株式会社バリューゴルフは、2026年1月期第2四半期(中間期)において、売上高2,350,084千円(前年同期比13.1%増)、営業利益51,367千円(前年同期比17.5%減)、経常利益47,438千円(前年同期比11.5%減)、親会社株主に帰属する中間純利益30,186千円(前年同期比68.1%増)となった。ゴルフ事業はASPサービス「1人予約ランド」の会員数増加や新サービス「リピ増くんDX」の販売開始により堅調に推移したが、ECサービスにおいては海外クラブの輸入価格高止まりの影響を受けた。トラベル事業はアウトバウンド需要の回復に時間を要するものの、円安傾向や日本人気を背景に好調に推移した。その他の事業では不動産事業への参入やDX推進事業の順調な推移により大幅な増収増益となった。全体としては、売上高は増加したものの、収益面では一部事業でのコスト増加や為替差損の影響により減益となった。しかし、不動産事業への参入やDX推進事業の成長により、今後の企業価値向上への期待も示唆されている。株主還元としては、2025年1月期は年間配当25円であったが、2026年1月期は期末配当25円の予想となっている。自己株式取得に関する記載は確認されなかった。
株式会社バリューゴルフの2026年1月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高が前年同期比13.1%増の2,350,084千円となった。これは、ゴルフ事業におけるASPサービス「1人予約ランド」の会員数増加や、トラベル事業におけるアウトバウンド需要の回復、そしてその他の事業における不動産事業への参入およびDX推進事業の成長が牽引した結果である。しかしながら、営業利益は同17.5%減の51,367千円、経常利益は同11.5%減の47,438千円となった。これは、ゴルフ事業におけるAIを活用したサービス開発への投資や広告宣伝活動の強化による一時的な費用増加、ECサービスにおける商品構成の見直し、トラベル事業における仕入れコストの上昇、そしてその他の事業における不動産関連の初期投資などが影響したためである。一方で、親会社株主に帰属する中間純利益は同68.1%増の30,186千円となった。これは、主に不動産事業への参入による用地取得や、DX推進事業の収益化が寄与した結果である。全体として、売上高は増加傾向にあるものの、収益面では一時的な費用増加や外部環境の影響を受け、減益となった四半期であった。
指標 | 2026年1月期(累計) | 2025年1月期(累計) | 前年同期比 |
---|---|---|---|
売上高 | 2,350億円 | 2,077億円 | 13.1% |
営業利益 | 51億円 | 62億円 | △17.6% |
経常利益 | 47億円 | 53億円 | △11.5% |
親会社株主に帰属する中間純利益 | 30億円 | 17億円 | 68.1% |
ゴルフ事業は、全社売上高の約73.7%を占める主要事業である。ASPサービス「1人予約ランド」の会員数は2025年7月31日時点で119.9万人となり、前期同期比8.7%増と堅調に推移している。これにより、ゴルフ場における1人予約のプラットフォームとしての地位をさらに強固なものとしている。また、2024年10月より提供を開始した新サービス「リピ増くんDX」は、ゴルフ場経営のDX化を推進し、省力化に貢献する他、AIを活用した集客プロモーション支援機能の拡充も進められており、新規受注獲得に注力している。ECサービスにおいては、米国での物価高と円安の影響を受け、海外クラブの輸入価格が高止まりしているため、日本モデルや自社オリジナルモデルの取り扱いを強化し、商品構成の見直しを進めている。店舗商品のWEB販売強化や、インバウンド需要の取り込み、顧客の囲い込みにも注力している。リニューアルオープンした新橋店の売上も順調であり、今後も販路拡大と収益改善を目指す。レッスンサービスでは、バリューゴルフ大崎、ジーパーズゴルフクラブ浦安 by ValueGolfともに会員数が堅調に推移しており、インドアレッスンとゴルフショップが併設された複合施設としての認知度向上に努めている。ゴルファーからの問い合わせ増加に対応するため、実体験ラウンドレッスンや地域メディア、SNSを活用した積極的な情報発信を行い、顧客満足度の向上を図っている。ゴルフ事業全体としては、AIを活用したサービス開発への投資や広告宣伝活動の強化により、一時的に費用が増加しているが、売上高は前期同期比3.9%増の1,801,027千円を達成した。しかし、営業利益は同17.7%減の253,654千円となった。
トラベル事業は、全社売上高の約18.3%を占める。アウトバウンド需要の回復に時間を要しているものの、円安傾向や日本人気を背景に好調な状況が続いている。訪日外客数の増加に伴い、メディカルツーリズムツアーのセールスや日本への語学留学プログラムの受注などを行い、売上確保に注力している。今後も、各種ツアー催行、ツアー計画や仕入れ、既存大口顧客への営業、新規顧客の獲得を強化していく方針である。株式会社エスプリ・ゴルフでは、テーマ毎の内容にこだわったゴルフ旅行や、メジャーリーグ観戦旅行、海外の名門ゴルフ場とのコネクションを活かした高単価の旅行を提供し、好評を得ている。今後も、多くの魅力的な企画を立案し、新規アウトバウンド顧客層の開拓に注力していく。以上の結果、売上高は前期同期比45.6%増の419,367千円、営業利益は同13.4%増の27,536千円となった。
