株式会社エクスモーションの2025年11月期第3四半期決算は、売上高10.26億円(前年同期比11.0%増)、営業利益1.32億円(同60.8%増)、経常利益1.36億円(同60.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益0.86億円(同70.7%増)と、大幅な増収増益を達成した。特に利益面での成長が顕著であり、コンサルティング事業の堅調な推移が業績を牽引した。生成AIを活用した要件定義支援サービス「CoBrain」の機能追加や子会社buboの売上拡大が寄与している。通期業績予想は据え置きだが、第3四半期累計で既に高い進捗率を達成しており、通期達成への期待感は高い。配当については、2025年11月期の期末配当予想を20.00円と、前年同期の19.00円から増配する計画であり、株主還元への意欲も示している。全体として、投資家にとっては非常にポジティブな決算発表と評価できる。
2025年11月期第3四半期累計期間の全社業績は、売上高、各利益項目において前年同期を大きく上回る結果となった。特に営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益は60%を超える大幅な増益を達成し、収益性の改善が鮮明である。これは、製造業におけるソフトウェア開発需要の旺盛な継続と、同社のコンサルティング事業における高付加価値な支援が奏功したことによる。生成AIを活用した新サービスの貢献や子会社の事業拡大も、この好調な業績を後押しした。
指標 | 2025年11月期3Q(累計) | 2024年11月期3Q(累計) | 前年同期比 |
---|---|---|---|
売上高 | 10.26億円 | 9.25億円 | 11.0% |
営業利益 | 1.32億円 | 0.82億円 | 60.8% |
経常利益 | 1.36億円 | 0.84億円 | 60.6% |
純利益 | 0.86億円 | 0.50億円 | 70.7% |
子会社の株式会社buboは、ソフトウェアテストのコンサルティングファームとして、高付加価値な支援へのシフトを進め、引き続き売上規模を拡大している。これは、同社グループ全体の事業ポートフォリオ強化と収益基盤の拡大に貢献しており、今後の成長戦略の一環として重要な動向である。
2025年11月期の通期連結業績予想は、2025年1月10日に公表された内容から修正はなく、据え置きとなった。第3四半期累計期間の実績は、通期予想に対して売上高で70.7%、営業利益で66.0%、経常利益で68.0%、純利益で67.2%と高い進捗率を達成している。この進捗状況は、通期目標達成に向けて順調に推移していることを示唆している。
指標 | 通期予想 | 進捗率(3Q) |
---|---|---|
売上高 | 14.51億円 | 70.7% |
営業利益 | 2.00億円 | 66.0% |
経常利益 | 2.00億円 | 68.0% |
純利益 | 1.28億円 | 67.2% |
当第3四半期連結会計期間末の総資産は18.24億円となり、前連結会計年度末に比べ0.59億円増加した。流動資産は16.08億円で、主に現金及び預金が0.99億円増加した一方で、売掛金及び契約資産が0.63億円減少した。固定資産は2.17億円で、投資その他の資産に含まれる繰延税金資産が0.27億円増加したことが主な要因である。負債合計は1.97億円となり、前連結会計年度末に比べ0.29億円増加した。これは賞与引当金が0.46億円増加した一方で、未払法人税等が0.11億円減少したことによる。純資産は16.28億円となり、前連結会計年度末に比べ0.29億円増加した。これは四半期純利益の計上により利益剰余金が0.87億円増加したものの、剰余金の配当により利益剰余金が0.57億円減少したためである。自己資本比率は89.2%で、前連結会計年度末の90.5%からわずかに低下したものの、引き続き高い水準を維持している。なお、当第3四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていない。
配当
株式会社エクスモーションの今後の見通しは、国内経済の緩やかな回復基調と、同社が事業を展開する組込みソフトウェア開発コンサルティング業界の構造的な成長に支えられ、非常にポジティブである。国内経済は、所得環境の改善や企業の設備投資の持ち直しにより回復基調にあるものの、米国の通商政策や物価上昇による消費者マインドへの影響など、景気下振れリスクには引き続き注意が必要である。しかし、同社の主要事業領域である組込みソフトウェア開発のコンサルティング業界は、製造業におけるソフトウェアの重要性の高まり、特に自動車業界におけるSDV(ソフトウェア・ディファインド・ビークル)化の進展、そしてDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速により、旺盛な需要が継続すると見込まれる。
同社は、このような環境下で、高度なソフトウェア技術を要する最新の技術課題や製造業DXを中心に受注を伸ばし、堅調に推移している。特に、生成AIを活用した要件定義支援サービス「CoBrain」の機能追加による引き合いの堅調な推移や、子会社buboのソフトウェアテストコンサルティング事業の売上拡大は、今後の成長ドライバーとして期待される。
2025年11月期の通期連結業績予想は据え置きであり、売上高14.51億円(前年同期比13.0%増)、営業利益2.00億円(同28.7%増)、経常利益2.00億円(同27.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1.28億円(同29.1%増)と、大幅な増収増益を見込んでいる。第3四半期累計で既に売上高70.7%、営業利益66.0%、経常利益68.0%、純利益67.2%と高い進捗率を達成しており、通期目標達成への確度が高いと判断できる。
投資家目線では、同社の事業環境は非常に良好であり、技術革新への対応力と高付加価値サービス提供能力が競争優位性を確立している。堅調な業績推移と高い利益成長率、そして増配計画は、企業価値の向上に寄与すると考えられる。特に、AI技術の活用や子会社の成長戦略は、中長期的な企業価値向上への期待を高める要素である。したがって、今回の決算発表は、同社の今後の成長性と収益性に対する投資家の信頼をさらに強固にする、非常にポジティブな内容であったと評価できる。
• 提供されるレポートに誤った情報が含まれる場合があります。正確性や品質を保証するものではないため、決算短信全文を併せてご確認ください。
• 提供されるレポートに投資を推奨するようにも読み取れる内容が含まれる可能性がありますが、当社が投資を推奨するものではありません。投資に関する決定は、利用者ご自身の判断で行ってください。
• 決算短信についての訂正の開示があった場合でも、訂正の内容はレポートに反映されませんので、最新の適時開示をご参照ください。また、提供されるレポートの内容は予告なく変更されることがありますのでご注意ください。
• 本レポートにより提供される内容について、当社は、その信頼性、正確性、最新性、完全性、有効性、特定目的への適合性、有用性(有益性)、継続性について保証しません。これらに起因してお客様が何らかの損害を被ったとしても、当該損害につき責任を負わないものとします。
• 提供されるレポートを利用する際は、著作権法、商標法、金融商品取引法などの法令に違反しないようご注意ください。
• 提供されるレポートに関する権利は当社に帰属します。これらの情報を第三者に提供する目的での転用、複製、販売、加工、再利用および再配信は固く禁じます。