受注等により、売上高は7,500百万円と前年同期比27.1%増加した。営業利益は570百万円と前年同期比23.7%減少した。
本決算資料においては、事業/資本提携やM&Aに関する具体的な記載は確認されなかった。
該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)ではないため、このセクションは削除する。
2025年10月期の通期連結業績予想に変更はない。売上高は159,300百万円、営業利益は10,400百万円、経常利益は14,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は10,900百万円を見込んでいる。
指標 | 通期予想 | 前年実績 | 増減率 |
---|---|---|---|
売上高 | 159,300億円 | - | - |
営業利益 | 10,400億円 | - | - |
経常利益 | 14,500億円 | - | - |
純利益 | 10,900億円 | - | - |
2025年10月期第3四半期連結会計期間末の総資産は267,307百万円で、前連結会計年度末に比べ8,166百万円減少した。これは主に商品及び製品の減少が機械装置及び運搬具、受取手形、売掛金及び契約資産ならびに現金及び預金の増加を上回ったことによる。負債は111,342百万円で、前連結会計年度末に比べ11,190百万円減少した。これは主に未払金ならびに短期借入金が減少したことによる。純資産は155,965百万円で、前連結会計年度末に比べ3,024百万円増加した。これは主に利益剰余金が増加したことによる。自己資本比率は55.7%となった。キャッシュフローに関する具体的な記載は確認されなかった。
クミアイ化学工業株式会社の2025年10月期通期業績予想に変更がないことは、現時点での事業環境に対する会社の見解を示している。売上高は微増を見込んでいるものの、利益面では前年同期比で減益となる見通しであり、特に農薬及び農業関連事業における価格対応や海外事業の動向が引き続き注視される。化成品事業における生成AI関連の需要拡大はポジティブな要素であるが、全体業績を押し上げるには至らない可能性がある。
投資家目線では、売上は堅調に推移しているものの、利益率の低下は懸念材料である。特に、農薬及び農業関連事業の収益性改善が今後の重要な課題となるだろう。海外事業の不確実性や為替変動リスクも考慮する必要がある。通期業績予想に変更がないことは、会社が現状の業績見通しに対して自信を持っているとも解釈できるが、一方で、さらなる成長に向けた具体的な施策や、利益率改善への道筋がより明確に示されることが期待される。株主還元については、配当予想に変更がないことは安定的な株主還元姿勢を示すものだが、自己株式取得などの積極的な資本政策の開示があれば、より投資家の関心を引く可能性がある。全体として、安定性は維持しつつも、利益成長への道筋を明確にすることが、今後の企業価値向上に向けた鍵となるだろう。
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