株式会社CINCは、2025年10月期第3四半期連結累計期間において、売上高1,381百万円、営業損失85百万円、経常損失82百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失117百万円となった。前年同期の数値との比較は、四半期連結財務諸表の作成開始時期の関係で記載がない。自己株式の取得により、株主資本に変動があった。全体として、第3四半期連結累計期間の業績は、新規案件獲得の鈍化や広告宣伝費、人材投資の増加により、損失を計上する結果となった。
株式会社CINCの2025年10月期第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が1,381,075千円となった。営業損失は85,672千円、経常損失は82,232千円、親会社株主に帰属する四半期純損失は117,667千円となった。これは、ソリューション事業においては営業利益を確保したものの、アナリティクス事業における新規案件獲得の鈍化やM&A仲介事業における広告宣伝費、人材投資の増加が影響した結果である。
指標 | 2025年10月期(累計) | 2024年10月期(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 1,381億円 | 確認されていない | 確認されていない |
営業利益 | △85億円 | 確認されていない | 確認されていない |
経常利益 | △82億円 | 確認されていない | 確認されていない |
EBITDA | 確認されていない | 確認されていない | 確認されていない |
純利益 | △117億円 | 確認されていない | 確認されていない |
当セグメントの売上高は599,862千円となり、セグメント利益は123,772千円となった。顧客のマーケティング業務の実行支援が進捗し、利用の少ない機能の廃止やデータベース処理の改善によりサーバー費が減少した。また、「Keywordmap」においては、AI Overviewsに関する表示状況や参照元URLを可視化する新機能「AI Overviews 出現レポート」をリリースした。一方で、営業人員の不足により新規案件の獲得は鈍化し、カスタマーサクセスチームでは人員減少により解約案件が増加したが、エキスパートソーシングサービスと連携し、外部人材の活用を進めている。
当セグメントの売上高は801,765千円、セグメント損失は39,176千円となった。マーケティングDXコンサルティングサービスにおいては、大手企業への営業活動とサービス提供の強化により、大手企業との取引が拡大した。生成AIプラットフォームの急速な普及と検索行動の変化を踏まえ、生成AI経由での集客・購買を最大化する「LLM&AIコンサルティングサービス」の提供を開始した。生成AIやデータ取得技術を活用したシステム開発により、コンサルタント1人当たりの生産性が向上した。しかし、営業人員やコンサルタントの不足により、新規案件の獲得が鈍化したことがセグメント収益を押し下げる要因となった。
当セグメントの売上高は確認されていないが、セグメント損失は170,268千円となった。広告宣伝費、システム開発への投資を積極的に行った。人材投資により売り手・買い手双方への営業体制が整備・強化され、タクシー広告、オウンドメディア、ウェビナーを活用したマーケティング施策が順調に推移し、リードの獲得が進捗した。また、生成AIを活用したM&A仲介マッチングシステム「CAMM DB」を活用した業務の効率化により、新規案件の創出を加速させている。
株式会社CINCは、第1四半期連結会計期間より報告セグメントを従来の「ソリューション事業」及び「アナリティクス事業」の2区分から、「ソリューション事業」「アナリティクス事業」「M&A仲介事業」の3区分に変更した。これは、従来「その他」に含まれていた「M&A仲介事業」について量的な重要性が増したためである。
該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)だった場合は、このセクションを記載して。該当する四半期決算発表が1Q or 2Q or 3Qの決算発表だった場合は、このセクションは、何も記載しないで削除して。
2025年10月期の通期業績予想は、売上高1,819百万円、営業損失151百万円、経常損失148百万円、親会社株主に帰属する当期純利益△181百万円、1株当たり当期純利益△58.25円となっている。これは、第3四半期連結累計期間の業績を踏まえ、2024年12月13日に公表した通期業績予想を達成することが困難と判断し、下方修正されたものである。
指標 | 通期予想 | 前年実績 | 増減率 |
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売上高 | 1,819億円 | 確認されていない | 確認されていない |
営業利益 | △151億円 | 確認されていない | 確認されていない |
経常利益 | △148億円 | 確認されていない | 確認されていない |
純利益 | △181億円 | 確認されていない | 確認されていない |
2025年10月期第3四半期連結会計期間末の総資産は1,394,080千円となった。流動資産は1,100,109千円(現金及び預金873,845千円、売掛金170,418千円等)、固定資産は293,970千円(有形固定資産65,497千円、無形固定資産70,811千円、投資その他の資産157,661千円等)であった。負債合計は303,401千円(流動負債276,128千円、固定負債27,273千円)となった。純資産合計は1,090,678千円(資本金10,031千円、資本剰余金934,917千円、利益剰余金496,031千円)となった。自己株式の取得により、株主資本の金額に変動があった。当第3四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていない。
株式会社CINCの2025年10月期通期業績予想は、第3四半期までの実績を踏まえ、当初の予想から下方修正された。これは、経済環境の不透明感や、事業環境の変化に対応するための投資(広告宣伝費、人材投資、システム開発費等)が増加したことが主な要因と考えられる。特に、アナリティクス事業における新規案件獲得の鈍化や、M&A仲介事業における積極的な投資が、短期的な収益を圧迫する形となった。
しかしながら、生成AIの進化やデジタルチャネルでの購買の一般化といったメガトレンドは、同社が展開するDXコンサルティングやデジタルマーケティング支援サービスへの需要を中長期的に押し上げる可能性を秘めている。特に、生成AIを活用したサービス提供や、M&A仲介マッチングシステムの開発・活用は、将来的な成長ドライバーとなり得る。
投資家視点では、今回の業績下方修正はネガティブな材料であるが、同時に、同社が変化する市場環境に対応し、将来の成長に向けた投資を継続している姿勢も見て取れる。今後の重要なポイントは、新規案件獲得の回復、特にアナリティクス事業における営業体制の強化、そしてM&A仲介事業における投資効果の早期発現である。また、ソリューション事業におけるサーバー費削減や機能改善といった効率化の取り組みも継続して注視する必要がある。
株主還元に関しては、現時点では配当の実施はなく、自己株式取得も過去の事例として記載されているのみであり、今後の具体的な方針については更なる情報開示が待たれる。
総じて、同社は短期的な収益の変動に直面しているものの、中長期的な成長に向けた布石を打っており、今後の事業展開と市場環境の変化への適応力が、企業価値の向上に繋がるかどうかの鍵となるだろう。
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