その他の事業は、全社売上高の約7.0%を占める。当期より不動産事業を開始し、6月中旬に不動産用地を取得した。取得した用地に系統用蓄電池施設を開発することで、用地価値を大きく高めることを目指している。この不動産事業は、系統用蓄電池施設導入のノウハウを活かし、ゴルフ場が直面する遊休地の活用課題に対して革新的な解決策を提案するものであり、新たな収益源となる事業として、企業価値向上と成長の原動力となることが期待されている。また、DX推進事業及びSES事業を展開する株式会社ノアの売上も順調に推移している。当期においてはグループデジタル推進室を発足し、AI活用研究所と並行して当社グループ内のDX推進を実施している。大手ITベンダー企業と共同で社会人向けAI活用研修を実施し、収益化につなげている。IT需要・AI開発需要の旺盛さを取り込みながら、顧客への価値提供を行っていく。以上の結果、売上高は前期同期比134.6%増の165,069千円、営業利益は同173.1%増の8,790千円となった。
株式会社バリューゴルフは、2026年1月期中間連結会計期間において、株式会社エスプリ・ゴルフの株式を取得し連結子会社とした。これにより、トラベル事業における「のれん」が105,520千円増加した。また、株式会社ノアの株式を取得し連結子会社としたことにより、「その他」の事業における「のれん」が45,408千円増加した。これらの企業結合により、各事業セグメントの強化と事業領域の拡大が図られている。
株式会社バリューゴルフは、2026年1月期通期連結業績予想から変更はない。
指標 | 通期予想 | 進捗率(2Q) |
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売上高 | 4,500億円 | 52.2% |
営業利益 | 180億円 | 28.5% |
経常利益 | 160億円 | 29.7% |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 120億円 | 25.2% |
2026年1月期中間連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末と比較して683,102千円増加し、3,331,020千円となった。これは主に、売掛金の増加55,236千円、商品の増加672,101千円、旅行前払金の減少20,186千円によるものである。負債は、前連結会計年度末と比較して696,966千円増加し、2,219,879千円となった。これは主に、短期借入金の増加650,000千円、買掛金の増加68,992千円、旅行前受金の減少17,146千円によるものである。純資産は、前連結会計年度末と比較して13,864千円減少し、1,111,140千円となった。これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益30,186千円の計上及び配当金の支払45,170千円による利益剰余金の減少14,983千円によるものである。キャッシュ・フローの状況としては、営業活動によるキャッシュ・フローは585,029千円の資金減少となった。これは、旅行前払金の減少や仕入債務の増加による資金の増加があったものの、売上債権の増加や棚卸資産の増加、旅行前受金の減少などが主な要因である。投資活動によるキャッシュ・フローは692千円の資金減少となった。これは、敷金及び保証金の回収による収入があったものの、有形固定資産の取得や資産除去債務の履行による支出が主な要因である。財務活動によるキャッシュ・フローは590,074千円の資金増加となった。これは、短期借入金の増加や長期借入れによる収入があったものの、長期借入金の返済や配当金の支払額による資金の減少が主な要因である。
株式会社バリューゴルフは、2026年1月期通期連結業績予想に変更はないものの、第2四半期決算短信からは、売上高の増加傾向は維持しつつも、収益面での課題が浮き彫りになっている。ゴルフ事業においては、ASPサービス「1人予約ランド」の堅調な成長と新サービス「リピ増くんDX」の展開が期待されるが、EC事業における商品構成の見直しや、ゴルフ事業全体でのサービス開発・広告宣伝費の増加が一時的な利益圧迫要因となる可能性がある。トラベル事業は、インバウンド需要の回復と円安を追い風に成長を続けると見られるが、海外旅行需要の本格的な回復にはまだ時間を要する可能性も否定できない。特に、株式会社エスプリ・ゴルフによる高単価旅行の提供は、収益性の向上に寄与するだろう。その他の事業における不動産事業への参入は、新たな収益の柱となる可能性を秘めており、系統用蓄電池施設の開発による用地価値向上への期待は大きい。また、DX推進事業やSES事業の順調な推移も、企業全体の成長を後押しする要因となる。
投資家目線で見ると、今回の決算発表は、売上高の増加というポジティブな側面がある一方で、営業利益の減少というネガティブな側面も併せ持っている。特に、ゴルフ事業における収益性の低下は懸念材料であり、今後のコスト管理と収益改善策が重要となる。しかし、不動産事業への参入やDX推進事業の成長といった新規事業の進展は、将来的な企業価値向上への期待を高める要素である。これらの新規事業が計画通りに進捗し、収益に貢献するようになれば、現在の収益構造の課題を克服し、持続的な成長軌道に乗る可能性も十分にある。株主還元においては、配当予想に変更はないものの、自己株式取得に関する情報がない点は、株主還元の積極性という観点からはやや物足りなさを感じるかもしれない。
今後の見通しとしては、各事業セグメントの成長戦略の着実な実行と、新規事業の収益化が鍵となる。特に、不動産事業における系統用蓄電池施設の開発・運用が軌道に乗るかどうかが、今後の業績に大きな影響を与えるだろう。また、グローバル経済の不確実性や為替変動リスクにも注意が必要である。これらのリスクを管理しつつ、新たな収益源の確保と既存事業の収益性向上を両立させることが、企業価値の向上に繋がるであろう。全体として、成長への期待と収益性への懸念が混在する決算発表であり、今後の事業展開と収益動向を注視していく必要がある。
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