株式会社ACCESSは、2026年1月期第2四半期(中間期)において、売上高は前年同期比8.2%増の90億55百万円となったが、営業損失は19億89百万円(前年同期は営業損失6億53百万円)と大幅に拡大した。これは、主にセグメント毎のセールスミックスや利益率の違いによるものである。IoT事業は、DX投資需要を背景に売上高が大幅に増加し、セグメント利益も増益となった。Webプラットフォーム事業も、海外子会社での案件進捗や国内プロダクト収益の堅調さから増収となり、セグメント損益は黒字化した。一方、ネットワーク事業は、大型案件の反動等により減収減益となった。
連結財政状態としては、当中間連結会計期間末の総資産は146億13百万円となり、前連結会計年度末に比べ69億15百万円減少した。負債は42億80百万円減少し71億96百万円、純資産は26億35百万円減少し74億16百万円となった。
株主還元については、配当は実施されていない。自己株式取得に関する記載は見当たらない。
本決算発表は、売上高は増加したものの、大幅な営業損失の拡大というネガティブな側面が強く、投資家目線では慎重な見方が必要である。
株式会社ACCESSの2026年1月期第2四半期(中間期)における連結業績は、売上高が前年同期比8.2%増の90億55百万円となったものの、営業損失は19億89百万円と大幅に拡大した。これは、主にセグメント毎のセールスミックスや利益率の違いによる影響が大きい。IoT事業はDX投資需要を背景に売上高が大幅に増加し、セグメント利益も増益となった。Webプラットフォーム事業も、海外子会社での案件進捗や国内プロダクト収益の堅調さから増収となり、セグメント損益は黒字化した。しかし、ネットワーク事業においては、大型案件の反動等により減収減益となったことが、全体の業績を押し下げる要因となった。経常損失は22億52百万円、親会社株主に帰属する中間純損失は27億18百万円となり、前年同期と比較して損失が拡大している。
指標 | 2026年1月期(中間期) | 2025年1月期(中間期) | 前年同期比 |
---|---|---|---|
売上高 | 9,055百万円 | 8,366百万円 | 8.2% |
営業利益 | △1,989百万円 | △653百万円 | - |
経常利益 | △2,252百万円 | △352百万円 | - |
純利益 | △2,718百万円 | △495百万円 | - |
IoT事業は、全社売上高に占める割合は中間期で約57.7%(5,275百万円/9,055百万円)を占める。 当中間連結会計期間において、IoT事業は、旺盛なDX投資需要を背景に、位置情報の利活用、エネルギーマネジメント、生成AI関連等の案件への営業活動を推進した。前連結会計年度に受注した案件の納品やサービス提供開始により、売上高は前年同期比で大幅に増加し、それに伴いセグメント利益も増益となった。特に、アジア地域における通販事業者向けに、オムニチャネルでの販路拡大機能と物流等のバックオフィス機能を統合した業務支援クラウドサービス「CRIS」の提供も進展している。
Webプラットフォーム事業は、全社売上高に占める割合は中間期で約12.4%(1,120百万円/9,055百万円)を占める。 海外子会社との連携により、スマートデバイス、情報家電、各種デバイス向けに豊富な搭載実績を持つウェブブラウザ「NetFront® Browser」シリーズのグローバル展開を推進した。また、TV・放送及び車載インフォテインメント用途向けにコンテンツや動画の配信システム・サービスプラットフォームの事業育成も図っている。当中間連結会計期間においては、海外子会社における案件の進捗に伴う売上計上時期の変化や、国内におけるプロダクトのライセンス・ロイヤリティ収益が堅調に推移した影響により、売上高は前年同期比で増加し、セグメント損益は黒字化した。
ネットワーク事業は、全社売上高に占める割合は中間期で約29.3%(2,659百万円/9,055百万円)を占める。 米国子会社IP Infusion Inc.を中核とし、ホワイトボックス向け統合Network OS「OcNOS®」の開発・提供に注力している。通信トラフィックの増加やデータセンター事業者等におけるインフラ投資需要を背景に、有力な手段として市場が拡大している。当中間連結会計期間においては、「OcNOS®」における新規顧客獲得は堅調であったものの、前年同期の大型案件の反動等により、売上高は前年同期比で減収となり、セグメント損益も大幅な損失となった。
