神島化学工業株式会社の2026年4月期第1四半期決算は、売上高が前年同期比0.6%減の6,943百万円となった。営業利益は同18.6%減の528百万円、経常利益は同20.5%減の503百万円、四半期純利益は同22.2%減の352百万円といずれも減収減益となった。これは、建材事業において住宅市場の低迷が影響し減収となったこと、化成品事業においては米国の関税政策の影響で一部製品が低調であったことが主な要因である。しかしながら、通期業績予想に変更はなく、堅調な見通しを示している。株主還元としては、2026年4月期の年間配当予想を46円(中間配当23円、期末配当23円)としている。全体として、厳しい経済環境下での減収減益となったものの、通期見通しは維持されており、株主還元も継続されることから、現時点では中立的な決算発表と評価できる。
神島化学工業株式会社の2026年4月期第1四半期累計期間の業績は、売上高が前年同期比0.6%減の6,943百万円となった。これは、主に建材事業における住宅市場の低迷による減収が影響した。営業利益は同18.6%減の528百万円、経常利益は同20.5%減の503百万円、四半期純利益は同22.2%減の352百万円といずれも減益となった。これは、売上減少に加え、販売構成の変化や固定費増加などが影響したためである。財政状態としては、総資産は前事業年度末に比べ188百万円減少し30,542百万円となった。負債は390百万円減少し17,376百万円となった一方、純資産は201百万円増加し13,166百万円となった。自己資本比率は42.9%となった。
指標 | 2026年4月期(累計) | 2025年4月期(累計) | 前年同期比 |
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売上高 | 6,943億円 | 6,983億円 | △0.6% |
営業利益 | 528億円 | 649億円 | △18.6% |
経常利益 | 503億円 | 633億円 | △20.5% |
四半期純利益 | 352億円 | 453億円 | △22.2% |
建材事業は全社売上高の約54.3%を占める。住宅分野では、新設住宅着工戸数が前年同期比でマイナスとなり、需要が低迷した。非住宅分野においても、ビル工事の遅れが依然として続いており、厳しい状況が継続した。これらの影響により、建材事業の売上高は3,771百万円と、前年同期比で1.7%の減収となった。セグメント利益(営業利益)は、値上げによる増益効果や収益改善の取り組みを行ったものの、減収の影響が上回り、284百万円と同5.9%の減益となった。高級軒天ボードの販売は好調であったものの、全体としては厳しい状況であった。
化成品事業は全社売上高の約45.7%を占める。マグネシウム事業においては、米国の関税政策の影響でサプリメント用途の製品が低調であったものの、工業用途の酸化マグネシウムの拡販を進めたことにより増収となった。セラミックス事業は、概ね前年並みの推移となった。これらの結果、化成品事業の売上高は3,171百万円と、前年同期比で0.7%の増収となった。セグメント利益(営業利益)は、値上げによる増益効果があったものの、販売構成の変化や固定費増加などにより、468百万円と同16.0%の減益となった。
本決算短信においては、事業/資本提携やM&Aに関する具体的な記載は確認されなかった。
2026年4月期の通期業績予想に変更はない。第2四半期累計期間の業績予想は、売上高13,500百万円(前年同期比2.9%増)、営業利益940百万円(同47.7%増)、経常利益900百万円(同18.4%増)、四半期純利益650百万円(同8.0%増)となっている。通期業績予想は、売上高28,100百万円(同2.5%増)、営業利益2,200百万円(同23.2%増)、経常利益2,100百万円(同22.2%増)、四半期純利益1,500百万円(同4.7%増)となっている。
指標 | 通期予想 | 進捗率(1Q) |
---|---|---|
売上高 | 28,100億円 | 24.7% |
営業利益 | 2,200億円 | 24.0% |
経常利益 | 2,100億円 | 23.9% |
四半期純利益 | 1,500億円 | 23.5% |
該当する決算発表は第1四半期決算のため、本セクションは削除する。
当第1四半期会計期間末の総資産は30,542百万円となり、前事業年度末に比べ188百万円減少した。主な減少要因は、有形固定資産が245百万円減少したことである。負債は17,376百万円と前年度に比べ390百万円減少した。主な増減要因は、設備関係電子記録債務が962百万円減少し、短期借入金が600百万円増加したことである。純資産は13,166百万円と前年度に比べ201百万円増加した。主な増加要因は、利益剰余金が153百万円増加したことである。キャッシュフローに関する情報は、本決算短信では作成されていない。
神島化学工業株式会社の2026年4月期第1四半期決算は、売上高、利益ともに前年同期比で減少という結果となった。これは、国内経済の緩やかな回復基調にあるものの、住宅市場の低迷や米国の関税政策といった外部環境の不確実性が業績に影響を与えたことを示唆している。特に建材事業における住宅着工戸数の減少は、同社の主要事業の一つに直接的な打撃を与えた形である。化成品事業においても、一部製品の低調は、グローバルな経済動向や貿易政策の影響を受けやすい構造であることを浮き彫りにした。
しかしながら、同社は中期経営計画の基本方針である「環境対策等の社会課題へ対応することによって持続的成長モデルを構築し、社会貢献と利益拡大を両立」および「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を堅持し、経営に取り組んでいる。この姿勢は、短期的な業績の変動に左右されず、長期的な企業価値向上を目指す同社の強い意志の表れと捉えることができる。
特筆すべきは、厳しい第1四半期の結果にもかかわらず、通期業績予想に変更がない点である。これは、下期以降の業績回復に対する同社の強い自信を示唆している。特に、化成品事業における工業用途の酸化マグネシウムの拡販や、建材事業における高付加価値製品の販売強化など、具体的な収益改善策が奏功する見込みであると考えられる。また、株主還元についても、年間配当予想を増額しており、株主への利益還元を重視する姿勢は変わらない。
投資家目線で見ると、第1四半期の減収減益はネガティブな要素ではあるものの、通期見通しの維持と配当予想の増額はポジティブな材料と言える。今後の注目点は、下期における業績回復の確度と、グローバル経済の動向に左右されにくい事業ポートフォリオの強化である。同社が掲げる持続的成長モデルの実現に向けた具体的な取り組みが、今後の株価にどのように反映されていくか、引き続き注視していく必要がある。
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