株式会社シャノンは、2025年12月期第3四半期連結累計期間において、売上高2,097百万円(前年同期比7.8%減)、営業利益98百万円(前年同期は営業損失134,060百万円)となった。経常損失は58,021百万円(前年同期は経常損失134,915百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は148,087百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失136,132百万円)となった。 クラウドサービス市場の成長を背景に、マーケティングクラウド事業におけるストック型売上が堅調に推移した。一方で、広告事業の一部売却やメタバース事業の縮小等により、全体としては減収となった。営業費用は、前期からの採用抑制や人員の有効活用、不採算事業の整理等により減少に転じ、営業利益は大幅に改善し、黒字転換を果たした。 株主還元については、配当は実施していない。自己株式取得に関する記載は見当たらない。 本決算発表は、営業利益の黒字転換というポジティブな側面はあるものの、純損失は継続しており、投資家目線では引き続き収益性改善への期待と懸念が混在する内容であった。
株式会社シャノンの2025年12月期第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が前年同期比7.8%減の2,097百万円となった。これは、広告事業の一部売却やメタバース事業の縮小といった事業再編の影響を受けたためである。しかしながら、営業費用が前期からの採用抑制や人員の有効活用、不採算事業の整理等により減少に転じた結果、営業利益は前年同期の営業損失134,060百万円から98百万円の黒字へと大幅に改善した。経常損失は58,021百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は148,087百万円となった。 クラウドサービス市場の成長は継続しており、特にマーケティングクラウド事業におけるストック型売上が堅調に推移したことが、収益改善に寄与した。通期での営業黒字化に向けた進捗は順調であると判断される。
指標 | 2025年12月期(累計) | 2024年10月期(累計) | 前年同期比 |
---|---|---|---|
売上高 | 2,097億円 | 2,275億円 | △7.8% |
営業利益 | 0億円 | △134億円 | - |
経常利益 | △58億円 | △134億円 | - |
純利益 | △148億円 | △136億円 | - |
マーケティングクラウド事業は、全社売上高の約80%を占める主力事業である。 当第3四半期連結累計期間において、マーケティングクラウド事業の売上高は1,692,145千円(前年同期比14.3%減)となった。これは、前連結会計年度の広告事業の一部売却や、大型のコンサルティング案件の収束の影響を受けたためである。しかし、ストック型売上は前年比110%を上回る推移となり、堅調に推移した。フロー型売上は減少したが、想定通りの推移であった。営業利益は192,371千円(前年同期比85.5%増)と大幅に増加した。これは、主に不採算事業の整理や減損損失の計上により、のれん償却費及び減価償却費が減少したことなどが主因である。契約アカウント数は577アカウント(前期末比4.0%増)となった。 今後は、主力事業であるサブスクリプション事業に経営リソースを集中させ、早期の黒字経営への回帰を目指す。
イベントクラウド事業は、全社売上高の約20%を占める事業である。 当第3四半期連結累計期間において、イベントクラウド事業の売上高は405,259千円(前年同期比34.8%増)となった。これは、リアルイベント開催への回帰傾向が鮮明となり、大型イベントの会期が増加したことによるものである。営業利益は76,163千円(前年同期比841.1%増)と大幅に増加した。この傾向は通期予算達成に向けて、受注動向も順調に推移している。
株式会社シャノンは、2025年4月21日開催の臨時株主総会において、「定款一部変更の件」が承認されたことに伴い、2025年12月期より決算期(事業年度の末日)を10月31日から12月31日に変更した。これにより、2025年12月期は14ヶ月間の変則的な決算となる。この決算期の変更は、事業年度の末日を統一し、経営管理の効率化を図ることを目的としている。
該当する四半期決算発表が1Q or 2Q or 3Qの決算発表だった場合は、このセクションを記載して。該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)だった場合は、このセクションは、何も記載しないで削除して。 2025年12月期の通期業績予想は、2025年5月12日公表の予想から変更なく据え置かれている。 第3四半期連結累計期間終了時点での進捗率は以下の通りである。
指標 | 通期予想 | 進捗率(3Q) |
---|---|---|
売上高 | 3,230億円 | 65% |
営業利益 | 20億円 | - |
経常利益 | △135億円 | - |
純利益 | △25億円 | - |
該当する四半期決算発表が4Qの決算発表(通期決算発表)だった場合は、このセクションを記載して。該当する四半期決算発表が1Q or 2Q or 3Qの決算発表だった場合は、このセクションは、何も記載しないで削除して。
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は1,929,637千円となり、前連結会計年度末から239,844千円減少した。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産、その他流動資産の減少、および投資その他の資産に含まれる保険積立金の減少である。 負債合計は1,068,528千円となり、前連結会計年度末から1,153,496千円減少した。これは、主に社債および長期借入金の減少によるものである。 純資産合計は861,109千円となり、前連結会計年度末の△52,542千円から大幅に増加した。これは、第3回無担保転換社債型新株予約権の転換と新株予約権の行使に伴い、資本金及び資本準備金が増加したことによるものである。 キャッシュフローに関する具体的な記載は確認されなかった。
株式会社シャノンは、クラウドサービス市場の成長を追い風に、主力事業であるマーケティングクラウド事業のストック型売上の拡大に注力し、収益性改善と早期の黒字経営への回帰を目指す方針である。第3四半期連結累計期間において、事業再編の影響を受けつつも、営業利益が黒字転換したことはポジティブな兆候と言える。しかし、親会社株主に帰属する四半期純損失は継続しており、財務体質の改善が引き続き重要な課題である。 決算期変更による14ヶ月決算という変則的な期間となる2025年12月期において、通期業績予想に変更はないものの、その達成に向けた具体的な施策や、さらなる収益性向上に向けた取り組みが注目される。特に、広告事業やメタバース事業の縮小といった構造改革を進める中で、主力事業へのリソース集中が奏功し、持続的な成長軌道に乗せることができるかが、今後の企業価値向上における鍵となるだろう。投資家目線では、営業利益の黒字化は評価できるものの、純損失の解消と安定的な収益基盤の構築が、さらなる評価を得るための必須条件となる。
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