パーク24株式会社の2025年10月期第3四半期累計連結決算は、売上高が2,959.15億円(前年同期比9.5%増)と増収を達成した。しかし、営業利益は249.14億円(同△6.4%減)、経常利益は222.70億円(同△7.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は99.56億円(同△32.1%減)と、各段階利益は減益となった。この減益の主な要因は、閏年による2024年2月の日数増加の反動や、第2四半期連結会計期間に英国子会社における退職給付制度終了に伴う特別損失33.23億円を計上したことである。事業別では、駐車場事業国内は堅調に推移し、モビリティ事業もネットワーク拡大は順調に進捗したが、一部地域の稼働想定下回りと悪天候の影響、費用増により利益は軟調であった。駐車場事業海外は豪州の稼働が想定を下回った。通期業績予想は据え置きである。株主還元については、2025年10月期(予想)で期末配当30.00円、年間合計30.00円を予定しており、前年を大きく上回る水準である。全体として、売上は堅調ながらも、一時的な要因による利益の落ち込みが目立つ決算であり、投資家目線では複合的な評価となる。
2025年10月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比9.5%増の2,959.15億円と増収を達成した。しかし、営業利益は249.14億円(前年同期比△6.4%減)、経常利益は222.70億円(前年同期比△7.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は99.56億円(前年同期比△32.1%減)と、各段階利益は減益となった。これは、閏年による2024年2月の日数増加の反動や、英国子会社における退職給付制度終了に伴う特別損失33.23億円の計上が主な要因である。
指標 | 2025年10月期3Q(累計) | 2024年10月期3Q(累計) | 前年同期比 |
---|---|---|---|
売上高 | 2,959.15億円 | 2,702.16億円 | 9.5% |
営業利益 | 249.14億円 | 266.10億円 | △6.4% |
経常利益 | 222.70億円 | 240.14億円 | △7.3% |
純利益 | 99.56億円 | 146.55億円 | △32.1% |
駐車場事業国内は全社売上高の約48.1%を占める。当第3四半期連結累計期間の売上高は1,473.62億円(前年同期比9.5%増)、営業利益は275.65億円(前年同期比2.3%増)と増収増益を達成した。駐車場の稼働は堅調に推移し、厳選開発のノウハウを活かして収益性を維持しつつネットワーク拡大を加速させ、当第3四半期連結累計期間に1,209件を開発した。サービス進化に向けた取り組みとして、自社開発精算機タイムズタワーの設置や車番認証カメラを活用した駐車場の拡大を加速させ、より簡単に入出庫や精算が可能な次世代駐車場サービスの構築・展開を推進している。KPIとしては、タイムズパーキング件数が19,272件(前期末比3.8%増)、タイムズパーキング台数が675,717台(前期末比6.7%増)、総駐車場運営件数が26,974件(前期末比2.6%増)、総駐車場運営台数が858,182台(前期末比5.5%増)と、ネットワーク拡大が着実に進捗している。
モビリティ事業は全社売上高の約31.0%を占める。当第3四半期連結累計期間の売上高は920.52億円(前年同期比14.8%増)と増収を達成したが、営業利益は90.74億円(前年同期比△13.8%減)と減益となった。タイムズカーの認知度向上と利用促進に向けて、テレビCM等を用いた継続的なプロモーションの実施や地域特性に応じた営業活動など、お客様に合わせた情報発信と施策の展開により、会員数及び利用は堅調に推移した。当第3四半期連結累計期間に増車した車両台数は9,424台、増加した貸出拠点数は4,950箇所となり、ネットワーク拡大は順調に進捗した。しかし、一部地域におけるサービスの稼働が想定を下回ったことや悪天候の影響を受けたことに加え、燃料費や事故関係費など一部の費用増により、車両1台当たり利益は想定よりもやや軟調に推移した。KPIとしては、車両台数が78,594台(前期末比13.6%増)、貸出拠点数が24,911箇所(前期末比24.8%増)、会員数が3,439千人(前期末比13.4%増)と大幅に増加している。
