ベルグアース株式会社の2025年10月期第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比3.7%増の47億97百万円となった。しかし、営業損失は2億20百万円(前年同期は1億51百万円の営業損失)、経常損失は2億12百万円(前年同期は1億27百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は70百万円(前年同期は42百万円の四半期純損失)と、赤字幅が拡大した。これは、野菜苗・苗関連事業における燃料費や人件費の増加、ベルグ福島株式会社の新設農場における生産体制準備に伴う費用増加などが影響した。株主還元については、2025年10月期通期配当予想は10円となっている。全体として、増収は達成したものの、収益面では厳しい状況が続いた決算発表であった。
ベルグアース株式会社の2025年10月期第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が前年同期比3.7%増の47億97百万円となった。これは、主に野菜苗・苗関連事業における生産能力拡大や新規顧客開拓が進んだことによる。しかし、損益面では、野菜苗・苗関連事業における燃料費や人件費の増加、ベルグ福島株式会社の新設農場における生産体制準備に伴う費用増加などが響き、営業損失は2億20百万円(前年同期は1億51百万円の営業損失)、経常損失は2億12百万円(前年同期は1億27百万円の経常損失)と、赤字幅が拡大した。親会社株主に帰属する四半期純損失は70百万円(前年同期は42百万円の四半期純損失)となった。
指標 | 2025年10月期(累計) | 2024年10月期(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 4,797百万円 | 4,628百万円 | 3.7% |
営業利益 | △220百万円 | △151百万円 | △46.0% |
経常利益 | △212百万円 | △127百万円 | △67.0% |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | △70百万円 | △42百万円 | △66.7% |
野菜苗・苗関連事業は、全社売上高の約86.5%を占める主要事業である。当四半期連結累計期間においては、ホームセンターを中心とする家庭園芸需要の増加や、ベルグ福島株式会社の新設農場が生産拠点に加わったことによる生産能力拡大を背景に、売上高は41億47百万円(前年同期比4.5%増)となった。特に、関東向けのピーマン苗等の売上が増加した。しかし、損益面では、燃料費や原材料費の値上げ、人件費の増加、新設農場での生産開始に伴う初期投資や雇用増加などにより、セグメント利益は1億43百万円(前年同期比25.7%減)となった。トマト苗の受注は減少したものの、ピーマン苗等の売上増加や、ポット苗の規格分類における売上高の増加が全体を押し上げた。納品地域別では、北海道・東北、関東、中部・北陸、九州・沖縄などで前年同期比増となった。
農業・園芸用タネ資材販売事業は、オリジナル培土や農薬の売上が増加した一方で、生産設備・機器等の買い替え需要の減少により、売上高は5億67百万円(前年同期比0.4%減)となった。損益面では、間接部門の人件費増加や仕入価格の値上げにより利益率が減少し、セグメント利益は6百万円(前年同期比45.6%減)となった。今後は、関連会社との連携強化や商品ラインナップの充実を図り、売上拡大を目指す。
小売事業は、春の家庭菜園時期に合わせたイベント開催や、就労支援事業所との連携によるアート作品展示イベントなどを実施した。コロナ禍からの園芸ブームの終息や猛暑による屋外でのガーデニング需要の減少があったものの、野菜苗については青果物価格高騰を背景に家庭菜園を始める消費者が増加し、売上は増加した。しかし、全体としては、園芸雑貨や花卉類などの売上が減少し、売上高は85百万円(前年同期比9.1%減)となった。セグメント損失は7百万円(前年同期は97百万円のセグメント損失)と、損失幅は縮小した。今後は、SNSを活用した情報発信や店舗集客力向上に繋がる取り組みを進める。
ベルグ福島株式会社の新設農場(鶴沢農場)が2025年3月より生産拠点として加わった。これにより、生産能力が拡大し、関東以北を中心に受注拡大へ向けて営業推進を行っている。
該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)ではないため、このセクションは削除します。
該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)ではないため、このセクションは削除します。
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ7.2%増加の60億87百万円となった。これは、現金及び預金の減少、受取手形及び売掛金の減少、電子記録債権の減少があったものの、棚卸資産の増加、有形固定資産の増加が主な要因である。負債合計は、前連結会計年度末と比べ13.4%増加の40億34百万円となった。これは、支払手形及び買掛金の増加、短期借入金の増加などが主な要因である。純資産合計は、前連結会計年度末と比べ3.1%減少し、20億53百万円となった。これは、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上などが影響した。キャッシュフローに関する具体的な記載は確認されなかった。
ベルグアース株式会社の2025年10月期第3四半期決算は、増収を達成したものの、赤字幅の拡大という結果となり、投資家にとってはややネガティブな印象を与える決算発表となった。特に、野菜苗・苗関連事業におけるコスト増加が収益を圧迫しており、今後の収益改善に向けた具体的な施策が求められる。
今後の見通しとしては、中期経営計画に基づき、「苗事業の更なる拡大と収益力強化」「新製品・新技術の開発」「苗事業を起点とした事業領域の拡大」「事業インフラ強化」を推進していく方針である。特に、野菜苗・苗関連事業においては、生産能力の拡大を活かし、さらなる受注拡大を目指すとともに、コスト削減策を徹底することで収益性の改善を図ることが重要となる。また、農業・園芸用タネ資材販売事業や小売事業においても、それぞれの事業特性を活かした取り組みを進め、収益源の多様化を図っていくことが期待される。
気候変動への対応や、持続可能な農業への関心の高まりは、同社にとって追い風となる可能性もある。これらの外部環境の変化を捉え、新たな事業機会を創出していくことが、企業価値向上に繋がるだろう。
しかしながら、現状ではコスト増加の影響が大きく、通期業績予想に対する進捗率も、売上高は順調に進捗しているものの、利益面では厳しい状況が続いている。投資家としては、今後のコストコントロールと収益改善の進捗を注視していく必要がある。特に、ベルグ福島株式会社の新設農場が本格的に収益に貢献する時期や、コスト増加要因への具体的な対策の効果がいつ頃見られるのかが、今後の株価動向を左右する重要なポイントとなるだろう。
総じて、同社は成長戦略を着実に実行しているものの、足元の収益性には課題が残っており、今後の業績回復に向けた具体的な道筋を示すことが、投資家の信頼を得る上で不可欠である。
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