株式会社ニイタカの2026年5月期第1四半期連結累計期間の決算は、売上高60.06億円(前年同期比4.8%増)、営業利益5.82億円(同36.6%増)、経常利益6.16億円(同40.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益4.19億円(同41.3%増)と、全般的に好調な結果となった。特に利益面での大幅な伸長が目立つ。ケミカル事業における製品売上の拡大やヘルスケア事業におけるコストダウンが利益増加に貢献した。通期業績予想は据え置きだが、第1四半期時点での進捗率は売上高24.0%、営業利益34.2%、経常利益35.6%、純利益38.1%と、利益項目で高い進捗を示しており、堅調なスタートを切ったと言える。株主還元については、2026年5月期の年間配当予想を1株あたり76.00円(中間38.00円、期末38.00円)としている。この決算発表は、利益成長が顕著であり、通期予想に対する進捗も順調であることから、投資家にとってはポジティブな内容と評価できる。
2026年5月期第1四半期連結累計期間の全社業績は、洗剤等の堅調な推移により売上高が前年同期比4.8%増の60.06億円を達成した。利益面では、ケミカル事業の製品売上拡大とヘルスケア事業のコストダウンが寄与し、営業利益は同36.6%増の5.82億円、経常利益は同40.0%増の6.16億円と大幅に増加した。親会社株主に帰属する四半期純利益も同41.3%増の4.19億円となり、収益性が大きく改善した。
指標 | 2026年5月期1Q(累計) | 2025年5月期1Q(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 60.06億円 | 57.33億円 | 4.8% |
営業利益 | 5.82億円 | 4.26億円 | 36.6% |
経常利益 | 6.16億円 | 4.40億円 | 40.0% |
純利益 | 4.19億円 | 2.96億円 | 41.3% |
ケミカル事業が占める全社売上割合は93.9%である。 当第1四半期連結累計期間において、ケミカル事業の売上高は56.42億円(前年同期比4.7%増)となり、営業利益は4.68億円(同34.6%増)を記録した。この好調な業績は、外食市場の堅調な推移が洗剤需要の増加に直結したこと、および人手不足問題に対応する洗剤が大手外食チェーンで採用されたことが主な要因である。製品売上の増加が利益を押し上げ、原材料価格は横ばいで推移した。洗剤や衛生サービスなどの増収が寄与した一方で、感染対策製品や固形燃料は減収となった。営業利益の主な変動要因は、製品売上と価格の増益である。
ヘルスケア事業が占める全社売上割合は6.0%である。 当第1四半期連結累計期間において、ヘルスケア事業の売上高は3.63億円(前年同期比5.9%増)となり、営業利益は1.13億円(同45.8%増)と大幅な増益を達成した。売上高の増加は、欧米を中心とした海外売上が堅調に推移したことが主要因である。営業利益の増加は、コストダウン等が大きく貢献した。売上高の変動要因としては、海外での増収が挙げられる一方、国内は減収となった。営業利益の変動要因は、販売費(運賃等)の増益と製品売上の増益が寄与した一方で、研究開発費の減益があった。
当第1四半期連結累計期間において、事業/資本提携やM&A等に関する特段の記載はない。
2026年5月期の全社業績予想は、2025年7月11日に公表された内容から変更なく据え置きである。第1四半期連結累計期間の実績は、売上高、各利益項目において通期予想に対する順調な進捗を示している。特に営業利益、経常利益、純利益は30%を超える高い進捗率を達成しており、通期目標達成に向けて良好な滑り出しと言える。
指標 | 通期予想 | 進捗率(1Q) |
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売上高 | 250.00億円 | 24.0% |
営業利益 | 17.00億円 | 34.2% |
経常利益 | 17.30億円 | 35.6% |
純利益 | 11.00億円 | 38.1% |
当第1四半期連結累計期間末の総資産は229.69億円となり、前連結会計年度末と比較して3.85億円増加した。主な増加要因は、受取手形及び売掛金が0.92億円、商品及び製品が1.50億円、投資その他の資産「その他」が0.82億円それぞれ増加したことによる。負債は80.40億円となり、前連結会計年度末と比較して2.12億円増加した。これは、支払手形及び買掛金が1.22億円、賞与引当金が1.68億円、流動負債「その他」が1.50億円それぞれ増加した一方で、長期借入金が1.30億円減少したためである。純資産は149.29億円となり、前連結会計年度末と比較して1.72億円増加した。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益4.19億円の増加があったものの、配当金の支払3.06億円があったことによる。なお、当第1四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていない。
配当
自己株式取得
自己株買い
株主優待
株式会社ニイタカの2026年5月期第1四半期決算は、売上高、各利益項目ともに前年同期を上回る堅調な成長を示し、特に利益面での大幅な伸長は投資家にとって非常にポジティブな要素である。通期業績予想は据え置きであるものの、第1四半期時点での利益進捗率が30%を超えていることは、通期目標達成への期待を高める。
ケミカル事業は、外食市場の回復と人手不足対応型洗剤の採用拡大が引き続き成長ドライバーとなる見込みである。原材料価格が横ばいで推移していることも、利益率の維持・向上に貢献するだろう。ヘルスケア事業も、欧米を中心とした海外売上の増加とコストダウン効果により、今後も利益成長が期待される。国内市場の動向には注視が必要だが、海外展開の強化が全体の成長を牽引する可能性が高い。
財務状態は、総資産、純資産ともに増加しており、安定した経営基盤を維持している。ただし、キャッシュフロー計算書が作成されていないため、資金の動きに関する詳細な評価は難しい。
投資家目線では、今回の決算は非常に好材料と捉えられる。利益率の改善と高い進捗率は、企業の収益力向上と経営効率化の成果を示している。通期予想に対する利益の進捗が売上高の進捗を上回っている点は、今後の業績上振れの可能性も示唆しており、株価へのポジティブな影響が期待される。配当予想は前年実績を下回るものの、安定的な株主還元姿勢は評価できる。
今後の企業価値向上に向けては、引き続きケミカル事業での市場シェア拡大と高付加価値製品の開発、ヘルスケア事業での海外市場深耕が重要となる。また、コスト管理の徹底と効率的な事業運営を継続することで、さらなる利益成長と企業価値の向上が見込まれる。全体として、今回の決算はニイタカの成長軌道が順調であることを示すものであり、投資家にとっては引き続き注目すべき企業であると言える。
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