駐車場事業海外は全社売上高の約20.9%を占める。当第3四半期連結累計期間の売上高は618.04億円(前年同期比3.5%増)と増収を達成したが、営業損失は△17.67億円(前年同期比△303百万円悪化)と損失が拡大した。この営業損失には、のれんの償却額△10.72億円が含まれている。豪州における駐車場の稼働は想定を下回ったものの、その他の地域は堅調に推移した。国内の駐車場事業戦略である「小型・分散・ドミナント化」をベースに、各地域の駐車場需要環境に適した短期契約駐車場「各国版タイムズパーキング」の開発を促進し、事業リスクの低減及び収益性の改善に努めている。また、買収前から運営している大型かつ長期契約駐車場についても、地域特性に応じた施策や駐車場稼働管理システムの活用による収益改善に努めている。自社開発精算機タイムズタワーや車番認証カメラ等の展開に加え、アプリ決済への対応をはじめとしたサービスの進化により、付加価値の創出と提案営業の強化及びお客様の利便性と満足度の向上を図っている。KPIとしては、各国版タイムズパーキング件数が1,552件(前期末比12.5%増)、各国版タイムズパーキング台数が71,048台(前期末比19.6%増)と増加したが、総駐車場運営台数は505,117台(前期末比△6.3%減)となった。
当第3四半期連結会計期間において、英国子会社のNATIONAL CAR PARKS LIMITEDにおける退職給付制度終了に伴い、特別損失33.23億円を計上した。これは、過去のM&Aによって取得した事業の再編・合理化の一環として、財務体質の改善を図るための措置と推測される。この特別損失計上は、親会社株主に帰属する四半期純利益の減益要因の一つとなった。
進行期の全社業績予想は、直近に公表された予想から修正はなく、据え置きとなった。第3四半期累計の実績は、売上高が通期予想の72.9%に達しているものの、営業利益は63.9%、経常利益は62.7%、純利益は55.3%と、利益面での進捗率は通期予想に対してやや遅れが見られる。これは、第2四半期に計上された特別損失の影響が大きい。
指標 | 通期予想 | 進捗率(3Q) |
---|---|---|
売上高 | 4,060.00億円 | 72.9% |
営業利益 | 390.00億円 | 63.9% |
経常利益 | 355.00億円 | 62.7% |
純利益 | 180.00億円 | 55.3% |
当第3四半期連結会計期間末の総資産は3,092.12億円となり、前連結会計年度末から135.10億円増加した。純資産は917.21億円となり、前連結会計年度末から135.77億円増加した。自己資本比率は29.6%(前連結会計年度末26.4%)に改善し、ネットD/Eレシオは1.01倍(前連結会計年度末1.07倍)と低下した。有利子負債は1,433.40億円と、前連結会計年度末から6.42億円減少した。 キャッシュフローについては、営業活動によるキャッシュフローは367.94億円(前年同期比45.56億円増)と増加した。投資活動によるキャッシュフローは△321.44億円(前年同期比△70.99億円悪化)と支出が増加した。フリーキャッシュフローは46.50億円(前年同期比△25.42億円減)となった。財務活動によるキャッシュフローは△97.42億円(前年同期比296.11億円改善)と支出が大幅に減少した。現金及び現金同等物の四半期末残高は432.97億円となり、前年同期末から4.87億円増加した。
パーク24株式会社の2025年10月期第3四半期決算は、売上高は堅調に推移したものの、利益面では特殊要因により減益となった。しかし、通期業績予想は据え置きであり、これは会社が下期での巻き返しに自信を持っていることを示唆している可能性がある。投資家目線では、短期的な利益の落ち込みはネガティブな要素だが、その原因が閏年の反動や特別損失といった一時的な
• 提供されるレポートに誤った情報が含まれる場合があります。正確性や品質を保証するものではないため、決算短信全文を併せてご確認ください。
• 提供されるレポートに投資を推奨するようにも読み取れる内容が含まれる可能性がありますが、当社が投資を推奨するものではありません。投資に関する決定は、利用者ご自身の判断で行ってください。
• 決算短信についての訂正の開示があった場合でも、訂正の内容はレポートに反映されませんので、最新の適時開示をご参照ください。また、提供されるレポートの内容は予告なく変更されることがありますのでご注意ください。
• 本レポートにより提供される内容について、当社は、その信頼性、正確性、最新性、完全性、有効性、特定目的への適合性、有用性(有益性)、継続性について保証しません。これらに起因してお客様が何らかの損害を被ったとしても、当該損害につき責任を負わないものとします。
• 提供されるレポートを利用する際は、著作権法、商標法、金融商品取引法などの法令に違反しないようご注意ください。
• 提供されるレポートに関する権利は当社に帰属します。これらの情報を第三者に提供する目的での転用、複製、販売、加工、再利用および再配信は固く禁じます。