株式会社ACCESSは、本決算短信において、事業/資本提携やM&Aに関する具体的な記載は見当たらなかった。しかし、過去の開示情報や事業内容から、IoT、Webプラットフォーム、ネットワークといった成長分野における技術提携やパートナーシップの構築は継続的に行われている可能性が考えられる。特に、ネットワーク事業におけるIP Infusion Inc.のグローバル展開や、IoT事業におけるアジア地域での業務支援クラウドサービス提供などは、戦略的な連携の成果と言える。今後の事業拡大においては、新たな技術シーズの獲得や、既存事業領域の強化を目的としたM&Aや資本提携の可能性も排除できない。
該当する四半期決算発表が1Q or 2Q or 3Qの決算発表だった場合は、このセクションを記載して。該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)だった場合は、このセクションは、何も記載しないで削除して。
2026年1月期の通期業績予想は、2025年6月30日公表のものが据え置かれている。売上高予想は205億円で、第2四半期までの進捗率は約44.2%(90.55億円/205億円)となっている。営業利益予想は△7億円、経常利益予想は△9億円、親会社株主に帰属する当期純利益予想は△14億円となっている。第2四半期までの実績は、売上高は予想に対して進捗しているものの、利益面では大幅な損失となっており、通期予想達成には厳しい状況である。
指標 | 通期予想 | 進捗率(2Q) |
---|---|---|
売上高 | 20,500百万円 | 44.2% |
営業利益 | △700百万円 | - |
経常利益 | △900百万円 | - |
純利益 | △1,400百万円 | - |
該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)だった場合は、このセクションを記載して。該当する四半期決算発表が1Q or 2Q or 3Qの決算発表だった場合は、このセクションは、何も記載しないで削除して。
該当する決算短信は第2四半期(中間期)のものであるため、このセクションは削除する。
当中間連結会計期間末の総資産は146億13百万円となり、前連結会計年度末に比べ69億15百万円減少した。これは主に流動資産の減少によるものである。負債合計は71億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ42億80百万円減少した。純資産合計は74億16百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億35百万円減少した。これは、親会社株主に帰属する中間純損失の計上などが影響している。
キャッシュフローの状況を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは△32億23百万円となり、前年同期の△7億23百万円から大幅なマイナスとなった。これは、主に税金等調整前中間純損失の拡大や、売上債権及び契約資産の増加などが影響している。投資活動によるキャッシュ・フローは△9億44百万円となり、前年同期の△1億69百万円からマイナス幅が拡大した。これは、主に有形固定資産の取得による支出の増加などが影響している。財務活動によるキャッシュ・フローは△822万円となり、前年同期の△4,415万円からマイナス幅は縮小した。
株式会社ACCESSの今後の見通しは、投資家目線で見た場合、非常に厳しい状況にあると評価せざるを得ない。売上高は堅調に推移しているものの、大幅な営業損失の拡大は、事業の収益性に対する深刻な懸念材料である。特に、ネットワーク事業における減収減益は、今後の成長戦略に影を落としている。
一方で、IoT事業およびWebプラットフォーム事業においては、一定の成長が見られ、セグメント利益の黒字化や増益を達成している点はポジティブである。これらの事業が、ネットワーク事業の不振をどこまでカバーできるかが、今後の業績回復の鍵となるだろう。
しかし、過去の不適切会計問題による特別注意銘柄指定や、継続企業の前提に関する重要な疑義といった、企業統治や財務基盤に対する根本的な課題が依然として存在している。これらの問題が解消され、投資家からの信頼を回復できるかどうかが、企業価値の向上にとって極めて重要である。
現時点では、これらのネガティブ要因が、事業の成長性や将来性を上回る形で市場に織り込まれている可能性が高い。投資家としては、事業の構造的な改善、収益性の回復、そして何よりも企業統治の抜本的な強化と信頼回復に向けた具体的な進捗を、慎重に見守る必要がある。短期的な株価の回復は期待しにくい状況であり、中長期的な視点での事業再建と信頼回復に向けた取り組みの進展が、今後の株価動向を左右すると考えられる。
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